転生とらぶる
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ガンダムW
1522話
格納庫に入ったハワードの目が最初に向けられたのは、当然のように床に座っているような形のトールギスだった。
胴体から外された頭部を片手で握っているような、そんな状況。
とてもではないが、このままでは動かす事は出来ないだろう。
……というか、以前はハワード達がきちんと完成させた筈なのに、何でこんな状況になってるんだろうな。
いや、考えるまでもないか。そもそもトールギスを作った科学者達が消えた後でロームフェラ財団がトールギスを研究し、普通の人間でも操縦出来るようにデチューンされたのがリーオーだ。
だからこそ、トールギスはプロトタイプ・リーオーと呼ばれているのだから。
つまり、完成されたトールギスを分解してリーオーの技術を得た訳だ。
そうなると、やっぱりこのトールギスを使えるようにするには本格的なオーバーホールが必要となるだろう。
また、中にはそれだけでは足りないという可能性もあるので、オーバーホール以上の手を掛ける必要が出てくる可能性は十分にあった。
そんなトールギスを見て、ハワードは無言のままじっと見つめる。
言葉を発さない……いや、発せないのか。
ともあれ、数分の間トールギスをじっと見ていたハワードだったが、やがてその視線が他の場所へと向けられる。
トールギスのデチューンされたリーオーや、エアリーズ。
そこに用意された2機のMSに視線を向け、最終的にその視線は俺へと向けられた。
「そっちの2機も、随分使い込まれているようじゃのう」
「ああ。まぁ、入手先が入手先だからな」
この2機が使い込まれているというのは、別に俺がこの格納庫の中で操縦訓練をしたのが原因という訳ではない。
元々がコルシカ基地にあったMSだけに、そこまで新品という訳ではなかった。
いや、エアリーズはまだ連合軍にも殆ど行き渡っていないという点で考えれば、そこまで古いって訳でもないんだろうが……その辺は、やっぱりスペシャルズが精鋭部隊だけあってエアリーズを使って操縦訓練を繰り返し行っていたのか?
どのみち、ここまでボロい……もとい、使い込まれているのは、最初からだ。
「ほう、入手先のう。……コルシカ基地といったところか」
「……へぇ。何でそう思う?」
ハワードの口から出て来たその言葉に、そう問い返す。
だが、すぐに考えてみれば当然なのだという事に思い当たる。
そもそも、トールギスがコルシカ基地に保管されていたのだ。
そのトールギスがここにある以上、当然のように一緒にあるMSの出所も一緒だと思うのは当然だろう。
……ただし、それはトールギスがコルシカ基地にあるというのを知っているのが前提となるが。
この辺、やっぱり自分が開発に関与したMSだけあって、どこに保管されていたのかといった情報は得ていたのか?
「お主が言った事じゃろう? 蛇の道は蛇……とな。もっとも、儂はそこまで詳しく知っていた訳ではない」
「その辺を知ってるなら、これ以上隠す必要はないな。そうだ。トールギス、リーオー、エアリーズ。この3機は、俺がコルシカ基地から奪ってきたMSだ」
「……場末の基地ではあっても、コルシカ基地はスペシャルズの基地じゃ。よくMSを奪うなどという真似が出来たのう」
感心したというより、呆れの色が強い様子で告げてくるハワード。
まぁ、ハワードにしてみれば、スペシャルズがどれだけ精鋭なのかというのは当然知っている。
そこからMSを……それも倉庫にしまいこまれていたトールギスのみならず、リーオーやエアリーズといった機体を奪ってきたのだから、そう思うのは当然か。
「で、どうだ? トールギスを使えるように出来るか?」
「うーむ……そうじゃな。出来るかどうかと言えば可能なのじゃが……」
言葉を濁すハワード。
何か気になる点でもあるのか?
