不定期短編小説 《リア充爆ぜろぃ》
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《非リアによって世界は回っている。》
前書き
今年も早いもので残りあと一週間となりました。
どうもご無沙汰しております。火蝶です。今年もこの時期がやってまいりました。皆様には気を強くお持ちになってお過ごしして頂きたいと切に願っております。
今回長めになっております。通常の二倍程度の8000文字くらいです。
ですがその分駄文が目立つところもあるかと思いますが気にせず読み進めて頂けると幸いです。
この季節。皆様におかれましては口癖のように「さっむ!」というような言葉が口からひっきりなしに飛び出していることでしょう。しかし、日本に住んでいる以上、それは至極当然の自然の摂理なのであります。自然の流れにのっとり、生物として非常に勤勉な態度で過ごしているということなのです。
しかし、この社会にはこの季節なのに「あっつい!」とか「暖かい」等という言葉を発する、愚か者ども、我々の双極として自然の摂理に怠惰な態度をとっている輩が存在することをご存知だろうか?
ご聡明な同士諸君には察しがついている事でしょう。そう、そいつらの名は『リア充』。彼らは普段より二人一組、オスとメス、つがいで行動するという習性をもった人種だ。
しかし、彼らの構造は我々とはさして変わらない。あえて言うならば、顔が整っているか、だ。畜生め。
そんな彼らがなぜ自然の摂理を逆流しているというかと、だ。
単純な話である。
♀「あ、雪。寒くなるのかなぁ?」
♂「大丈夫さ。俺たちの仲で雪も溶けちゃうよ♡」
♂手を握る。
♀「暖かい.....」
お分かりいただけたでしょうか?これです!自然の破壊者!雪という子どもの一大イベントを壊す悪魔!地球温暖化の原因の九割!
天網恢恢疎にして漏らさず。彼らには待たずして天罰が下るだろう。しかし、世界は暖かくなってしまった。雪がふらず、外で遊ぶ気力をなくし家に閉じこもる子供たち。温暖化etc....この暖かい世の中を再び適した寒さに戻す役目は、同士よ、彼らの双極に立つ私達の役目である。さぁ今この世界を奴らの毒牙から救うのだ
ただ一言、彼らのそのイチャ付きぶりに対し最大限大きな声で叫べ━━━━━
「「「「「「「「「「「「さっむ!」」」」」」」」」」」」
★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆
「っらっしゃっせー」
入店音が鳴ったと思うと自動ドアをくぐり客が入ってくる。
俺はその客に向かって適当に声を投げかける。そして、白い息を吐きながらトイレの方へ一直線に向かったのを見届ける。トイレだけして何も買わなかったら盛大に舌打ちしてやろう。頭の中ではそんなことを考えられても、この体にまとわりつくような虚無感を感じ、俺はため息を吐く。
「はぁ.....」
このコンビニのバイトを始めたのはつい先日である。内容はレジ打ちをしたり、商品を棚に出したりと、偏見で予想していたものしかなく慣れる慣れないなんて過程もなしに、そつなくこなすようになっている。
しかし、憂鬱な気分は一向に晴れる気配はない。しかし、それも仕方ないのだ。不幸な出来事が重なったのだ。まずはその説明をさせて頂こう。
俺はこのバイトの前はこの街の遊園地で期間限定のバイトをしていた。その内容は至ってシンプル。『サンタさんになりきろう!』である。つまり園内で白く長いあごひげを付け、全身をお馴染みの赤いコスチュームで包み、そしておじいちゃん特有の口調で接客をするといったものだ。といっても最近のおじいちゃん「ふぉふぉふぉ」みたいな笑い方しねぇよな。昔もしないか。
12月に入ってすぐから俺はこのバイトを始めた。大変だったのはサンタが複数人いてはおかしいというような無駄に徹底した遊園地の方針により、俺以外にサンタはいなかったということだ。
子どもに夢を与えるという役目を一貫した遊園地の、子どもの純粋無垢な心を打ち砕かない優しい取り組みに見られるかもしれない。しかし、それらはすべて建前でしかなく、ただバイトの人数を最小限に減らし、給金をケチる大魔王(=支配人)による裏があるのである。そのおかげで俺は見つかるや否や一斉に客に囲まれ、客足が途絶えない限り延々とサンタごっこをさせられた。
俺が裏ならば、純粋にサンタと戯れる客は表。表がその形を成り立たせている限り、裏では必ず何かしらの犠牲が生じている。逆説的に言って、この世界は犠牲によって成り立っている。
しかし本題はここからで、事件は俺がこの犠牲に身を削るのに慣れてきたころに起こった。犠牲に慣れるってなんだよ、社会の闇に飲み込まれてんじゃねぇか。
その日は珍しく人が少なかった。俺ものんびりと園内をうろうろしてははしゃぐ幼女たちを眺めていた。あっ勘違いしないでね別にロリコンじゃないから。え?じゃあなんでながめてたかって?.....
