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IS 輝き続ける光

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取材

閃輝と咲夜はセシリアと箒と共に食堂に居た。食事が目的だが本日のランチが閃輝の好きなメニューではなかった為少々残念そうにしつつカツ丼を突いている。目的だったのは何時もある筈だった茸炒め定食、それが一番好みだったがそれが売り切れだった事でご機嫌斜めだった。

「閃輝君、そんなに臍曲げないの。貴方の茸好きも相変わらずね」
「茸は霧雨三兄弟(俺達)の生命線みたいなもんですよ」
「まあ確かに」

闇夜や魔理沙そして閃輝は魔法を習得しているが基本的に茸を原材料とした薬品を触媒とした魔法を使用するので正に茸は生命線なのである。まあ閃輝の場合は大好物が茸と言う意味も強いが。

「大体何時も売れ残ってたのに何故急に売れ切れる!?」
「それはきっと閃輝さんが食べていたからそれに触発されたのでは?」
「私もそんな話を聞いたぞ、霧雨が食べているからきっと美味しいんだと……(私も試してみたかったのに)」
「……なんというか、女子って生き物は本当に流行に流されやすいのね」

全く持ってそれを否定できないのでセシリアと箒はなんとも言え無い気分になった。幻想郷組である二人にとって外の世界の流行なんぞ知っちゃこっちゃ無いので、基本的に自分が気に入った物を愛用する傾向が強い。

「あっ居た居たぁ!!ちょっといいですかね~!?」
「んっ?」

適当に食べ終え毎度おなじみの煙草型の薬を銜えようとした時声を掛けられる。そちらに顔を向かえるとカメラを片手に近寄ってくる生徒が見える。

「私は新聞部の部長で二年の黛 薫子って言います。最近話題になっている霧雨 閃輝君に是非インタビューしたいと思ってきました!」
「……マスゴミか」
「えええっ開口一番にマスゴミ扱い!?」

新聞部と名乗る二年生、閃輝には彼女の姿が幻想郷の自称新聞記者であるマスゴミという別称を持っている射命丸 文に重なって見えてしまいついそう口にしてしまった。閃輝自身、文のインタビューを受けた際、初めてという事もあって全て正直に答えた結果、後日出回った新聞に乗った内容が全て捏造されていた事がある為、それ以降文を酷く嫌っている。

因みにそんな新聞を発行したという事で、天狗である文がいる妖怪の山の天狗の住処が闇夜と魔理沙、咲夜によって襲撃されたという事件があった。死傷者は出なかった者の重傷者は出たとか出なかったとか。

「閃輝君気持ちは凄く解るわ、貴方もあのクソ新聞のインタビューを受けた結果捏造新聞を発行された経験を持ってる物ね。でも初対面の人にそれは失礼よ、例えマスゴミである可能性があったとしても」
「そ、そんな事されたのか!?最低では無いかその新聞!!!」
「全くですわね。それならインタビューする意味も無いでしょうに、いえインタビューしたからこそ捏造記事が出来たのでしょうね……」
「そ、それならマスゴミ扱いされても……で、でも私は誠心誠意真っ直ぐな新聞をこの学園で発行しているの!だからお願いします!もしも捏造したら私のことボコボコにして良いから!!」

自分に向けてそう言い放ちながら真っ直ぐに頭を下げる薫子、彼女も僅かに捏造しようかなとは思っていたが流石にまずいと感じ取り絶対に捏造は止めようと覚悟する。頭を下げる姿を見たのと咲夜の言葉を受けて溜息をついて頭を上げるように促す。

「俺が捏造やらがだいっ嫌いだ。仮に捏造したら、いいな」
「はいっ!やったそれじゃあ早速インタビューをさせて貰って良い!?」
「ああ、その前にこの薬に火をつけて良いか」
「あっ噂の教師陣公認のお薬って奴ね、どうぞどうぞ。身体の調子を整える為なら駄目っていう資格無いし」

こうして薫子による霧雨 閃輝のインタビューが開始される。

「ええっとまず学園の印象は如何ですか?」
「悪い」
「おおうド直球なお言葉で……(汗)」
「当然。化粧や香水の臭いが強すぎて気分が悪くなるし俺を敵視し見下す女が多すぎる。俺がこの薬を吸っているのもそれが原因だ」
「あ~……うん、なんかごめんなさい。女子生徒代表して謝ります……」
「お前に謝られてもな」

薬の吸殻を携帯灰皿に落としつつだから謝るなと促す。

「次ですけど、急成長し続ける会社"ファンタジスタ"の専属操縦士と言う事ですけど今後は如何なさるんですか?」
「如何、とは?」
「ずばり国家代表候補生になりたいとかありませんか!?」
「無い。制約がありすぎるしつまらん、今の立場の方が満足出来る。全てにおいてな」
「おっ~なんとも会社愛に満ち溢れている発言!これはいいコメント貰えちゃった!」

瞳を輝かせながらメモを取っている姿がますますあの捏造記者に重なってしまう。少々不安になってきた。

「次にですがクラス代表にはそちらオルコットさんを指名したそうですが、理由をお聞かせ願えます?」
「実力が知れている方が確実だろう、それに」
「それに?」
「……いや辞めておこう、会社の都合だ」
「会社の都合……ああっまだ専用機の調整が終わりきってなかったからとか!!」
「そう言う事にしといてくれ」
「は~い」

「そして次ですが、ズバリ!好みの女性のタイプは!?」

その瞬間食堂の空気が静まり変えり女性生徒達は必死に聞き耳を立てている。箒は一気に変わる空気に驚きアタフタしセシリアはあらあらと何所からか取り出した扇子で口元を隠しつつ笑い、咲夜は静かに紅茶を飲んでいる。

「……やっぱりそう言う事聞くんだな」
「そりゃ女性はこういう話題大好きですしお寿司!」
「(寿司……?)……好み……思慮深くが何処かお茶目、楽しく談笑が出来て完璧に仕事をこなし、共に居たいと思う人だな」
「おおおっこれはこれは今までの答えはなんだと言わんばかりのお答えっぷり!これは記者としては嬉しい限り!!」

因みに好みのタイプについては完全に咲夜な訳、目の前で自分の事が言われている事を把握してしまった咲夜は顔には出さないが内心であらぶりまくっていた。彼女自身閃輝の事を酷く好いているしこうして相思相愛である事を遠まわしに伝えてくれた事が嬉しいのである。

「インタビューは終わりです有難う御座いました!それでは最後に写真を一枚いいですか!?」
「一枚だけだぞ」

薫子は笑顔で閃輝の写真を一枚どおりって改めて礼を述べてから去って行った、閃輝は捏造されないだろうかという一抹の不安を抱き殻ながら彼女を見送った。

そして三日後、完成した学内新聞が発行された。閃輝には薫子本人から届けられて見た所捏造は一切されておらず閃輝はほっと一息つき、これからも偶には取材には応じると約束をする。

因みにこの新聞の初版はあっという間に売り切れてしまった。やや増額した二版も直ぐに売切れてしまうほどの爆発的なヒットとなった。流石の薫子もこの売れ行きには苦笑いを浮かべた。 
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