聖闘士星矢 黄金の若き戦士達
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565部分:第八十一話 恐怖の九人その二
第八十一話 恐怖の九人その二
「それではだ。いいな」
「いいでしょう、それではです」
「よし、ではな」
「行くぞ」
そう告げて今一歩出した。そのうえでムウに一斉に襲い掛かった。
ムウは彼等を前にして一歩も動かない。そして彼等が迫ったそこでだ。
「スターライトエクスティンクション!」
右手を前に出しそこから無数の光を放った。その光は瞬く間に彼に襲い掛かって来たインプ達を完全に包み込んでしまったのである。
「な、何っ!」
「この光は一体」
「何だ!?」
「冥界へ」
ムウはその彼等に対して告げた。
「私が貴方達を誘う場所はそこです」
「ば、馬鹿な!」
「何故我等がここで!」
「ここで消え去るのだ!」
彼等はその光の中に消え去った。残ったインプは一人もいなかった。
「何っ、どういうことだこれは」
「インプ達が一人残らず消えただと!?」
「これは一体」
残った九人の狂闘士達は今のムウの技に驚きを隠せなかった。
「あの技は何だというのだ!?」
「あれだけの数のインプ達を完全に消したというのか」
「まさか」
「黄金聖闘士はそれこそ想像を絶する技を持っている」
ここで言ったのはナルサスだった。
「そのセブンセンシズによってだ」
「ではそれによってか」
「インプ達を冥界に送ったというのか」
「あの光で」
「そうです」
そしてそれをムウも認めるのだった。技を放った彼自身がだ。
「このスターライトエクスティンクションという技は相手を私が念じた世界に送ることができます」
「ではそれによってインプ達をか」
「冥界に」
「その通りです」
こう答えるのだった。
「苦しみはしません。一瞬です」
「一瞬であれだけの数を消したというのか」
「やはりアリエス恐るべしと言うべきか」
「それにだ」
ここで彼等の小宇宙が高まった。その赤く禍々しい小宇宙がだ。
湧き上がりそのうえでムウを見据える。声にも怒りがこもってきていた。
「知っていると思うがだ」
「我等狂闘士の絆はまさに血の絆だ」
「同胞達の仇は必ず取る」
彼等は口々に言う。
「だからだ、アリエスよ」
「二度に渡りインプ達を倒したその仇」
「ここで取らせてもらう」
こう言って彼に向かおうとする。しかしここで。
また新しい小宇宙が来た。それは。
「来られましたね」
「えっ!?この小宇宙は」
「一体何なの!?」
「これは」
青銅の者達もこの小宇宙を感じて驚きの声をあげた。しきりに周りを見てだ。
「この小宇宙はまさか」
「八大公がここに」
「ここに来たというの!?」
そうしてだった。九人の狂闘士達もまた。驚愕した顔でそれぞれ言うのだった。
「リーヴェ様、何故ここで」
「ここに来られるのですか!」
「何故ですか!」
「事情が変わりました」
こう彼等に告げるのだった。
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