そこに幼女がいたから?あ、ダメだ本格的なロリコンじゃねぇかこれ。
まぁその話はともかくとして、俺はとあるカップルに話しかけられた。俺が営業スマイルを振りまきながら体を向けたそのとき。衝撃がはしった。
さて、ここで問題。俺の視線の先にはなにがあったでしょうか?
1,俺の彼女が男と手を繋いでいた。
2,俺の男友達が女と手を繋いでいた。
さぁ、どっちもです。......もう考える時間渡すのがもったいないよ。そうだよ、彼女に浮気されたのと友達に裏切られたの両方だったんだ。....おーいそこ。「ざまぁWWW」とか「コポォWWW」とか言ってんじゃねぇぞ?顔面蹴るぞ?
この話のつらいところはさらにある。それは、俺がこのサンタのバイトを始めた理由に関係する。この彼女にクリスマスプレゼントを買ってあげたかったんだ.......。
初彼女に浮気をされる。これはもちろん初の体験だった。しかし、友達に裏切られたのは二回目だ。しかも同じ奴。こいつもう確信犯じゃねぇかなぁ.....なぁ?『切田?』
やったなお前ら。タイトル回収だ。今ここにリア充爆ぜました。拍手!!!
━━━━そしてもう一度盛大な拍手!これは再誕を祝う拍手だ。
俺は即座に理解し、そのうえで彼らに話しかける。
━━━━え?誰の再誕かって?
「ふぉふぉふぉ、カップルさんや、突然じゃがクイズじゃ。わしの服は真っ赤じゃがなぜか知っとるかの?」
━━━━そんなの決まっているだろ?
「えー?わかんなーい。正解は~?」
━━━━非リアの事を同士と呼び、
「ふぉふぉふぉ、正解はじゃな」
俺はそこまで言葉を紡ぐと帽子と髭を一気に取り払った。俺の素顔をみた二人は一瞬の驚愕の表情から一気に青くなる....
━━━━一話の主人公にしてプチテロの実行者!
「てめぇらリア充の血を吸ってるから、じゃよ」
━━━━俺こと鹿田 雪弥だぁ!
俺は切田の顎へ渾身の右フックを放った。もろにくらった切田はぶっ飛んだ。
背中から地面に倒れた切田は立ち上がる様子がない、そりゃそうだ、脳震盪の一つでも起こすだろう。
リア充への怨念込めたパンチを延々と自室の壁に打ち込んでいた俺の一発をうけたんだからな。
聞こえてはいないだろう。しかし、俺は首をならし、倒れ込んだ切田に向けて言い放った。
「リア充に.....制裁を」
そして次に俺は怯えている元カノ....っと、名前なんだっけ。ま、いいか。に体を向ける。
気づけば、俺の黄金の右フックをみた他の客やらスタッフが集まってきていた。
....丁度いい。
「あ、あの、雪弥く「この女はショタっ子狩りだぁぁああああ!!!!!道行く幼稚園~小学校低学年の男の子は漏れなく性的対象に見てますゥゥゥゥゥ!!!!!!おか――さん方ぁぁぁ!!!お宅のお子さん守ったげてぇぇぇぇ!!!!!」....え?」
元カノの言葉を遮り俺は力いっぱい叫んだ。もちろん真っ赤なウソである。だが、こいつを貶めるのには充分すぎる。世の中怖くなったからね、ほら見てごらんそこかしこでスマホが構えられている。あとはあいつらの誰かがSNSに上げれば一瞬だ。そのツイート見つけ次第アカウントとともにRTすればミッションコンプである。
俺は叫び終わると顔を真っ青にした元カノと目が合う。
俺は最大限に穏やかな笑みを浮かべ言い放つ。
「クリスマスプレゼントだ、とっとけ。」
そして俺はその場から走り出した。・・・・・・・
そして、俺はそのあと遊園地にバイトをやめる旨を電話で伝えた。といってもどっち道クビだっただろうが。そしてその時に聞いたのだが切田の奴は警察に通報などはしなかったらしい。面倒ごとを避けたかったのかどうかは知らないが、顔面殴られといて何もないってのはどいうことだろう。俺にしてはラッキーだけど。その場のノリで殴っちまったからいつ警察が来るかって部屋で怯えてたからね。そこ、ダサいとかおもってんじゃねーぞ。
━━━━そして今に至るのである。
彼女がいないならもうバイトする意味なくね?と思った方にお答えしよう。やはり金はいるのだ。
ケーキを買って、チキンを買ってと、そしてプレゼントを買ってと、パーティにはいろいろ準備が必要なのだ。サンタのバイトと比べて時給が安いこのバイトで済むのはパーティ参加人数が俺一人になったからだけどね。いいもんクリスマス一挙放送のアニメみるから。
しかし、リア充になっている間にこの社会はアニメの一挙放送はじめ、クリスマス期間中は非リアの同志たちに対しての優遇が始まっている。なんかカップルの値段を二割増しにして同志たちの値段をを安くしたりだったり、カップル入店禁止だったり.....
