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聖闘士星矢 黄金の若き戦士達

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53部分:第六話 恐怖軍団その四


第六話 恐怖軍団その四

「貴様こそその冥界に」
「じゃあ貴様を最初に送り返してやるか」
 青い燐の数が増えていく。それが周囲を取り囲もうとしたその時に。デスマスクは突如としてまた何者かの強大な小宇宙を感じたのだった。
「!?この小宇宙は」
「まさか!?」
 狂闘士達もまた同じものを感じていた。その強大な小宇宙の持ち主は。
「ほう、やっぱり出て来たか」
「カナン様!」
「どうしてこちらに」
「気になって来てみればやはりな」
 カナンが戦場に姿を現わしていた。冷静な顔でデスマスクと狂闘士達を見ているのだった。
「キャンサー、やはり貴様か」
「へえ、蝿野郎のお出ましか」
 デスマスクは彼の姿を見てもまだ余裕綽々の様子だった。
「で、この連中にかわって御前が相手をしてくれるのか?」
「残念だがそのつもりはない」
 しかしカナンはそれを断るのだった。
「こちらの戦力がまだ揃っていないからだ」
「へっ、五人もいてしかもうじゃうじゃ雑兵もいたのにかよ」
「少なくとも今は攻める時ではない」
「だから帰るっていうのか?」
「その通りだ。明日また来る」
「へっ」
 今のカナンの言葉にまた軽く笑ってみせた。
「まあ俺はどっちでもいいぜ。御前等が死ぬことは変わらないんだからな」
「その自信、覚えておこう」
 こうデスマスクに告げて姿を消していく。五人もそれに続く。
「キャンサーよ、明日また会おう」
「今度会った時が御前の最後だ」
 一瞬目を鋭くさせてから述べた。
「それはいいな」
「覚えておこう。貴様がそうなるとな」
 デスマスクに言い返して戦場から消えた。ちょうど彼等が消えたその時にジャミアン達がやって来た。白銀二人、青銅四人のあのメンバーである。
「デスマスク様!」
「御無事でしたか!」
「馬鹿、遅いんだよ」
 まずは彼等にこう告げる。顔を向けながら。
「今頃来てどうするんだよ」
「す、すいません」
「小宇宙を感じてすぐに来たのですが」
「まあいいさ。雑魚はかなりやったからな」
「あっ」
「確かに」
 見れば下にインプ達がまだ大勢転がっている。皆ピクリともしない。
「随分倒されましたね」
「こんな連中は幾らいても相手にはならねえな」
 余裕に満ちた表情で首をわざと揺らしながら答えてみせる。
「所詮な」
「やっぱりあれで倒されたんですか?」
「ああ、あれだ」
 ディオに答えた。
「積巳気冥界波でな。一撃でまとめてやってやったぜ」
「やはり」
「流石はデスマスク様」
「といっても褒めても何も出ねえぜ」
 笑って青銅達に応える。
「それはあらかじめ言っておくぜ」
「何かケチですね」
「そうですよ。仮にも黄金聖闘士なんですから」
「だから言ってるだろ、金はねえんだよ」
 今度は言葉が少し怒っていた。だが本気ではないのがわかる。
「あったらしてるさ、立場上な」
「立場ですか」
「結構五月蝿いんだよ、そういうところがな」
 何か聖域の内部事情めいてきた。
「黄金聖闘士ってやつはな、聖闘士の頂点だ」
「はい、ですから」
「どうか貧しい我々にも」
「御前等も充分給料貰ってるだろうが」
 デスマスクはそれを突っ込む。
「人の財布あてにするんじゃねえよ」
「厳しいですね」
「ムウ様だったら穏やかに微笑んで、なのに」
「ムウと一緒にするな」
 これは本音だった。
 
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