聖闘士星矢 黄金の若き戦士達
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。
ページ下へ移動
60部分:第七話 恐怖の集結その二
第七話 恐怖の集結その二
「ビールにしろな」
「そうですか」
「ルターっていただろ」
「ああ、あの」
ジャミアンがその名前に応える。
「プロテスタントでしたっけ」
「あいつも痛風だったんだよ」
「というとやっぱりビールで」
「ビールの害毒を何時間も講義してその後に美味そうに何杯もな」
「そりゃ駄目ですね」
それを聞いたゾルダが言う。
「やっぱりそうですか」
「まあ無理もないけれどな」
しかしデスマスクはここでそれを肯定してみせた。
「それもな」
「仕方ないですか」
「実際美味いだろ」
デスマスクは言う。
「特にこのソーセージとの組み合わせはな」
「確かに」
「何かこの二つがあればかなり」
「それだよ。実は俺もな」
「好きなんですね」
「元々ドイツは好きなんだよ」
意外な好みだった。生粋のイタリア人であるデスマスクだがドイツが好きらしい。皆それを聞いて意外といった顔でデスマスクを見るのだった。そのうえでディオが彼に言ってきた。
「ドイツがお好きとは思いませんでした」
「何だかんだでドイツ人が来るんだよ」
デスマスクはこう言ってきた。
「イタリアにな」
「ああ、そうですね」
それにアンタスが応える。
「イタリアに観光旅行で随分来るんですね」
「凄いぞ。毎年毎年わんさと来る」
「どれだけですか?」
「一千万は来るな」
「一千万・・・・・・」
レッシュはそれを聞いて呆然となる。
「それはまた随分」
「やたらとでかいからすぐにわかるんだよ」
イタリア人に比べるとドイツ人はかなり大柄である。例えば小柄だと言われていたヒトラーがムッソリーニと並ぶとヒトラーの方が大きかった。ただしヒトラーが小柄だというのは多分に伝説であり実際は一七〇を超えていた。均整の取れた体格であったのだ。
「服装もな。違うからな」
「そうですか」
「そうなんだよ、あちこちにいつもいるぜ」
「それはまた随分」
「だからもう知ってるんだよ」
こう六人に語る。
「ドイツ人はな」
「ドイツ料理もですか」
「そういうことさ。もっとも一番好きなのはやっぱりな」
「イタリアですか」
やはりこれが出るのだった。
「そういえばデスマスク様は」
「ああ、パスタにピッツァも作れるぜ」
六人に対して誇らしげに笑って答える。
「それこそ何でもな」
「意外とお器用なんですね」
「美味いものを食おうって思ったら自分で作るのが一番だからな」
一理ある。それを考えると彼はかなり味に五月蝿いようである。
「だからだよ」
「そうですか」
「それで」
「黄金の奴等は料理美味い奴多いがな」
また言う。
「アルデバランにしろな」
「あの方は確かに美味いですね」
「肉料理が」
ジャミアンとディオが言う。
「それもかなり」
「ワイルドの中に繊細さがあって」
「牛が牛を食うんだよ」
デスマスクは笑ってこう表現してみせた。
「俺も蟹は好きだがな」
「ではシュラ様やアフロディーテ様はやはり」
「山羊やお魚を」
「そうだぜ。あいつ等もあれで味には五月蝿いからな」
中々料理に造詣の深い人間が集まっているのが今の黄金聖闘士らしい。何かにつけ仰ぎ見られることの多い彼等だがやはり人間なのだ。
ページ上へ戻る