極めつけはとある大学の話だが、クリスマスの過ごし方に関して注意を喚起してるところがあった。
内容はこんな感じ。
1、赤い三角帽子をかぶらない(みっともない)
2、番にならない
3、手を繋がない(一メートル以上近づかないのが最も好ましい)
4、絶対に愛をささやかない(気持ちが悪い)
5、繁殖しない
少し前の話だがこんな感じらしい。最高の同志だな。いいぞもっとやれ。
そんなことを考えながら、レジ横に置いてある売れ残ったクリスマスケーキにシンパシーを感じていると客が商品をもってレジにきた。俺はありがとうございますと一言ことわりを入れてからレジ打ちを始める..........この季節カップル多すぎて嫌になっちゃうな。今も俺がレジ打っている間に腕組んでイチャイチャ、警告しとくとそのうち後ろからナイフで刺されるぞ?まぁ警告しないんだけど。....俺は実行犯側だからな。
......時計をちらと見る。丁度バイト上がりの時間だ。.....一発やっとくか。
俺は商品を袋に入れ終わると満点の笑顔で言った。
「お会計800円に...ってお前かよ~!久しぶり元気?..ん?またお前は....見るたびに違う女連れてんな!この子はランキング何位だよ~wwww」
カップルのイチャイチャで幸せ満点の顔が一気に曇っていった。
ここで重要になってくるのは逃げ足である。相手に何も言わさずに逃げる!
「あ、バイト終わりの時間だわ。じゃな~♪」
そして俺はバックへ下がる。
この後奴らがどうなろうと俺はいっさい関知しない。本当に信頼している相手だったらこんなんじゃその関係が崩れることはないだろ?だがたいていの高校生カップルとかだったらこの後喧嘩別れする場合が多い。案外もろいものなのだ。強度で言うと非リアの方が数段上だ。強さを求めるなら孤高である非リアになるべきだ。
証明するとこうだ。
カーストの頂点。それはピラミッド状になっている図を思い浮かべると分かりやすい。頂点はどうあがこうと一人つまり孤高だ。よって頂点=孤高が成り立つ。
これに先ほど述べた非リア=孤高の仮定をおき、結ぶと頂点=非リアが成立するだろう。
さて、バイトも終わったし何をしようか。そうだ、プチテロをしよう。
ということで緊急企画、《失踪するプチテロ犯》をお送りします。
「よう!元気か!お?今日はいつもの眼帯つけていないのか?邪血龍眼の封印はいいのか?右手の無名神の紋章は?世界を深淵へ誘うホワイトアッシュはどこへいったんだよ~wwあ、それじゃ」
「お!今日はお菓子で釣った幼稚園児じゃないんだな?」
「いつも肩にのせて談笑している10人の嫁人形は?」
「人形じゃねぇフィギュアだ!」
「マジモンいたぁ!?
