SAO~円卓の騎士達~
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第八十一話 決勝戦
~アーサー side~
おのれ、ブラッド。
俺の武士道を踏みにじりよって。
大会が終わったらモンスターに八つ当たり決定!
アーサー(そう言えば、)
ふと思い出したのはSAOの時、俺にユニークスキル《龍爪剣》を与えてくれた『神龍』だ。
十層のサブ迷宮自体は有るらしいし、奥に開かずの扉が有ると言うのも噂で聞いた。
アーサー(新アインクラッドに居るのか? 一度行ってみるか。)
もしかしたら戦えるかもしれない。
SAOと同じ様に俺一人しか部屋に入れなかったら長時間コースまっしぐらだが。
まぁ、元々一人で行くつもりだから構わないけど。
睡眠時間を大幅に削って戦い続ける自信がある。
いや、そもそも俺が入れるとは限らないか。
・・・・・入れたら良いな。
アーサー「ま、その前に初弟子が調子乗らないように倒しに行きますか。」
これは通過儀礼だ。
避けることの出来ない、な。
俺も良く師匠にボコボコにされたものだ。
今となっては良い思い出だな。
・・・・・急に老けたか? 俺。
まぁ、SAO事件とALO事件のせいで精神年齢が色々と変化したのだろう。
うん。 そうであって欲しい。
さて、決戦だ。
コロシアムの中心部に立ち、向かい合う。
ユウキ「やっと、やっとだね。 ようやくリベンジ出来るよ。」
アーサー「まぁ、勝たせはしないけどな。」
ユウキ「それはどうかな。 僕、強くなったんだからね。」
アーサー「その強さ。 誰のお陰で手に入れたのか忘れたのか?」
そう言って『覇気』と『ゾーン』を解放する。
ユウキ「忘れてないよ。 でもね、僕だって皆に見付からないようにコッソリと一人で特訓してたんだよ? だからね?」
そこまで言ってからユウキも『ゾーン』に入る。
ユウキ「あんまり僕の事、見くびらない方が良いよ。」
アーサー「それを言うなら俺もだ。 お前に見せてない奥の手が幾つ有ると思う?」
ユウキ「・・・ゼロ?」
アーサー「ハズレ。」
何でこの場面で俺が見栄を張らなくちゃいけないんだ?
アーサー「さてと、、、始めるぞ。」
三本の剣を装備し、構える。
それに合わせてユウキも剣を取り、構える。
カウントが減り、ゼロに近付いていく。
そしてゼロになると同時に一気に飛び出す。
俺が威力系の攻撃型ならユウキは連撃系の攻撃型。
ユウキが一本の剣だけで繰り出す高速の剣技を俺は三本の剣で受ける。
実際初めてやりあった時よりも攻撃は鋭くなり、動きも読みにくくなっている。
だから俺も中々重い一撃を出せないでいる。
だが、侮って貰っては困る。
俺が連撃系の攻撃をしないのはする必要が無いからであり、出来ないわけではない。
特に三刀流を使い始めてから連撃も攻撃の手として考え始めた。
さぁ、ユウキの知らない切り札その1、三刀流オリジナルソードスキル《激龍》四十二連撃だ。
現時点で最高の連撃数を誇るこのソードスキル、受けきれるものなら受けきってみろ!
ユウキ「っ!」
流石と言うべきか、ユウキは驚きこそしたものの攻撃をどんどん弾いていく。
ユウキ「いったい! コレ! 何連撃! あるの!?」
アーサー「四十二だ。」
ユウキ「よ、四十二ぃ!?」
まぁ、そういう反応になるだろうな。
作るの苦労したんだぜ?
発案から四ヶ月かけてやっと登録された。
そして途中から少しずつ攻撃が当たり始めてユウキのHPが少しずつだが着実に減っていく。
アーサー「これが、ラスト!」
ユウキ「ぐっうぅ!? この! やあぁぁぁぁ!!」
最後の攻撃が綺麗に決まったが、ユウキはすぐに体勢を立て直し、《マザーズ・ロザリオ》を放つが《スキル・ファントム》で硬直時間を無効化し、防ごうとするが、
アーサー「《マザーズ・ロザリオ》じゃない!?」
ユウキ「そうだよ! これが新しくなった僕の必殺技! 《マザーズ・ロザリオ改》!」
具体的には最後に×印の斬撃を付け加えただけだが、それで十三連撃。
俺の《ナイツ・オブ・ラウンズ》と並んだ訳だ。
だが、その程度の付け焼き刃でどうにかなると思ったら大間違いだ。
アーサー「あぁ、そうかよ。 その程度なら、」
ユウキ「ぐふっ!!」
ユウキの腹を思いっきり蹴飛ばす。
アーサー「ガッカリだな。」
成長がこの程度だったとはな。
まったく、発想力には期待してたんだが、無駄だったな。
アーサー「終わらせる。」
一気に飛び出し、最高速で飛ぶ。
ユウキは俯いたまま動かない。
そのまま俺の右手の龍爪剣が当たった。
ように見えた。
ギリギリでユウキが身体を反らし避けたのだ。
ユウキ「引っ掛かった。」
アーサー(! 誘われたか!)
ユウキ「僕の成長があれだけだなんて、言ってないよ。 行くよ! 《セイントクロス・オブ・ア・ボンド》!!」
絆の聖十字、か。
面白い。
そう思った瞬間に尻尾と左手の剣を捨てる。
俺の切り札2枚目にしてラスト!
アーサー「勝負だ! ユウキ!」
この技は《円卓の騎士団》の団長を間借りなりとも努める俺の誇り、意地、その他諸々、全てを込めた物。
アーサー「《ナイツ・イン・アヴァロン》!!」
二つの最高級の技がぶつかり合い、爆発にも似た衝撃が起こる。
観客席からは砂煙でどうなったのか分からない。
そして煙が晴れてきたとき立っていたのは一人。
アーサー「俺の、勝ちだ・・・!!」
観客席から歓声が上がる。
勝敗を分けたのは最後の技がぶつかり合う前のHPの差。
ユウキが残り六割ほどだったのに対し、俺は八割ほど。
それでも最後の最後でレッドゾーンまで持っていったのだ。
アーサー「本当に末恐ろしい奴だな。」
こうして大会六連覇を果たした俺は運営からの殿堂入りという名の実質的な出場禁止措置を貰った。
アーサー「ふざけんなあぁぁぁァァァァーーーーーーーーーーー!!!!!!」
~side out~
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