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Three Roses

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第二十四話 やつれていく身体その四

 だがそれでもだ、マイラはというのだ。
「この国をよく治められます」
「気になることは」
 デゅーダー卿が目を光らせて言うことはというと。
「あの方にお子が産まれられますと」
「ロートリンゲン家のですね」
「そうなりますが」
「そのことは私も気になりますが」
「しかしですか」
「はい、そこは何とかです」
「王子をですね」
 幼な子であるが既に北の王国で王位に就いている、そのうえでマリーの養子となっていてこの国の継承権も持っているのだ。
「次の王に」
「そうして頂きます」
「確かにです」 
 大司教も言う。
「あの方が王になられれば」
「その時は」
「はい、この国と北の王国がです」
「この二国が一つになります」
「元々二つの家は一つの家でした」
 この国の王家と北の王国の王家はというのだ、マリーはこのことも知っている。これは半島も島国も同じだ。
「ですから」
「あの方をですね」
「はい、次の王に」
 マイラのというのだ。
「このことはです」
「是非共」
「認めて頂きたいです」
「その為にはです」 
 マリーがそう思うのならとだ、キャスリング卿も話した。
「お力が必要です」
「認めて頂くだけの」
「王子には北の王国がありますが」
 彼が王となっている国だ、王子は北の王国では既に王でありこの国においては王子の称号を得ているのだ。
「それに加えてです」
「王子の義母であり後見人である私もですね」
「そうです」
 まさにというのだ。
「お力をもです」
「持っていることですね」
「このまま」 
 是非にという言葉だった。
「そうされて下さい」
「そうですね、何かをしようというのなら」
「政はです」
 特にこの世界ではというのだ。
「力が必要なので」
「幾ら崇高な理想があろうとも」
「力です」
 まずはというのだ。
「それがなくてはです」
「どうしようもですね」
「はい、ないので」 
 だからだというのだ。
「今のままです」
「私は力を持ち」
「政治を進められて下さい」
「四国を一つにする為にも」
「幸い民達はです」
 肝心の彼等はというと。
「中にはそうでない者もいますが」
「多くはですね」
「四国が再び一つになることを望んでいます」
 国を為す彼等はというのだ。 
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