「今日はその子に踏んでもらうのか。毎日懲りないな」
「.....警察には言わないけどお前のあれは法の向こう側にいってんだからな、そろそろやめとけよ。そんなんだから次から次へ女の子が消えるんだろ。」
「今日はいつも肌身離さず持っている熊の可愛いぬいぐるみはいないのか?」
「え、彼氏くんマジで?可愛い!」
「ヤベこいつは失敗だったか」
作者が疲れたから終了で。
「てめぇ!まぁ俺もつかれたけど!ここまで怒涛のプチテロは初めてだったよ!」
作者の悪乗りで予定が狂いに狂った。が、丁度良い時間になったので帰宅する。ちなみに今俺は一人暮らしでマンションの五階に住んでいる。あの初老サンタ(=オヤジ)稼ぎだけは無駄に高いからな。彼女ができたって言ったら速攻契約してきた、家賃も向こう持ち。....だから彼女にフられたなんて中々言えずにいる。
部屋に入ると買ってきたチキンやらをチンして温めなおす。チキンを買うときホントは骨付きの方が好きだけどネットで見た「骨なしチキンのお客様~」って言われるかな?って思って試してみた。番号で呼ばれた。っていうか店員男しかいなかったわ。
温めた料理をがっつき、そのあとケーキもおいしくいただいた。ただなんかしょっぱかったのが減点ポイントかな。しょっぱすぎて視界がゆがんだしね。ここまでテンプレ。
片付けを終え、そして俺はアニメを見ようとする。.......ん?すくーるでいず?見たことねぇな見てみっか。
★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★
「.....寝よ」
最後まで見れるわけねぇだろこんなの。
俺は布団を敷き、毛布にもぐろうする。
「あ、忘れてた」
俺はベランダにでて息を大きく吸いこみそして叫んだ。
「リア充爆ぜろぉぉぉぉぉおおぃ!!!!」
伝統を終え、俺は布団をもぐりこみ寝ようと瞼を閉じた。
......やはり眠れない、どうしようかな.....
と思っていると急に風が吹いた。
(さっむ!ベランダの窓閉め忘れたっけ?)
俺は目線だけ向ける。するとそこにいたのは
「あ~腰いてぇ」
こちらに背を向け窓を閉めている全身真っ赤な初老のおっさん....もうお分かりだろう。
(またてめぇかぁぁあああああああ!!!!!!!!というかまた子の展開かよォ!!!)
通称初老サンタ、俺のオヤジだ。一昨年のクリスマスにも同じことしていた。あ、一昨年ってのはこの話の中の時間で現実では去年です。
「おお、また見事に寝てるな。彼女にフられたばっかなのにメンタル強いな」
(なんで知ってんだぁっぁああ!!??)
「お前のツイッターアカウント特定してるから」
(マジかよ!?うわっ親に見られるとか中々恥ずい!)
「冗談だ。ホントはお前が町でプチテロしまくってたのをみかけたからあぁフられたんだなぁって察したんだよね」
(えぇ....それ見られんのもショックなんだけど。)
「まあそれはそうとして、今年俺が来た理由を話そう。....お前に真実を言いに来た。」
急に真面目な顔になるオヤジ。
(は?真実?何の?)
俺がそう思っていると
「俺実はマジモンのサンタなんだよね」
といった。
........
(は?)
「いままでどっかの会社で窓際やってるとか適当に濁していたけど、俺ホントは日本担当のサンタなんだよね。」
(待って、作者の文章力がないせいと話が突拍子すぎるのと相まって意味わかんねぇ)
「つまるところお前はサンタの息子ってことだよ。っつーか起きてるの気付いてっから普通に話していいよ?」
「気ぃ使ってやってたんだろ一昨年同様よぉおおお!!!」
俺は布団を吹っ飛ばしながら跳ね起きる。しかしオヤジは動じずに続けた。
「信じない?」
「あぁ~・・・・そうだな証拠提示しだいでは信じるが。っつか初老のおっさんが上目遣いで何が信じる?だよ。骨なしチキンが飛び出るかと思ったぞ」
「気にするな。.....証拠か、五階にある筈のこの部屋の窓から入ってきた時点で信じない?」
「マジだ!!!でもどうやって入ったんだよ!ま、まさか!!」
俺が驚愕で目をむいているとオヤジがドヤ顔で答えた。
「そう、鹿だ」
「いやトナカイだろっ!?」
俺のツッコミをオヤジはいつの間にか座って、腕を組んで答える。
「いんや、日本は奈良公園の鹿埒ってこき使ってる。」
「奈良の人に謝れ!」
「いや、そうは言ってもサンタってブラックな仕事なのよ実際?ほらお前も言ってたじゃん世の中は犠牲で成り立っているだったか?シカに犠牲払ってもらってます。奈良の鹿じゃねぇと飛ばねぇし。」
「いやそうはいってもだがな.......って奈良の鹿飛ぶの?」
「そもそも今の世間のサンタのイメージってのはもう偏見の塊みてぇなもんだよ。お前もそう思うだろ?」
「いやわかるかッ...って、あ~心当たりあるわ、あっちゃったわ。俺の前バイトしてた遊園地、サンタは一人って決めつけてたな。オヤジが日本担当っつてたし、他にもたくさんいるんだろ?」
「そうそうそういうこと。ちなみに俺は日本のサンタのトップだから日本担当っつたけど実際には一県につき2~3人いる。もちろん世界中にもな。」
「メッチャいるじゃねぇかサンタ!」
「そう、それにサンタってのは見つかっちゃいけねぇから一人一人が隠密行動のプロフェッショナルだ。サンタが本気出せばホワイトハウスなんか瞬殺だからね?」
「サンタ超怖えぇ!?」
「まぁ最後は冗談だとしてだ。これで大体サンタの事分かったか?」
「まぁ....サンタは思ってたより現実的だってことが分かったよ...ってかこれを俺に聞かせて何がしたかったんだよ!?」
「別に、お前がフラれて落ち込んでんじゃねぇかなって慰めに来ただけだったんだけど、元気出た?」
「逆に疲れた」
「だったらよかった」
「どういうことだよ...」
「それじゃ、俺はこの後もプレゼント配らないけねぇんでな。寂しいかも知らんがそろそろいくぞ」
「あぁイケイケ、俺ももう寝るから。腰だけ気を付けろよ。」
「おうあんがとよ」
そしてオヤジはベランダから出ていった。すこしすると鈴がなる音が聞こえたがそれもすぐに遠ざかって消えた。
「.....今度こそ寝るか。」
布団に潜ろうとする。しかし枕元に何かがおいてあるのに気付く。
まぁプレゼントだ。
「オヤジ....一昨年が最後とか言ってなかったか?」
それともただ本当に慰めるためにプレゼント持ってきてくれたのか....
