転生とらぶる
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ガンダムW
1529話
「世話になったな。色々と助かった」
「何、こちらも十分な報酬を貰っておるからな。その辺は気にしなくてもいいわい」
俺の言葉に、ハワードは笑みを浮かべてそう告げる。
実際、ハワードには金塊をたっぷりと渡している。
ただし刻印の類がない金塊なので、それをどうやって金に換えるのかは……まぁ、ハワードの実力次第だろう。
だが、ハワードも表向きのサルベージはともかく、裏ではデュオに手を貸している。 だとすれば、当然裏の世界にも顔は広い筈であり、刻印がない金塊であっても換金は可能だろう。
マネーロンダリングという言葉が一瞬脳裏を過ぎったが、別に今回の件はマネーロンダリングと呼ぶべきものではないと、すぐに頭を切り替えた。
そして昨日トールギスを動かした後で再び調整をしてくれた船員達にもそれぞれ声を掛ける。
……まぁ、俺に声を掛けられるより、凛と綾子に声を掛けられた方が嬉しそうな顔をしていたが……その辺は男としてしょうがない。
それでも昨日の今日でこうして俺達が旅立つ事が出来るようになったのは、鼻の下を伸ばしている連中が昨夜から徹夜でトールギスの最終調整をしてくれたおかげだ。
それぞれに挨拶をし……不意に少し離れた場所でこっちを見ているデュオの姿に気が付く。
向こうも俺の視線に気が付いたのだろう。笑みを浮かべながら近づいてくる。
「もう行くんだって?」
「ああ。最近は色々と物騒だろ? だから傭兵稼業をやる身としては、稼げる時に稼いでおこうと思ってな」
「ノベンタ元帥に雇われるってヒイロから聞いたけど」
色々と物騒というのは、言うまでもなく5機のガンダムによる破壊活動だ。
だが、それを臭わせたにも関わらず、デュオは特に表情を変えた様子もなく尋ねてくる。
この辺、世慣れているよな。
いや、でなきゃガンダムのパイロットなんか出来ないか。
「ああ、そのつもりだ。もっとも、向こうが雇ってくれればだが。何しろトールギスは性能は高いが、20年近くも前のMSだしな」
視線をトレーラーの荷台に積まれ、シートを掛けられているトールギスへと向けて呟く。
ちなみにトレーラーにはトールギスの他にエアリーズも乗っていたりする。
俺達が昨日使ったトレーラーを、更に改造した代物だ。
……これも一晩でやってくれたんだから、何気にハワードのとその仲間達って高い能力を持っているよな。
まぁ、実際には無理矢理トレーラーの荷台部分をくっつけたりしたって話だが。
おかげで、狭い道は通れなくなってしまった。
「20年前ねぇ。けど、聞いた話だと性能は物凄いんだろ?」
「ああ。少なくてもリーオーやエアリーズといった機体には何十機掛かりでも負けないだろうな。……機体を乗りこなせれば、だが」
ゼクスもトールギスに乗ってリーオーやエアリーズとは何度も戦っている。
それでも結局は機体の性能で体力の消耗が激しく、途中で気を失う事があった。
ハワードに拾われた時とか、な。
「ふーん。自信たっぷりだな」
「まぁな。俺はこれでも腕利きだと自負している。……というか、自分の腕に自信がなければ傭兵なんてやってられないし」
「ま、そりゃそうだ。……精々頑張ってノベンタ元帥に雇われてくれよな」
「その辺はあまり心配していない。少なくても実力で落とされるということはない筈だ」
最大の問題は、ノベンタの直属という立場にどうやって持っていくかだ。
傭兵として雇われても、連合軍の一員としてセプテムの部下に付けられたりされたら、堪ったもんじゃないしな。
「お前も、覗きは程々にしておけよ。覗きのデュオ」
「……おい、誰が覗きだっつーの」
「実際、覗いてただろ? 俺達が寝ているところをな。残念ながら、デュオが期待するような光景はなかったみたいだが」
「おい! だから、覗きじゃないっつってるだろ!」
真剣に怒った様子のデュオをそのままに、俺と凛と綾子はトレーラーの運転席へと向かう。
「じゃあね、ボク。君くらいの年齢なら女に興味があるのは当然かもしれないけど、あまりがっつき過ぎると嫌われるわよ? 覗き趣味とかも隠しておいた方がいいわね」
「だから、俺は別に覗き魔じゃねーって言ってるだろ!」
窓を開けた凛の口から出た言葉に、デュオは顔を真っ赤にして叫ぶ。
さて、顔が紅くなったのは怒りか、羞恥か、それとも図星だからか。
ともあれそんなやり取りを最後に、トレーラーは出発する。
ミラーを見ると、デュオが思い切り地団駄を踏んで悔しがっている姿が見えた。
「あまり子供をからかわない方がいいんじゃない?」
綾子の言葉に、凛は笑みを浮かべる。
「何だかあの子、衛宮君みたいにからかいやすいのよね」
「……そっちも大概にしておいた方がいいと思うけどな。衛宮の奴、お前にからかわれた後で桜に無言の笑みを向けられてたりする事が多かったんだぞ?」
「うわぁ……」
二人の言葉に、思わずそう呟く。
桜はお淑やかな性格をしているが、同時に大人しい奴程怒らせると怖いというのもある。
衛宮が自分の姉にからかわれているのを見れば、当然それは面白く思わないだろう。
間違いなく、その後の衛宮は色々と不幸な出来事が起きた筈だった。
バゼット辺りが頑張れば、その隙を突いて有利に事を進められた気もするが。
にしても、デュオと衛宮か。……似てるか?
