聖闘士星矢 黄金の若き戦士達
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607部分:第八十七話 再び古都へその四
第八十七話 再び古都へその四
「そういうことだ。どちらも等しく美しいものだ」
「その通りですね」
アルデバランの言葉に微笑んで頷いたのはムウであった。
「アルデバランの言う通りですね」
「おい、ムウよ」
「それはどうかと思うのだが」
「そうだ。どちらも等しいというのはだ」
「どちらつかずではないでしょうか」
四人は今度はムウに対してつっかかる。そんな彼等を見て周りの利用者達は首を傾げさせておかしな連中がいると見ているのであった。
「それは違います」
「そうだ。比べられるものではない」
またアルデバランが言う。
「どちらもだ」
「だからよ、それこそがよ」
「どちらつかずなのだ」
「そういう表現はだ」
「あまりいいものではないのですが」
「ああ、四人共落ち着いて下さい」
欧州の北と南で別れている彼等にまた言うムウであった。
「つまりです」
「青い空が美しいのはこの青故だな」
「ああ、そうだ」
「その通りだ」
デスマスクとシュラが答える。
「っていうかよ。そんなことはよ」
「もう言うまでもないことだが」
「そしてだ。オーロラはその輝き故に美しい」
「今更ではないのか?」
「その通りですね」
今度はカミュとアフロディーテが言う。巨体のアルデバランと二人と二人で挟んでいる。四人もその背はかなりのものだがアルデバランの巨体はその彼等をも圧倒していた。
「比べること自体が間違いだ」
「つまりはです」
またムウが出て来て言う。
「サファイアとルビーはどちらが美しいでしょうか」
「そんなこと比べられるかよ」
「全くだ」
「どちらも色が全く違う」
「比べられるものではありません」
「つまりそういうことです」
ムウは今の四人の言葉を受けてまた優しい微笑を見せた。
「どれがいいということは言えません」
「太陽と月を比べられるか」
アルデバランはこう表現した。
「どちらがよりいいか」
「そういうことですから」
そうだと四人に話すのであった。
「だからですね」
「言い争っても仕方の無いことだ」
「そうだな」
ここで横からミロが出て来た。彼はギリシア出身である。
「二人の言う通りだ。四人共ここはだ」
「矛を収めろというのだな」
「その通りだ」
こうカミュに対しても告げるのだった。
「いいな、それで」
「まあ俺もよ」
デスマスクもそれに一応従って応える。
「あれだよ。オーロラだって嫌いじゃないさ」
「俺もだ」
それはシュラもであった。二人共穏やかな調子にはなっている。
「奇麗なことは認めるぜ、はっきりとな」
「それにはやぶさかではない」
「私もだ。青い空はだ」
「この上ない美しさを持っています」
カミュとアフロディーテも青空の美しさは知っていた。
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