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聖闘士星矢 黄金の若き戦士達

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479部分:第六十七話 豪州という地その四


第六十七話 豪州という地その四

「やっぱりそういうのはな」
「不得意って予想できるよな」
「当然みたいにな」
「おい、聞こえているぞ」
 当のアイオリアが苦笑いを浮かべてその彼等に告げる。
「せめて俺の聞こえないところで話せ。そういうことはな」
「あっ、すいません」
「これはどうも」
 軽く申し訳なさそうに今のアイオリアの言葉に頭を下げる彼等だった。それぞれ右手を自分の頭の上に置いて。あまり真面目に謝っているようには見えない。
「失礼しました」
「これはまた」
「全く。まあいい」
 彼等についてはこれで許すアイオリアだった。そうしてそのうえでダイダロスとダンテに対して言うのだった。
「それでだ。車はだ」
「既に発注した業者もわかっていますので」
「ではそれに乗るだけだな」
 ダンテがダイダロスの今の言葉に突っ込みを入れた。
「そして中央部まで行き」
「それで終わりだ。では」
「よし、行くぞ」
 またこう言うアイオリアだった。
「その中央部にな」
「そこに何かがあるようです」
 ダイダロスはここでまた述べたのだった。
「おそらくは狂闘士達も」
「アイオリア様、このシドニーから中央までは長いです」
 ダンテはその距離について語った。
「おそらく途中に狂闘士達が何度か」
「間違いないな」
 そのことはもう既に察しているアイオリアだった。
「来る、間違いなくな」
「はい、ですから」
「警戒して行くとしよう」
 アイオリアは真剣そのものの顔で述べた。
「中央部までな」
「流石にここで仕掛けて来たりはしませんよね」
「シドニーでは」
 青銅の者達はそれを警戒しだした。目だけであるが周りをきょろきょろと見たりもする。
「幾ら何もここでは来ませんよね」
「奴等も」
「安心しろ」
 その彼等にアイオリアが静かに告げた。
「ここでは狂闘士達の小宇宙は感じない。全くな」
「そうですか。それじゃあ」
「安心していいってことですね」
 アイオリアの今の言葉を聞いてまずは落ち着きを取り戻す彼等だった。そうしてそのうえでさらに言ってきたのであった。
「じゃあアイオリア様」
「中央部へ行きましょう」
「連中を倒しに」
「それはもう言っている。それではだ」
 アイオリアが立ち上がった。それに続いて他の聖闘士達も。
「行くか」
「ええ、では」
「いざ戦いの場へ」
 こうしてその中央部に向かう彼等だった。そのまま戦いの場に向かう。
 その頃シオンは。またあの鏡を並べた間において鏡の向こうにいる男と話をしていた。シオンは彼に対してまずこう言うのであった。
「これでだ。七つ目だ」
「そうか。早いものじゃな」
「アイオリアが行った」
 出陣した黄金聖闘士が誰かも話すのだった。
「オーストラリアにだ」
「そうか。次はそこか」
「これで後は一つだが」
「どうじゃ?それで」
 鏡の向こうの男はシオンの言葉を聞き終えてから彼に問うた。
「アーレスは」
「どうやら復活は避けられないようだ」
 シオンはこのことは残念そうであった。言葉にそれが滲み出ている。
「防ぎたかったがな」
「アーレスだけではあるまい」
 男はこうも言ってきたのだった。
「復活するのは」
「そうだ。それも間違いない」
 シオンの声が曇っていた。声に感情を含ませない彼にしては珍しいと言えるものだった。だがそれはここでは別であったらしい。
「あの神々もだ」
「争いと嫉妬の神エリスと共にアーレスを支えてきたあの神々もまた」
「これで五柱だ」
 神の数であった。
「それだけの神々が戻るのだ」
「アーレスを入れれば六柱じゃな」
「トラキアの強さは狂闘士達だけではない」
 その過去の聖戦で獰悪なまでの強さで知られた彼等だけではないというのである。
 
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