カードファイト!!ヴァンガードG ネクステージジェネレーション
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turn:24 守山ヒロキ
前書き
合宿からの帰り道に突如現れた謎の男性
目的もわからぬままファイトすることになるタイガ
高い実力を持つ男性に終始圧倒され苦戦を強いられる
それでもあきらめることなく立ち向かっていくタイガ
はたしてこの男性の目的は
バイクに乗って現れた謎の男性に連れられタイガがやってきたのは少し離れた場所にあるショッピングモール
「さ、とっとと行くぜ」
駐輪場にバイクを止めると男性はヘルメットを脱いだ
「っと、自己紹介が遅れたな、俺は守山ヒロキ、怪しいもんじゃねえから安心しろ」
「十分怪しいです」
Turn:24 守山ヒロキ
ヒロキに連れられるままショッピングモールの中を移動するタイガ
エスカレーターに乗りながらあたりを見回していると
「ここに来るの初めてか?」
「え?まあ、ここ家からだとちょっと遠いし、でも、なんでわざわざこんなところに………」
言いかけたタイガは突然立ち止まったヒロキの背中にぶつかってしまう
「その理由がこれさ」
そう言って彼が見上げた先にはヴァンガードコロシアムの看板が
大盛況のコロシアムの中をヒロキについて歩くタイガ
「大丈夫なんですか?結構混んでますけど」
「平気平気、予約しといたから、えーっと、お、あったあった」
懐から予約の控えと思われる紙を取り出すヒロキ
「けど、こういうところって普通何か月も………」
「なんて言ってるけどお前、ここがどういうところか知ってんのか?」
ヒロキの問いかけに言い返せず黙って彼の後をついていくタイガ
係員に案内された部屋に入ると部屋の中心に見覚えのある装置が見えた
「これ、確か地区予選の決勝で」
「そ、NEO-GIRS、ファイトをより盛り上げてくれる代物さ」
そう言って取り出した自身のファイカをセットするヒロキ
「フィールドはどうする?」
「あ、お任せします」
「んじゃ遠慮なく………」
「(なんなんだろうこの人、一体何の目的で俺に………)」
慣れた手つきでフィールドを設定するとファーストヴァンガードと手札を用意するヒロキ
タイガも同様にぎこちないながらも準備した
「「スタンドアップ!ヴァンガード!」」
両者が同時にファーストヴァンガードを開くとフィールドが巨大な都市へと変わった
「ガンナーギア・ドラコキッド!」
「宇宙勇機 グランホープ!」
ヒロキのユニットはタイガのユニットと比較すると数倍はあろうかという大きなロボットだった
「ディメンジョン………ポリス?」
「ん?初めて見るか?ディメンジョンポリスは惑星クレイ、スターゲートの正義の戦士、銀河を翔るヒーローだ」
自身の手札を確認するヒロキ
「(んー、ちょっとよくねえな、ま、ドローしてから考えるか)」
先行のヒロキが山札に手をかざし新たなカードをドローすると
「(お、こいつが来るか………これならまあ、何とかなるだろ)」
ドローしたのは宇宙勇機 グランザイルのカード
「ライド!宇宙勇機 グランヴィークル、グランホープは移動、そんでグランザイルをコール」
先ほどドローしたグランザイルを右後列にコールするヒロキ、まだ先行なのにコールする意味とは
「グランザイルのスキル、手札の大宇宙勇機 グランマントルを見せて山札から大宇宙勇機 グランギャロップを手札に加える」
グレード3のカードを公開し別のカードを手札に加えた、ヒロキはこれを狙ってグランザイルをコールしたのだ
「なるほど、それがあんたの切り札」
「まあな、ただこのスキル使うと手札一枚捨てなきゃいけねーんだよなぁ………」
困ったように頭を掻いて手札を見つめるヒロキ
「まあ、まだ序盤だしこれでいいだろ」
そう言ってクリティカルトリガーのジャスティス・ゴールドのカードをドロップする
損失は大きいものの確実に切り札を手札に加えられたのは大きい
「ターンエンド、お前の番だぜ」
「ドロー、メーザーギア・ドラゴンにライド!グランヴィークルにアタック!」
メーザーギア・ドラゴンがレーザーで攻撃するとグランヴィークルの体が大きく揺らいだ
