歌集「春雪花」
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心荒み
恋も叶わぬ
わが道の
虚しきけふを
独り眺むる
儘ならぬ日々に苛立ち…心は疲弊して言葉もない…。
叶わぬと知りつつ想いは募り…そんな自分に憤りさえする…。
何故このような人生を送らねばならないのか…そんな虚しいだけの毎日を、私は一人で見続けなくてはならないとは…。
雨落つる
笑みも絶えにし
冬里の
影もなきにし
枯れし山波
冷たい雨のそぼ降る空…笑顔さえ凍りつく…。
そんな寂しき冬の里…彼がいなくなって二度目の冬を迎えなくてはならない…。
一人侘しく…何故ここへ在らねばならないのか…。罪故と言うならば…いっそ逝かせてくれれば良いものを…。
美しかった山並みは枯れ果て…寒き灰色の空は、ただ淋しさと哀しみを映すばかり…。
生きるとは…かくも無情なものだっただろうか…。
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