性格、外見、生まれ……その全てが全く似ていない。
そう思った瞬間、衛宮とデュオの似ているところに、ふと気が付いてしまった。
そうか、あの2人ってどっちも苦労性って意味では似てるのか。
世話焼きというのもあって、デュオは色々と酷い目に遭う事も多い。
実際、今日か明日か、はたまた明後日なのかは分からないが、ヒイロがガンダムデスサイズから部品をパクって自分の機体を修理する筈だし。
「ま、何だかんだであの船の居心地は悪くなかったよな」
「そうね。……ただ、女が少ないからそういう意味では居心地が悪かったけど」
「あはは。女に餓えているようには見えたしね。それでもあたし達に手を出してくるような真似はしなかったんだからいいと思うけど」
実際には手を出す……強引に手を出すような真似をしても、間違いなく凛と綾子に反撃を食らって痛い目を見ていたと思うが。
そんな風に会話をしながらトレーラーを進めていく。
当然のように、MSを2機も積んでいるトレーラーは狭い道を進めず、大きな道を進む事になる。
で、そうなれば周囲から色々と視線が向けられるのも当然だった。
エアリーズは無理に持ってこなくても、ハワードに渡してきても良かったかもな。
実際、リーオーはパーツ取り用に使った部品以外はハワードに渡してきたんだし。
トールギスは普通に空を飛べるので、エアリーズを所持している意味がないんだよな。
いっその事、綾子に操縦させてみるか?
そんな風に考えながら視線を綾子へと向けると、その視線を感じたのだろう。綾子は小首を傾げてこちらに視線を向けてくる。
「アクセル、どうした?」
「いや、ちょっとな。エアリーズが1機余ってるだろ? もし良かったら綾子が操縦してみないかと思って」
半サーヴァントの綾子は、身体能力も人間とは比べものにならない程に高い。
だとすれば、当然パイロットとしての適性も高いだろう。
勿論すぐに機体を手足のように動かせるとは思わないが、それでも綾子の能力があれば何とかなりそうな気がする。
また、撃破された時も普通の人間なら即死だが、半サーヴァントの綾子なら生き残る可能性は高い。
……ヒイロみたいに自爆しても生きてられるかと言われると、ちょっと疑問だが。
一応重傷を負いはしたが、それでも結局は入院等もないままに生き延びたんだから、ヒイロの生命力というのは物凄い。……実はトロワが隠れた名医とかでもない限り、普通は死んでいてもおかしくはない。
トロワも傭兵として生きていたのだから、当然のようにある程度の治療技術は持っているのだろう。だが、それはあくまでも傭兵が戦場で行うような……言ってみれば場当たり的な治療方法であり、医者のようにとはいかない筈だ。
だとすれば、やっぱりヒイロの生命力の高さは異常だと言えるだろう。
それこそ、黒いG並に。いや、デスサイズじゃなくて。
「あたしがMSに!? 本気かアクセル?」
「ああ。そもそも俺達は傭兵としてノベンタに雇われるんだ。トールギスという目玉はあるが、空いているMSもエアリーズが1機ある。なら、それを使えるようにするのはおかしくないだろ? で、この世界で俺が心の底から信頼出来る相手はお前達2人だけだ。けど……」
トレーラーを運転しながら、一瞬だけ視線を凛の方へと向ける。
「ビデオの録画すらろくに出来ないだろう凛に、MSの操縦が出来ると思うか?」
「ちょっ!」
「無理だな」
凛が抗議の言葉を口にしようとした瞬間、綾子が俺の言葉に同意する。
これについては、元々凛と仲の良かった綾子だ。ましてや、聖杯戦争で俺がいなくなってからの数年を凛と共に過ごしてきた綾子だけに、その辺も理解しているのだろう。
「……ふん。それで、どうやってノベンタって人に接触するのよ? まさか、元帥なんて人に会わせて下さい、はいそうですか……って訳にはいかないんでしょ?」
「ああ、その辺は大丈夫だ。ハワードから情報を貰ってるからな」
「情報?」
訝しげに尋ねてくる凛に、トレーラーを運転しながら頷きを返す。
「俺だってそうやって会いに行ってすぐに会えるとは思っていないさ。けど、だからって転移魔法を使うのは遠慮しておきたい」
その言葉に、凛と綾子は即座に頷く。