【スチームスカラー エメルアンナ】トリガーなし
「ダメージチェック」
【宇宙勇機 グランドリフター】トリガーなし
「俺のスタンドアンドドロー!うぇ!?」
「ん?」
カードをドローした瞬間ヒロキは何とも言えない表情で引いたカードを見つめていた
「(あっちゃー、こりゃ捨てるカード間違ったか?)」
ヒロキがドローしたのはリスクを冒してまで手札に加えたのと同じグランギャロップ
もっとも、手札に加えたあと一度山札をシャッフルしたので一概に無駄だったと言えるわけではないが
「まあいいや、宇宙勇機 グランボルバーにライド!そんでもってもう一枚コール!」
二体のグランボルバーが並び立つ
リアガードのグランボルバーが銃を構えメーザーギアに向けて乱射してくる
「くっ」
【スチームファイター ナンネア】トリガーなし
「ヴァンガードのグランボルバーでアタック!ドライブチェック」
【宇宙勇機 グランビート】クリティカルトリガー
「効果はすべてグランボルバーに!」
再び弾丸の雨がメーザーギアに降り注ぐ
【アップストリーム・ドラゴン】トリガーなし
【クロノファング・タイガー】トリガーなし
「この人強い………けど!俺だって負けてられねえ!」
ライドしたスモークギア・ドラゴンが雄たけびを上げるとそのわきからムダルが飛び出す
ムダルの剣がヴァンガードのグランボルバーを切り裂いた
【大宇宙勇機 グランマントル】トリガーなし
さらにスモークギアもグランボルバーに向かっていく
「ドライブチェック」
【キラキラ・ワーカー】ヒールトリガー
「ゲット!ダメージ一枚回復!」
アップストリーム・ドラゴンを回復させるタイガ
スモークギア・ドラゴンがグランボルバーの大きな体に突撃する
「ダメージチェック」
【宇宙勇機 グランレディ】トリガーなし
「正義を剣に!悪を切り裂け!ライド!大宇宙勇機 グランギャロップ!」
グランギャロップが剣を構えスモークギアを見据えた
「グランマントルをコール、ヴァンガードにアタック!」
「ジジでガード!」
グランマントルの剣から放たれた炎を伴う衝撃波をジジが受け止める
「グランギャロップでアタック!」
「っ!ノーガード!(序盤からガンガン攻めてくる、なんて激しい攻撃だ!)」
「ツインドライブ!」
【オペレーターガール レイカ】スタンドトリガー
「スタンドトリガー!グランマントルをスタンド!まだ攻撃していないグランボルバーにパワー+5000、セカンドチェック」
【宇宙勇機 グランザイル】トリガーなし
グランギャロップの剣がスモークギアに振り下ろされる
【スチームファイター ルガルバンダ】クリティカルトリガー
「ゲット!スモークギアにパワーを与える」
「ならグランマントルはムダルにアタックだ!」
グランマントルが再び放った衝撃波でムダルがふっ飛ばされ消滅する
更にリアガードのグランボルバーが銃を構えるが
「マシュダでガード!」
その攻撃はマシュダの鎖が防いで見せた
「ターンエンド」
「スタンドアンドドロー!我が望む世界へ導け!クロノファング・タイガー」
咆哮を上げグランギャロップを見据えるクロノファング
「スキルを使うつもりなら先行っとくぜ、俺のグランボルバーには“抵抗”の効果がある、だからこいつをクロノファングの効果で山札に送ることはできない」
抵抗は相手が能力でこのユニットを選ぶことをできなくすることが出来る能力
たとえ能力の対象がこのユニットしかいない場合でも選ぶことはできず
クロノスコマンド・ドラゴンなどの一部のユニットを除いてこれらのユニットに干渉することはできない
だが、タイガは別の事が気になっていた
「クロノファングの能力を知ってる………どうして!?」
「そのカードには俺もちょっと縁があってな、気にしないで続けな」
ヒロキに促され手札を確認するタイガ
「(どっち道この手札じゃスキルを使うのは無理だ、バインドできるカードがない)」
手札のギアイーグルを捨てクロノスコマンド・ドラゴンにストライドするタイガ
このユニットの能力ならばグランボルバーの抵抗も無視できる
「さすがにそいつはやべえな」
「ガンナーギア・ドラコキッドのスキル!手札に加えたクロノファングをそのままコール!」
クロノスコマンド・ドラゴンが杖を鳴らし上空から光が降り注ぐ
