先恋
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先恋〜卑怯者〜
前書き
こんばんは!さて、どうなる事やらw
此れからどうなるか、一緒に考えてもらえると嬉しいな、と思います!
陸太は一人、家への道を俯き、何も考えることが出来ないまま、帰っていた。
〝もう、一緒には居られない____〟
沙奈の言葉が頭をよぎる。もし、あの時、自分が寝ていなければ、もし、靴を隠すくらいの配慮をしていれば、もし…もし…………、後悔ばかりが浮かんでくる。
「…沙奈さん…、別の学校とかに…行かなきゃなのかな…、もう、会えないのかな…」
涙が溢れて、止まらない。ただ、ひたすらに、自分の犯した罪を…、反省しても仕切れないその罪を、反省できれば何かが変わると信じることしかできなかった。
信じられなかった。
もう、沙奈と一緒に居られないなんて__。
「…ただいま……」
家に帰ると、学校から連絡があったらしい。両親が玄関まで走ってきた。
「…陸太‼︎‼︎‼︎」
父に初めて、頬を引っ叩かれた。
「…何で…言ってくれないの!…悩んでたなら、お母さん達だって、何か…」
初めて、母に泣きながら抱き締められた。
「…言えるわけ…ないだろ…、言ったところで、何もしてくれないだろ…馬鹿にするんだろ⁉︎何時だって‼︎問題になってからそうやって‼︎‼︎何があったって、僕の言葉をちゃんと聞いてくれた事なんか無かっただろ‼︎‼︎‼︎」
言いたくも無いのに、厳しい言葉が口から出る。僕は家族までもを苦しませるのか…。
「ごめんね、りっ君…ごめんね」
母はその場に座り込み、泣いた。父は何も言わず、そんな母を見ていた。だが、僕に向けられた視線は、“軽蔑”を意味していた。
陸太は一人、夕食も食べず、部屋に鍵をかけ、ベットの上にいた。何度か母が来たが、思ってもいない言葉をぶつけ、2、3度来た後、母はもう、来なかった。母の泣いている声が、両親の部屋から聞こえてきた。不思議と、二人の口から出るのは、軽蔑の言葉では無かった。父は言いたかったかもしれないが、母の気持ちを察し、言葉にしなかったのだと思う。
「…ごめんね、ごめんね」
何故母が謝るのか、分からない。悪いのは自分だと分かっているくせに、全てを両親にぶつけ、押し付けたことをまた、後悔した。
「…りっ君…?今日は…学校、どうする?休むなら、先生に連絡するけど…」
母の声は、一晩経っても震えたままだった。陸太は答えることもできず、黙っていた。母は陸太の気持ちを察し、「学校に連絡しとくね、」とだけ言い残し、そのまま部屋に帰って行った。
「…馬鹿みたい…」
沙奈と別れ、沙奈を傷付け、両親に八つ当たり、父には軽蔑され、母を泣かせ…。
「…………」
陸太は何処か、両親に恐怖を覚えつつも、部屋を出た。両親に気付かれないよう、家を出て、自転車にまたがると、行く先も何も考えず、ただ、走り出した。
「……はぁ…」
溜め息ばかりが漏れる中、ただ、走った。何処に行きたいのか、見当も付かない。沙奈のところ?今は何があっても行けない、いや、怖いから、行きたく無いのだろう。学校?今一番行きたく無い場所だ。学校的にも不利なこの状況、周りの生徒が知っているはずは無いのに、気付かれているのでは…と、不必要な恐怖を覚えた。
「…何処に逃げれば良いんだ…」
逃げるなんて、卑怯だ。最低だ。そんな声が聞こえてくる。分かってる。先の事も考えず、自分の思いをぶつけ、沙奈に思われたいと思い始めたあの時から、自分はずっと卑怯者だったんだ。自分勝手で、何も考えられない。何と幼い___。
「…沙……………瑞木…先生…………、」
もう、“沙奈さん”なんて呼ぶ資格は無い。特別な人になっていた時間は、あっという間に終わってしまった。
これからはまた、ただの教師と生徒__。
他人と…他人だ_______。
「…逃げるのも…会うのも…卑怯なら、何をすれば良いんだろうな…、償う事が正しいのなら、どう償えば良いんだろうな…、」
初めから、愛す資格など、無かった。
陸太が自転車を止めた場所は、駅前だった。
「…僕は何をしようとも、最後まで卑怯だ。それなら……もっと卑怯になっても……。」
陸太は逃げる事を選んだ。戦う勇気など、無かった。許してほしい。最後に一度だけ、その名を呼ぶ事を許してほしい。
「…沙奈さん________。」
…僕は、卑怯だ___。
後書き
ここまで読んで下さり、ありがとうございます‼︎
ウーム…どうしようかなー、何も考えてませんでした←
ま、まぁ、此れからもお願いしますw
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