基本的に魔法や魔術といったものは、ホワイトスターからの救助が来るまでは出来るだけ隠しておきたい。
勿論それは完全にという訳ではなく、可能ならってところだが。
さすがにこっちが危険な目に遭ってまで、魔法を封印しようとは思わないし。
混沌精霊の俺や半サーヴァントの綾子はともかく、凛は魔術を使えると言っても肉体的には普通の人間と変わりはないのだから。
これがシャドウミラーの実働班であれば、生身での戦いも特に心配はいらないだけに安心して見ていられるのだが。
「じゃあ、どうするの?」
「明日、とある場所で連合軍が大規模な演習を行う。そこに参加するのは、ノベンタを始めとしてスペシャルズ……いや、もうOZでいいか。そのOZ以外の者達なんだよ」
正確にはここ暫くOZと関係のある基地がガンダムに襲撃されているので、それに対する牽制……というか、連合軍の武威を見せつけるといった理由からか。
これだけ毎日のように基地が襲撃されているのであれば、当然のように連合軍は頼りない存在だと思われて、侮られる事になる。
いや、それだけであればノベンタも演習を行うといった真似をしなかったと思うが、それよりも問題はテロ組織やレジスタンスといった者達だ。
今でこそ連合軍のトップはノベンタになっているが、昔は連合軍もかなり強硬的だった。
それは、サンクキングダムが滅ぼされた事を考えれば明白だろう。
で、当然その標的になったのはサンクキングダムだけに留まらない。
サンクキングダムは完全平和主義という、軍事独裁国家と言ってもいいシャドウミラーとは絶対に合わない国であり、そこに仕えている者もまたその完全平和主義という理念に心酔している者が多かった。
結果として、国が滅んでもそれを大人しく受け入れた訳だ。
それこそ、ドーリアンが外務次官をしているように連合政府の役人として自分達を滅ぼした相手に仕えている者もいるが……当然人間はそんなに物分かりのいい奴ばかりじゃない。
中には国を取り戻すためにレジスタンスやテロリスト、ゲリラになった者もおり、そのような者達にとってOZや連合軍の施設が襲撃を受けているというのは、行動を活発化させる為の好機と判断される。
それを抑える為に大規模な演習を行うらしい。
考えからノベンタではなくセプテム辺りの強硬派が立案し、それをノベンタが了承したといった形だろう。
穏健派のノベンタも、元帥としての責務は全うしているという訳だ。
にしても、オペレーションメテオが始まってから1週間足らずの間に演習を……それも大規模な演習と呼ぶのに相応しい規模の演習を行うというのは、連合軍の底力を見たといった感じだ。
本来この手の演習というのは、準備をするのに数週間……規模によれば月単位の時間が掛かってもおかしくないんだけどな。
それだけ、連合軍は現在の状況を危険視しているといったところだろう。
で、この演習にOZが出てこないのは……純粋にOZの基地がガンダムに襲われてそれどころではないというのもあるし、連合軍の中にはOZを嫌っている一派も多い。
その辺の力関係からだろう。
「ま、ともあれ演習場所の近くに移動するにしてもこのトレーラーのままって訳にはいかないし……一旦人目につかない場所に移動してから空間倉庫に収納して、影のゲートで移動だろうな」
そう呟くも、結局トールギスとエアリーズの2機を乗せているトレーラーは大きく、目立ち……なかなか人目につかない場所へ行くことは出来ずに苦労し、結局空間倉庫への収納は夜まで出来なかった。
後書き
アクセル・アルマー
LV:43
PP:555
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1415
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.10
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
鬼眼
気配遮断A+
撃墜数:1213
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