そんな俺の視線に押されるように、やがて口を開く。
「別に難しい話ではない。単純にここでは無理だという話じゃ。見て分かる通り、ここは格納庫ではあっても、MSを整備したりするような施設はないからのう」
「……なるほど」
元々この基地はマフィアが人目につくと危険な代物を保管しておく場所として使われていた。
または、あの応接セットを見れば分かるように、秘密の会合とかをやるような場所としても使われていたのだろう。
そんな場所には邪魔だったのか、本来なら連合軍の格納庫にあってもおかしくないような、MSの整備をする各種機械のような物はここにはない。
恐らく、この基地をマフィアが使うようになった時に処分したのか……もしくは、連合軍がこの基地から引き上げる時に全てを持っていったのか。
理由はともあれ、この格納庫にその類の設備は残っていなかった。
そうなると、ハワードの言っている事も理解出来る。
幾らハワードがトールギスの開発者の1人でも、十分な施設がない状況でMSの整備やら何やらをしろと言われても、無理だと答えざるを得ないだろう。
「どこか、整備出来る場所を知らないか?」
言葉を濁して尋ねるが、原作でゼクスがOZを抜けた時にハワードが拾い上げ、整備をしていたのを……それどころか、宇宙に出る為のブースターパックのような物すら持っていたのを、俺は知っている。
ハワードには、少なくてもそれだけ装備をどうにか出来るだけの設備がある訳だ。
実際、トールギスをゼクスと一緒に拾った時も、サルベージ船の中で補給や整備をしていたし。
その辺を考えれば、間違いなく俺の要望に応えられるだけの設備に心当たりはあるんだろう。
だが、それこそ今日会ったばかりの俺にそんな情報を与えることも出来ない。
恐らく口を開かないのは、そんな理由からか。
「折角のトールギスだ。出来れば下手な場所で整備……いや、オーバーホールのような真似をしたりしないで、しっかりとした知識のある専門家にやって欲しいところなんだけどな」
そう告げるも、ハワードは黙り込んだままで何も答えない。
ここでもう一押しする必要があるか。
だが、何を告げる?
俺が知ってる情報で重要な代物となると、オペレーション・メテオだが……ここでそれを口にすれば、寧ろハワードは俺を警戒するだろう。
であれば、ここでオペレーション・メテオという単語を口にする事は出来ない。だとすれば……そう考え、ハワードも技術者だという事を考えた時、ふと思いついた言葉があった。
「俺だったら、トールギスの性能を十分に活かす事が出来るんだけどな」
「……ほう?」
それは、俺の予想通りの結果をもたらす。
少なくても、ハワードの注意を引く事は出来たらしい。
考えてみれば当然だが、ハワードも当時自分が持っていた技術の粋を込めて、トールギスを作ったのだ。……正確には他の5人の仲間と共にだが。
ともあれ、そんな技術の粋を込めて作った機体だったが、実際には普通のパイロットではとてもではないが操縦する事が出来ない機体となっていた。
そんなところに現れた、この機体を乗りこなすという俺。
それで興味を持たない方が不自然だろう。
「この機体がどのような機体なのかを知った上での言葉と考えてもよいのか?」
「ああ。重装甲で高い防御力を持っている機体を、大推力のスラスター……スーパーバーニアで制御するという機体。パイロットの身体を痛めつけるその姿から、戦闘用ではなく、決闘用のMSと表現するのが相応しい機体だ」
戦闘用ではなく決闘用と表現したのは誰だったか……いや、パイロットなんだし、やっぱりゼクスだろう。
ともあれ、原作の台詞をそのまま使わせて貰ったが、決闘用のMSという言葉は俺が思ったよりもハワードの興味を引いたらしい。
「ほう、そこまで知っていて、尚この機体を……儂の開発したスーパーバーニアを使いこなせるというのか?」
「……ハワードが作った?」
「む? そこまでは知らなかったのか。こう見えても儂はこの手の推進機器の専門家でな。トールギスのスーパーバーニアを開発したのも儂じゃよ」
「へぇ」
その辺、原作に出てなかったと思うが……なるほど。そんな感じなのか。
ともあれ、それは俺にとっては寧ろ幸運だったと言える。
「ハワード。さっきも言ったが、俺はこのトールギスを十分に乗りこなすだけの自信がある。だが、どうせならもっと高度な……より高性能のトールギスに俺を乗せてみたくはないか?」
「何を考えておる?」
「簡単な話だ。ハワードが推進機器の専門家で、トールギスのスーパーバーニアを開発した。それはいい。これを作る時には、当然技術の粋を込めて作ったんだろう?」
「うむ」
「だが、その技術の粋というのは、あくまでも当時の技術の粋だった筈だ。技術というのは、日々進歩している。であれば、今のハワードならこのスーパーバーニアよりも更に高性能の推進機器を作れるんじゃないか?」
