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Three Roses

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第二十四話 やつれていく身体その七

「私達はお互いに」
「助け合っていきましょう」
「今も尚」
「何かあれば」
「その時は」
 こうマリーに言うのだった、マリーは自分は今も一人ではないことがわかった。そのうえでこの国において動くのだった。
 マリーとマイラ、新教徒と旧教徒達は今はそれぞれの旗印同士が時折会い話をしていることもあり衝突は起こっていなかった、だが。
 王は玉座からだ、側近達に言った。
「あくまでだ」
「あくまで、ですね」
「今の状況は」
「お互いに動いていないだけで」
「それが表面化していないだけですね」
「それに過ぎない、武力衝突はなくともだ」
 それでもというのだ。
「水面下では」
「主導権をですね」
「双方共狙っていますね」
「新教側も旧教側も」
「どちらも」
「そうしている、特に旧教徒達はだ」
 今は劣勢の彼等はというのだ、この国において。
「太子が実質的な領袖としてな」
「何かとですね」
「動こうとしていますね」
「主導権を狙い」
「そうして」
「そうしている」
 その動きを察していての言葉だ。
「それも武力は使わないが」
「より強い」
「そうしたことをですね」
「行おうとしている」
「そうですね」
「それが何かまではわからないが」
 しかしとだ、王は言った。
「あの太子は油断出来ない」
「新教徒達にとっては」
「つまり我々にとっては」
「王国以上に厄介ですね」
「そうした方ですね」
「太子は王国の敵だ」
 このことは間違いないとだ、王は断言した。
「ロートリンゲン家の後継者であるしな」
「帝国の帝室であるですね」
「あの家の後継者であられますね」
「そしてですね」
「帝国と王国は数百年来の敵同士ですから」
「だからだ」
 それ故にというのだ。
「同じ敵を持っていることはだ」
「紛れもない事実で」
「そうした意味では我々の味方ですね」
「この国の敵ではありませんね」
「そうだ、しかしだ」
 こうした意味では敵ではないがというのだ。
「我々この国の新教徒達にはだ」
「敵ですね」
「そうした意味では」
「紛れもなく」
「そうなる」
 それはそれでというのだ。 
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