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オズのビリーナ

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第二幕その十

「世間で」
「あら、そうかしら」
「自分では旦那さんを立てているつもりでもね」
「実はというのね」
「違うっていうのがね」
 多いというのです。
「そうした家庭は多いわよ」
「ナターシャはそうした家庭をよく見てきたの?」
「ロシアでは多いのよ」
「かかあ天下のお家が」
「そう、お婆さんが家を動かす国で」
「そのお婆さんがなのね」
「ご主人を尻に敷いていて」
 文字通りにというのです。
「物凄く強い力でお家を動かしているのよ」
「それ中国でもだよ」 
 神宝もお国のお話をします。
「恐妻家凄く多いよ」
「アメリカだってね」
 ジョージもお国のお話をはじめました。
「滅茶苦茶気の強い女の人多いから」
「旦那さんの立場弱いね」
「喧嘩をしても負けるしね」
「そんな風だから」
「ちょっとね」
「女の人ってそんなに怖い?」 
 カルロスは首を傾げさせつつ言います。
「僕そうは思わないけれど」
「お母さんも親戚のおばさんやお姉さん達も皆優しくて」
 恵梨香は自分の周囲のことから考えています。
「友達の皆もね」
「優しくて奇麗でね」
「いい人達ばかりじゃ」
「普段はそうでも怒ると違うじゃない」
「そう、その時はね」
「男の人より怖いから」
 ナターシャとジョージ、神宝は二人にこう返しました。
「そうした時を考えると」
「女の人は怖いよ」
「お家の中でもね」
「ううん、そうなのかな」
「私は瞥に」
 カルロスと恵梨香は三人に言われてもどうかというお顔でした。
「思わないけれど」
「そうよね」
「いやいや、そのことは人それぞれだよ」
 キャプテンはこれまでの人生から五人にお話します。
「怖い人や怖い場合もあれば」
「そうじゃない場合もある」
「そうなんですか」
「そういうものだよ、それに」 
 さらにお話するキャプテンでした。
「その人それぞれの主観があるからね」
「その人がどう思っているか」
「それによっても違う」
「ご主人を立てているのかも」
「そうしたこともですか」
「主観ですか」
「そうだよ」
 実際にというのです。
「だからね」
「一概には言えないんですね」
「奥さんが怖いっていうのも」
「そういうこともですか」
「ご主人もどう言うか」
「そういうことですか」
「同僚でいつも奥さんに言われてる人がいたけれど」
 キャプテンはアメリカにいた頃のお話もしました。
「これが本人によると違っていてね」
「亭主関白だったんですか」
「そう言っていたよ、好き勝手を通してるってね」
 こうナターシャ達に言います。
「これがね」
「そうなんですね」
「そう、これがね」
「そういうものですか」
「そうなんだよ」
「奥さんが言っている様に見えても」
「好き勝手していることもあるよ」
 そうしたケースもお話するキャプテンでした。 
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