「馬鹿な!?」
俺の言葉に、殆ど反射的と言ってもいいような速度で叫ぶハワード。
「この状態のトールギスでも、テストパイロットを瀕死の重傷にしたのじゃぞ!? それを、これよりも更に性能を高めろと言うのか!」
「そうだ」
信じられないといった様子のハワードだったが、俺はあっさりと言葉を返す。
原作でゼクスがトールギスからウイングゼロに乗り換えたのは、トールギスの性能がゼクスの操縦技術に付いてこられなくなった為だ。
それは理解しているし、自慢じゃないが俺の操縦技術なら最初からトールギスは俺の反応に追随するのは難しいだろう。
だが、機体の限界を少しでも遅くする為に……それこそ、ニーズヘッグを出すのを少しでも遅くする為には、トールギスの機動力と運動性を最初から上げておくに越した事はない。
まぁ、トールギスの装甲はガンダニュウム合金ではなく、あくまでもリーオーやエアリーズと同じ装甲材だった筈だ。
出来ればガンダニュウム合金製の装甲にして欲しいところだが、宇宙でしか精製出来ないのであれば、ここでそれを言うのは無理だろう。
マフィアに頼んでも……まず無理だ。
その辺はトレーズやゼクス、レディ・アンといった者達が締め付けている筈だし。
……まぁ、デュオの機体の補修に使う分のガンダニュウム合金なんかはあるかもしれないが、まさかそれを寄越せなんて言える筈もない。
それ以上に、何故それを知っているのかと警戒されるのがオチだ。
それにトールギスのスーパーバーニアを強化するという事は当たらなければどうということはない! を地でいけそうだし。
寧ろ俺としては武器の方を改良して欲しいところだ。
ドーバーガンは威力の高いビーム兵器だが、砲身が長い分取り回しに難がある。
ドーバーガンの威力をそのまま……出来れば高めて、それでいて小型化出来れば最善なんだが。
ただ、ハワードが推進器の専門家だというのであれば、武器に関してはそこまで期待は出来ないか。
後は手持ち式のライフルをドーバーガンみたいに腕か肩に付けるようにしてくれれば両手を自由に使う事が出来るんだが。
「お主……本気か? いや、正気か?」
「その言い方は酷いな。本気で正気だぞ。さっきも言ったが、俺はこのトールギスの殺人的と呼ばれている加速にも普通に対応出来る。それどころか、スーパーバーニアを更に強化したものでも問題なく乗りこなせるだろうな。ああ、それとスーパーバーニアを強化する際には機動力だけじゃなくて運動性能の方も強化して欲しい」
「……よかろう」
数秒の沈黙の後、ハワードがそう告げる。
へぇ、てっきりもう少しごねるかと思ってたんだが……これは予想外だったな。
「ただし」
俺が感謝の言葉を発するよりも前に、ハワードが言葉を続ける。
どうやら何らかの条件を付けるらしい。
まぁ、オペレーション・メテオが間近に迫っている現在、トールギスの改修をしろと言われても、そうすぐに引き受ける訳にはいかない……からか?
ともあれ、理由の有無はあれど、ハワードが何の条件を付けるのかは非常に気になる。
どんな条件を言うのかと待っていると、やがてハワードはゆっくりと、勿体ぶるように口を開く。
「実は、儂の所有している船の中には、パイロットが耐G訓練に使う装置がある。それを使って、本当にお主が言ってるような実力があるのかどうかを見たい。……どうじゃ? 儂の言う通りに耐G訓練を受けてみる気はあるか?」
恐らく、ハワードはそう言えば俺が怯むと思っているのだろう。
だが、生憎と俺の場合は物理的な現象でダメージを受ける事はない。
それこそ、100Gであっても、1000Gであっても、全く構わないのだ。
その辺は、以前フィリオによって確認されており、全く心配していない。だからこそ……
「ああ、構わない。俺はいつでもいいぞ」
あっさりとそう答えるのだった。
そんな俺の様子に、信じられないと言いたげな様子のハワード。
恐らく、俺がこの提案を断るとばかり思っていたのだろう。
「けど、それを受けるからには、問題がなかったらしっかりとトールギスの改修を引き受けて貰うからな」
こうして、俺にとっては決まり切っている試験が行われる事が決定したのだった。
後書き
アクセル・アルマー
LV:43
PP:555
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1415
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.10
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
鬼眼
気配遮断A+
撃墜数:1213
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