聖闘士星矢 黄金の若き戦士達
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605部分:第八十七話 再び古都へその二
第八十七話 再び古都へその二
「聖域の兵士達もいるがだ」
「やはり彼等の力が必要ですね」
「だからこそ待機させる」
やはりそうだというのである。
「いいな。それでだ」
「わかりました。それでは」
「サガやアイオロス達がいない間はだ」
「あくまで守りですね」
「攻めはしない。わかったな」
「畏まりました」
静かに応えたシャカだった。そしてそのうえで言ってきたのである。
「それではそれと共に」
「トラキアを見ることも忘れないのだな」
「無論です」
それは当然であるというのだ。彼はただ守るだけの男ではなかった。
「既に見続けています」
「そして何が見える」
「トラキアに見えるのは先程申し上げただけです」
「そうか」
「しかしローマでは」
「見えるか」
「禍々しい強大な小宇宙が四つ」
彼は述べた。
「それを感じます」
「そうか。それをだな」
「今まさに起き上がらんとしています」
こうも言うシャカだった。
「それがです」
「ではやはり」
「避けられなくともです」
シャカはまた言ってきた。
「教皇」
「何だ?」
「我等の戦いはこれで終わりではありますまい」
目は閉じられていた。しかし己の前にいるシオンをしかと見ての言葉であった。既にそれは見えているのであった。例えその目は閉じられててもである。
「左様ですね」
「そうだと言えば」
「その運命の為にも戦いましょう」
これがシオンの言葉に対する返答であった。
「喜んで」
「そうしてくれるか」
「私はアテナの聖闘士です」
彼もまた、であった。それは彼も何よりも強く自覚していることであった。
「ですから」
「そうか」
「はい、それだけです」
こうも言うシャカであった。
「私はです」
「そうだな。そして私もだ」
「教皇もまた」
「私もまた同じなのだ」
彼の今の言葉である。
「そういう意味では御前達とだ」
「我々とですか」
「そうだ、アテナの僕だ」
こう表現したのである。
「我等全員だ」
「教皇といえどもですね」
「そうだ。そうした意味ではだ」
そしてその次のシオンの言葉は。
「我等は同じだ」
「はい、まさに」
「我等は同じだ」
また言うシオンであった。
「アテナの為に戦う存在だ」
「その通りです。それは」
シャカもそのことを認める。彼にしてもそれは同じ考えだった。確かに教皇と聖闘士という立場の違いはあるが彼等はアテナの僕という意味で同じ存在なのである。
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