俺は自然とそのプレゼントを解く。すると出てきたのは━━━━━━━━
《通知》
鹿田 雪弥殿
貴殿にはサンタ養成学校への招集がかかりました。
この招集は強制です。なお、このことを他言した場合サンタの持てる力すべてを持ってあなたを社会から消させて頂きます。ご了承下さい。
サンタクロースより
「.........は?」
★ ☆ ★ ☆ ★ ☆
結果を言うと、俺はこの招集を受けた。消されたくないし。ただしオヤジは白銀の左フックで沈めといた。
そんで俺はいま、地図に載っていないサンタ秘密の島に連れてこられた。ここに例のサンタ養成学校なんてものがあるらしい。
案内役に連れられ講義室という名の新入生の集められる場所へときた。
大学の教室と同じ感じだな。と、見まわしているとあることに気づいた。
......なんか女の子しかいない。
髪の色や肌の色は様々で国籍が違うことは見れるがみんな俺と同年代の女の子ばっかりだ、しかもかわいい。
「......あの、ここ女子専用ルームとかじゃないんですか?なんか女の子しかいないんすけど」
「えぇ、今回招集がかかった内で応じた男の子はあなただけです。」
案内役のサンタは淡々と答えた。
「え?拒否権ないんじゃ?」
「誰ですかそんなウソいったの。サンタだって人権は守りますよ。」
「招集書に書かれてたんですが」
「あぁ、じゃあ日本のサンタ長でしょうね。それ作ったのあの人ですから。」
オヤジに真紅の右足をくらわすことが決定しました。まぁそれより......
.........ハーレム展開キマシタワーーーーー!!!!!
俺は心の中でガッツポーズをした後歩みだす。さぁここから俺のラブコメがはじまるんだ!ひゃっはー!!!
★ ☆ ★ ☆ ★ ☆
というような内容のギャルゲーだった。
「.......寝よ。」
ツッコむ気力もなく俺は頭まで毛布をかぶり布団に寝ころんだ。
今年は三連休でこのイベントがさらに誇張されて展開されるだろう。
しかし、その表が大きくなればなるほど裏に生じる犠牲も大きくなる。つまり非リアがそれだけ苦しむのだ。
同志たちが映画館の奇数席をすべて買占めカップルが隣同士で座れなくしたりするあの行為はその犠牲から逃れようと抗っている姿に他ならない。しかし、だんだんと気付いてしまうものも多い。この行為はただただ虚しいだけだと。結局はネットでお互いの傷をなめ合っているのと大差ないのだと。いくらこの季節であろうと我々にも温かみが欲しい。たとえ自然の摂理に反するとしても少しは勘弁して頂きたい。
だからリア充どもよ.......
爆発してから我らのために暖をとれ。
メリークルシミマスby火蝶
後書き
後半失速したように思えます。。申し訳ありませんでした。
ちなみに途中にありました大学の話は私の地元の大学の実話らしいです。
あと作者はネタ程度にしか知らないSchool daysですが本当に一挙放送やってました。昨日ですが。
積もる話もありますがここらへんで、今年最後の投稿でした。皆さん今年もお世話になりました。来年も私の活動はおそらく続きます。
来年もよろしくお願いします。
それではリア充に制裁を、火蝶 烙でした。よいお年を!
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