聖闘士星矢 黄金の若き戦士達
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536部分:第七十六話 最後の封印へその六
第七十六話 最後の封印へその六
「出陣する白銀聖闘士が決まっていたのですか」
「おや、妙なことを言うね」
「それはまた」
しかしだった。彼女達はムウの今の言葉を受けてこう返してきたのだった。
「そんなのいつも決まってるさ」
「黄金聖闘士が出陣するその時にはね」
「そうなのでしたか」
「そしてあたし達だけじゃないよ」
「青銅もだよ」
彼等もだというシャイナと魔鈴だった。
「四人共ね」
「もう来てるよ」
「もうですか」
ムウが声をあげたその時にだった。もうその四人が来ているのだった。
「どうも、ムウ様」
「じゃあ私達がですね」
「同行させてもらいます」
「いいですね」
「貴女達がですか」
ムウはここでまた少し驚いた顔になった。何と今度も全員女だったのだ。
「カメレオンのジュネ」
金髪の美しい少女だった。
「子狐座のスカーレット」
赤い髪の小柄な少女だ。
「カシオペアのクレウサ」
収まりの悪い茶髪の少女である。
「風鳥星座のカサンドラ」
長い黒髪の少女だ。この四人だった。
「私達がです」
「それで宜しいでしょうか」
「ええ、私は構いません」
こう返したムウだった。
「ですが。全員女性とは」
「まあ何か残った人間の関係でね」
「そうなったみたいだね」
そうだと述べるシャイナと魔鈴だった。
「けれどあんたなら妙なことはしないからね」
「それもあるんだよ」
「私は信頼されているということでしょうか」
それを聞いて少し微笑んでから述べたムウだった。
「女性に対して何もしないということは」
「だってムウ様ってね」
「明らかにそういう人ですし」
「黄金聖闘士の中で一番人気なんですよ」
青銅の者達もここで言ってきた。
「中性的な面持ちにお優しい性格で」
「もうダントツなんですよ」
「そのムウ様と御一緒なんて」
「もうそれだけです」
「あのですね」
彼女達ののろけたような言葉に幾分引きながら返すムウであった。
そうしてそのうえで。こう彼女達に告げた。
「私はアイドルではないのですが」
「それはわかってますよ」
「勿論ですよ」
「ねえ」
「そんなことは」
四人はそれはわかっているという。しかしであった。
「それでもムウ様と御一緒したかったし」
「私デスマスク様でも」
「私はシュラ様でも」
「アフロディーテ様も」
今度はそれぞれのほかに贔屓の黄金聖闘士の話にもなる。
「アルデバラン様も頼りになるし」
「アイオリア様の一途なところもいいじゃない」
「カミュ様のクールさも」
「シャカ様なんて凄く神秘的じゃない」
「あの、一人欠けてませんか」
思わずこのことにも突っ込みを入れたムウだった。
「若しかして」
「年長組では誰がいい?」
「私サガ様」
「私アイオロス様」
「どちらも捨て難いわね」
やはり一人忘れられていた。
「まあミロ様もね」
「悪くないけれど」
「何ていうかまあ」
「一応はね」
「一応なのですか」
それについてはあまりとかくは言わないムウだった。この辺り謙虚さも備えている彼らしかった。
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