「ガード!」
オペレーターガール レイカ、宇宙勇機 グランビート、更にグランザイルがガードに加わる
「トリプルドライブ!」
【ヒストリーメーカー・ドラゴン】トリガーなし
【キラキラ・ワーカー】ヒールトリガー
「ダメージ回復!パワーをクロノスコマンドへ!」
「ぶち抜く気満々かよ、勘弁してくれ」
シールドの合計とクロノスコマンドのパワーを比較するとあと1枚トリガーが出れば貫通することになる
そうなればクロノスコマンドの能力でヒロキのリアガードを一掃できるが
「サードチェック!」
【スチームファイター ナンネア】トリガーなし
「クロノファングでアタック」
攻撃を耐えきったグランギャロップにクロノファングが殴り掛かる
【宇宙勇機 グランリーフ】トリガーなし
「ターンエンド」
4ダメージまで追い込んだもののリアガードは健在
ディメンジョンポリスの能力を警戒し身構える
「ストライドジェネレーション!超宇宙勇機 エクスタイガー!」
グランギャロップをドロップすることでストライドするヒロキ
手札は残り2枚と少ないが
「まずはグランギャロップのストライドスキル、ヴァンガードのパワー+4000してアタックがヒットした時ドローするスキルを追加、グランヴィークルをコール、超爆!」
超爆、バーストはディメンジョンポリスの特殊能力
ヴァンガードのパワーが一定を越えることで様々な能力を文字通り炸裂させる
「ヴァンガードのパワー15000以上なので自身のパワーを+4000、更にヴァンガードのパワーが30000以上なのでギャロップの名を持つヴァンガードにパワー+4000」
今ヴァンガードの名前はエクスタイガーだがハーツであるグランギャロップの名前を得ている
そのため問題なくグランヴィークルのスキルの恩恵を受けることが出来る
「グランホープのバースト、ヴァンガードのパワー25000以上なのでユニット一体をパワーアップ、エクスタイガー、更に35000を超えていれば更なるスキル、自身をソウルに入れて、表にするダメージはないがドロー出来るぜ」
「つか、最初の超爆条件とかあってないようなもんじゃねえか」
パワー25000というのはGユニットにストライドしてしまえば大抵クリアできてしまう
グランギャロップのストライドスキルもあって条件の達成は容易いだろう
「そう言うデッキなんだよ、次はグランマントルの超爆だ、自身とヴァンガードに+4000、グランボルバーのスキルで更にグランマントルにパワー+4000、それから、グランボルバーのアタックが成功するとカウンターチャージ2枚」
たった今グランマントルとグランボルバーのスキルのため裏返したダメージ
それがすべて表になるというのだ
「グランボルバーでアタック」
弾丸がクロノファングに降り注ぐ
【スチームバトラー ウル・ワタル】スタンドトリガー
「ゲット!リアガードのクロノファングをスタンド!そしてヴァンガードにパワー」
「攻撃が通りにくくなったな、けど、カウンターチャージはさせてもらうぜ、次はエクスタイガーのアタック、スキルでGゾーンのカード1枚を表に」
ヒロキが表にしたのは超宇宙勇機 エクスギャロップのカード
「あのカードは?………」
「エクスタイガーのスキル、Gゾーンの表のカードの数だけパワー+4000、今は1枚だから4000だけだ」
それでもここまで乗ったスキルと合わせかなり大きなパワーになっていることは事実
+4000のスキルが全部で5回、20000のパワーアップだ
「さらにエクスタイガーのスキルでパワーが45000を超えたからクリティカル+1」
「嘘だろ、最初のストライドからパワー46000のクリティカル2って………」
タイガはダメージが3、1枚でもクリティカルが出てしまうと危ない
「エメルアンナ!クインテットウォール!」
マシュダ、カー・ランマ、キラキラ・ワーカー、アップストリームにムダルがエクスタイガーの前に立ちはだかる
最初に乗ったスタンドトリガーの分と合わせて合計パワー56000
それでもトリガー二枚で貫通してしまう
「トリプルドライブ」
【ツイン・オーダー】トリガーなし
【宇宙勇機 グランヴィークル】トリガーなし
【宇宙勇機 グランヴィークル】トリガーなし
