| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

聖闘士星矢 黄金の若き戦士達

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

523部分:第七十四話 流星の牙その三


第七十四話 流星の牙その三

「このシャイニングスターを受けて無事だった者はいない」
「無事だったか」
「そうだ。この拳を受けてだ」
 いないというのである。
「さあレオよ、この技を受けて倒れるのだ」
「その星を受けてから」
「この星はメテオシャワーの比ではない」
 そこまで威力があるというのだ。
「貴様のそのライトニングプラズマで防げるというのか」
「防いでみせる」
 まさにそうすると返すアイオリアだった。
「一つ言い忘れていたことがあった」
「何をだ?」
「このアイオロスの拳で砕けないものはない」
 それはないというのだ。
「決してな」
「決してだというのか」
「そうだ」
 また言葉を返すアイオリアだった。技を放ったうえでだ。
「決してな」
「ならばそれを見せてみるのだ」
 あえてそれを告げるリゲルだった。
「貴様のその言葉が真かどうかな」
「では見るのだ」
 見せてやろう、ではなかった。こう返すのだった。
「このライトニングプラズマの威力をだ」
「むっ!?」
 今星と拳がぶつかった。その時だった。
 何もかもが砕け散った。星も光も。そして後に残ったものは何一つとしてなかった。
「まさかな」
 リゲルは己の星が砕かれたのを見て顔を顰めさせていた。
「シャイニングスターまで砕くとはな」
「言った筈だ、このアイオリアの拳に砕けないものはない」
 このことをまた言うのだった。
「決してな」
「そうだったな」
 その言葉に顔を顰めさせて応えるリゲルだった。
「嘘は言わぬというわけか」
「その通りだ。このレオのアイオリア決して嘘は言わない」
 断じてないと、はっきり言い切るのだった。
「例え何があろうともだ」
「その心気に入った」
 アイオリアのその言葉を受けてだった。
「やはり貴様はこのリゲルが倒すのに相応しい相手だ」
「倒すのにか」
「アスモデウスはだ」
 今度は彼が司るその魔神の話をするのだった。
「魔神の中にあって最高位にある八大公とされている」
「それはもう知っているが」
「それだけに闘う相手は選ばれる」
 そうだというのだ。
「闘うのに相応しい相手がか」
「相応しいか」
「そうだ。相応しい相手にだ」
「ではこのアイオリアはだ」
「今それを完全に認める」
 不遜な態度で返した言葉だった。
「感謝するのだな」
「では俺からも言おう」
 アイオリアはここでまた身構えた。その構えを解くことはない。
「貴様はこのアイオリアが倒す」
「貴様が言うのはそのことか」
「そうだ。それを言っておこう」
 まさにそれだというのである。
「そしてだ。再び言う」
「その言葉をか」
「このアイオリア、決して嘘をつくことはない」
 やはりこのことであった。言うのはである。
「何があろうともだ」
「そうだな。では行くぞ」
「行くというのか」
「闘う」
 再び激突がはじまろうとしていた。
「ここでだ」
「またはじまるか」
 アイオロスはそれを見ながらまた呟いた。
「激しい闘いが」
 アイオリアとリゲルの闘いはさらに激しくなろうとしていた。そしてその頃だった。
 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