聖闘士星矢 黄金の若き戦士達
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520部分:第七十三話 アイオロス合流その六
第七十三話 アイオロス合流その六
「さて、アスモデウスよ」
「言いたいことはわかっている」
アイオリアを見据えて返してきた言葉だった。
「それは既にだ」
「そうか」
「そして俺の言葉もわかるな」
「既にな」
わかると返したアイオリアだった。
「俺を倒す。そうだな」
「五人、そして多くのインプ達の仇だ」
まさにそれによってというのであった。
「それを取らせてもらう」
「その為に俺をか」
「そういうことだ。狂闘士は仲間の仇は必ず取る」
まさにそれが絶対の戒律だというのだった。
「だからこそだ」
「貴様の言いたいことはわかった」
アイオリアもそれを受けるのだった。
「それではだ。はじめるとしよう」
「容赦はしない」
また言ってきたリゲルだった。
「決してな」
「それは俺とて同じこと」
今アイオリアはその背に獅子を背負った。
「このレオの名にかけてだ」
「獅子は鼠を倒すのにも全力を尽くす」
リゲルが今度出した言葉はこれであった。
「そういうことだな」
「その通りだ。だからこそだ」
ゆっくりと構えを取ってきたうえでの今の言葉だった。
「アスモデウス、貴様に対してもだ」
「俺は八大公の一人」
このことも言ってきたリゲルであった。
「アスモデウスのリゲルだ」
「鼠とは違うということか」
「狂闘士達、即ち魔神達を束ねる八大公の力見せてくれよう」
まさにそれをというのだった。その言葉は本気であった。
「今ここでな」
「兄さん」
見ているアイオロスに告げたアイオリアだった。
「手出しは無用だ」
「言われるまでもない。そのつもりだ」
冷静な声で返してきたアイオロスだった。
「私も既にな」
「そうか。ならいい」
アイオリアはそれを聞いて安心したような声を出したのだった。態度は冷静なものであったがそこには明らかに喜びもあった。
「それではだ。やらせてもらう」
「その闘い見せてもらおう」
アイオロスはこう告げただけであった。
「ここでな」
「サジタリアスよ」
そのアイオロスにも顔を向けて告げるリゲルだった。
「次は貴様だ」
「そのつもりなのだな」
「そうだ、レオを倒してだ」
彼を見据えながらの言葉であった。
「貴様を倒す。いいな」
「それはアイオリアを倒してから言うべきではないのか」
こう冷静に笑いもせずに返すアイオロスだった。
「私と闘うと言う前にだ」
「無論それはわかっている」
リゲルもまた冷静だった。
「レオ、貴様の実力もだ」
「わかっているというのか」
「実力は互角だ」
そう見ているというのである。
「完全にだ」
「互角だというのか」
「如何にも」
アイオリアの実力を決して侮ってはいなかった。それは間違いなかった。
その証拠に目は冷静だった。その口調もだ。
「わかっている。だが」
「だが。何だ」
「互角という立場においてこのリゲルが敗れることはない」
それはないというのである。
「決してだ」
「それはこのアイオリアとて同じこと」
構えながら言葉を返すアイオリアだった。今にも何かの技を放たんばかりだった。
「それも言っておこう」
「面白い」
アイオリアの今の言葉を受けてまた述べたリゲルだった。
「ならばその互角の立場においてどちらが勝つかはっきりさせるとしよう」
「そうだな。ではアスモデウスよ」
またしてもアイオリアの小宇宙が高まるのだった。
「行くぞ」
「参る」
こうして闘いをはじめる両者だった。二人の死闘が幕を開けた。
第七十三話 完
2009・11・28
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