「きっつ!3枚ともトリガーなしかよ」
「エメルアンナのスキルでムダルをバインド!更にマシュダとカー・ランマを山札に」
「ならこいつはどうだ!」
グランマントルもパワーは40000まで上がっている、だが
「ジェネレーションガード!ハイブロースチーム ラファンナ!クロノファングを山札に戻してカー・ランマをコール!」
タイガはうまくすべての攻撃を防ぎ切った
「今の攻撃、防がなくてもよかったはずだが………狙いはGゾーンの表のカードか」
今タイガの表のGゾーンは2枚
エクスタイガーはパワーが大きすぎてクインテットウォールを使ったがグランマントルなら今の方法で止められた
「無茶しやがる、こっちがトリガー乗ってたらどうするつもりだったんだか(まあ、あんだけ手札がありゃ残りのシールドも何とかってところだろうな)」
タイガの手札に残った4枚のカードを見つめるヒロキ
「行くぜ!ストライドジェネレーション!」
タイガはヒストリーメーカー・ドラゴンをバインドしてバインドタイム・ドラゴンにストライド
「ナンネアをコール!ムダルのスキルでスペリオルコール!」
「(大したやつだが、そのコンボには“穴”がある)」
カー・ランマのブーストと合わせてパワーは十分
だが問題なのはバインドタイム・ドラゴンの能力
「ムダルでアタック」
「そらみろ、ユニットが足りないせいでリアガードからアタックするしかねえ」
バインドタイム・ドラゴンの能力は自身のリアガードをバインドすることで発動する
パワーを無駄なく出すためにも先にリアガードから殴るしかなかった
そうでなければ攻撃力が落ちていたからだ
「ダメージチェック」
【ジャスティス・ゴールド】クリティカルトリガー
「なっ」
「よしっ、ヴァンガードにパワーを与えるぜ」
「バインドタイム・ドラゴンでアタック!スキルでカー・ランマをバインド!」
先ほどのエクスタイガーほどではないがバインドタイム・ドラゴンはパワー41000まで上がっている、だが
「さっきも言ったとおり、グランボルバーを山札の下に送ることはできない、グランヴィークルとグランザイルを置くぜ」
バインドタイム・ドラゴンのスキルで2枚が山札の下に、それでもヒロキには強力なユニットが残っている、更に
「ジェネレーションガード!超宇宙勇機 エクスカリヴー!スキルでシールド+10000」
あっさりバインドタイム・ドラゴンのパワーに追いついてしまった
「さらにエクスカリヴーのもう一つのスキル、ツイン・オーダーを手札からドロップしてパワー+4000、グランボルバーでインターセプト」
これでもしタイガがスタンドトリガーを引いたとしてもヴァンガードには攻撃が通らない
「トリプルドライブ」
【スチームバトラー ウル・ワタル】スタンドトリガー
だがグランギャロップはシールドなしでもパワーが20000ある
「(ムダルに与えてもヴァンガードには通らない………)ムダルをスタンド、パワーはバインドタイムに、セカンドチェック」
【スチームファイター ナンネア】トリガーなし
【変革を呼ぶギアイーグル】トリガーなし
結局ヴァンガードの攻撃も通らずじまい
「ムダルでグランマントルにアタック」
「(どうすっかな、これ)」
ヒロキは悩んでいた
次のターンの事を考えればここはガードしておきたい、だが手札を使いすぎてしまいガードする余裕がないのも事実
「仕方ない、ノーガードだ」
グランマントルが退却したことでフィールドにはグランギャロップだけが残された
「スタンドアンドドロー」
ドローしたカードを確認し笑みをこぼすヒロキ
「行くぜ!正義は我にあり!立ちはだかるものを打ち砕け!ストライドジェネレーション!」
ここで登場したのは先ほどエクスタイガーの効果で表にしたカード
「超宇宙勇機 エクスギャロップ!ストライドスキル!パワー+4000!グランヴィークルをコール!超爆!自身とヴァンガードにパワー+4000!更にグランドリフターをコール!」
グランドリフターが銃を構え姿を現す
「スキル発動!自身とヴァンガードにパワー+4000!ヴァンガードには更にスキルも追加!更にグランヴィークルをもう1枚コール!超爆!自身とヴァンガードにパワー+4000」
手札を使い切ってパワーアップを繰り返し攻めに行くヒロキ
「行くぜ!エクスギャロップでアタック!超爆発動!ヴァンガードのパワー35000以上でドライブ+1!40000以上でリアガードを表のエクスギャロップの数だけパワーアップ!」
表のエクスギャロップは今スキルを使うコストとして表にしたのを合わせて2枚
エクスタイガーでエクスギャロップを表にしたのはこのための布石
「更にグランドリフターの与えたスキルでドロー」
タイガはまだダメージ3、だがドライブチェックが増加するということはそれだけクリティカルトリガーが出る確率も上がる
加えてグランギャロップのスキルでこの攻撃が成功するとドロー出来る
パワーアップスキルの存在を考えると長期戦が不利なのは目に見えている
確実にいくなら
「エメルアンナ!クインテットウォール!」
スモークギア・ドラゴン、アップストリーム・ドラゴン、スチームブレス・ドラゴン、スチームナイト ムダル、スチームスカラー カー・ランマがエクスギャロップの前に立ちはだかる
「さらにカー・ランマでガード!」
これでクロノファングは合計パワー51000
だがこれでもトリガー2枚以上なら攻撃が通ってしまう
「クワドラブルドライブ!」
【宇宙勇機 グランザイル】トリガーなし
【オペレーターガール エリカ】ヒールトリガー
「パワーはエクスギャロップに!ダメージ1枚回復」
【オペレーターガール エリカ】ヒールトリガー
「なっ!」
「パワーはエクスギャロップに、ダメージももう1枚回復だ、そして4枚目」
【ジャスティス・ゴールド】クリティカルトリガー
「クリティカルはエクスギャロップ、パワーはグランドリフターだ」
エクスギャロップの振り下ろした剣でユニットたちが蹴散らされていく
よろめきながら立ち上がったクロノファングにグランドリフターが銃を向ける
「ここまでだな」
ヒロキの言葉と共にグランドリフターが引き金を引いた
【スチームスカラー エメルアンナ】
NEO-GARSが停止するとタイガはその場で俯いていた
ファイカを取り外したヒロキは彼を見つめる
「(ま、今のデッキじゃこんなもんだろ)」
落ち込む彼を見ながら懐を探るヒロキ
「えっと、お、あったあった」
目当てのモノを見つけるとヒロキはタイガに歩み寄った
「悔しいか?」
彼のその問いかけにタイガは俯いたままただ無言で頷いた
「だったらもっと強くなれ、ほら、こいつをやるよ」
そう言ってヒロキが差し出したのは何の変哲もない茶封筒
呆気にとられながらも受け取り中身を確認したタイガは目を見開いた
「あの!これをどこで!?」
「さあ?俺も人から預かっただけなんでな、渡すついでにお前の実力試させてもらったってわけさ」
そう言って立ち去るヒロキ
「あー、終わった終わった」
ショッピングモールを後にしたヒロキは近くの飲食店で休憩していたが
「楽しそうだね、ヒロキ君、一体何をしていたのかな」
「タっ!タイヨウ!?」
突然声をかけてきたタイヨウに驚く
「よ、よくここがわかったな」
「ヴァンガードコロシアムにクランリーダーが来てるって、SNSで広まってたよ」
「なー、頼む、上には内緒にしてくれ、今日は仕事も休みだし別にやましい事は何もないからよ」
両手をこすりつけて嘆願するヒロキ
タイヨウの方に気が行ってて自身の後ろで気配を殺しているもう一人の人物にはまるで気づいていない
「ふーん………じゃあ何してたか教えてくれる?」
「うっ、それはちょっと」
「だ、そうですよ“伊吹さん”」
タイヨウの言葉にぎくりとなったヒロキはゆっくり背後を見る
そこには冷たい表情で腕を組む白銀の長い髪の男性、伊吹コウジの姿があった
「あの、これはですね………」
「さて、何をしていたのかたっぷり聞かせてもらおうか」
「あの、俺今日休み」
「返事は?」
「………はい」
伊吹の迫力に圧され青い顔で項垂れるヒロキだった
後書き
次回予告
全国大会に向け新たなデッキを考えるタイガ
大会が近づき仲間たちも気合が入っていた
そんなある日の夜
アムは久々にルーナと二人きりで会っていた
turn:25 ラミーラビリンス
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