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先恋

作者:マナ
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先恋〜風邪〜

 
前書き
こんばんは!お久しぶりです!
投稿不定期すみません!
読んでくださっている方、お忙しい中、態々感想まで下さった方、本当にありがとうございます!
まだまだ続きます、宜しくお願いします! 

 
〜翌日〜

「おはよ〜」
「おはようございます!」
校内では、そんな声が飛び交っている。

《今日は全校朝会があります、8時20分までに体育館に集合して下さい、》

陸太が教室に入ると同時に、放送が流れる。
「並ぼーよー!」
「朝会だってー!」
生徒達が体育館に集合する。陸太は、沙奈を探し、辺りを見渡す、が、
「………」
沙奈は居ない。その他の教員は居るが、沙奈だけ、見当たらない。
「…居ない…のかな、」
陸太は小さな声でそう呟き、前を向き直した。




朝会が終わり、陸太はもう一度、辺りを見渡した…が、やはり居ない。
「…沙奈さん…」


教室へ戻ると、副担任である、“神澤 明弘”と言う、男性教師が来た。
「…神澤先生、沙奈さ…瑞木先生は…?」
陸太が聞くと、明弘は、
「ああ、体調が悪いそうです、」
「風邪…あ、熱…ですか?」
「えぇ、ちょっと、高熱みたいで、」
「そうですか…」

陸太はそう返事をして、小さく俯いた。
(…沙奈さん大丈夫かな…、倒れてないかな…、ちゃんとご飯食べれてるかな…、)
陸太は沙奈のことで頭がいっぱいになり、授業の内容など、頭には入らなかった。



(…あー…頭痛い…)
沙奈は、ベッドに横になっていた。
「…もー…何でこうなるかな…」
余りのだるさにずっとベットの上にいた沙奈は、朝食すら、食べてはいなかった。
(ちょっと、お腹すいたかも…)
何時だろうかと、沙奈が時計を見ると、
「11時半…か、」
もう昼前だった。
(薬飲まなきゃいけないし…、何か食べなきゃ…)
沙奈が何かを作ろうとベットから起き上がった時、
(……っ!)
立ち眩みのような感覚で、沙奈はその場に倒れこんだ。頭痛と目眩で立ち上がれない。何やら、熱が上がってきたらしい。体が熱い。汗を流せば熱は下がるだろうが、汗をかかず、熱が体にこもっている為、息苦しいほどに体が熱い。
「…ハァ…ち、ちょっと…ヤバイかも…」
沙奈はどうすることも出来ず、そのまま頭がクラクラして行くのを感じ、いつの間にか、頭の中が真っ白になっていった。
「…ハァ、ハァ…、ハ…ハァ、ど…しよ、水…み、ず…」
沙奈はそのまま、床に伏せる様に倒れた。


「…さん、さん!」
(…さ、ん?3って何…)
「…沙奈さん、沙奈さんっ!」
(…沙奈…さん…?ああ、これ、夢か…、陸太君は…夢の中でも、優しいんだな…)
「沙奈さんっ!」
(…ん…ゆ、め…?)
沙奈は、うっすらと目を開けると、

「…大丈夫ですか?」

「…陸太、く…ん、」
沙奈はそっと微笑み、陸太の名前を呼んだ。何故か、体が怠いせいなのか、陸太を見て安心したのかは分からないが、沙奈の目から、涙が溢れた。
「さ、沙奈さん⁉︎」
「…あ、れ?何だろ…フフッ、…あ、そうだ、どうしたの…?学校…は?」
「沙奈さんの様子を見に来たんですよ!」
「そっか…ありがと、私は大丈夫だから、戻って、ね?」
沙奈の精一杯の言葉を聞き、陸太は首を横に振った。
「学校には戻りません、取り敢えず、何か食べやすいもの、作りますね、」
そう言い、沙奈をベットに運ぶと、陸太は、
「…失礼ですが…その、れ、冷蔵庫を開けても宜しいですか?」
「…あ、うん、あれ?陸太君、そう言えば…どうやって入って来たの?」
「玄関の鍵、開けっ放しだったので、焦っちゃいましたよ…何かあったんじゃないかと…」
「え、そうだったの…?ゴメン、」
沙奈がクスリと微笑む。
「あ、そうだ、水…よりも、何か…スポーツドリンクみたいな物の方がいいですよね、買ってきます、」
「…あ、れ、冷蔵庫にある…から、」
陸太は、そう言われ、そっと冷蔵庫を開く。そして、其処にあったペットボトルのスポーツドリンクをコップに入れ、沙奈に渡す。
「…大丈夫、ですか?」
「…うん、」
それを受け取った沙奈の手は、震えていた。コップの中のスポーツドリンクが溢れそうな程に揺れている。
「…貸して下さい、」
陸太は、沙奈からコップを受け取ると、そっと沙奈の口にそれを含ませた。いきなりたくさん入れないよう、ゆっくりと気を付けつつ、沙奈に其れを飲ませる。
「…ごめ…、ありがと、」
「いえ、では、少し待ってて下さいね、」
陸太はそう言い、そっと沙奈から離れる。
「…や…っ」
そう言い、沙奈は陸太の服を引いた。
「…え?」
陸太が振り返る。
「…ごめん…な、何でもない…、」
沙奈は急いで手を離した。
「…あ、いえ、その…」
陸太は、涙ぐんだ沙奈の顔を見て、

「僕こそ、すみません、僕に風邪、うつしちゃっても良いですから…」

そう言い、そっと、沙奈の唇に自分の唇を重ねる。
「だ、駄目…っ」
沙奈は陸太から離れようとするも、陸太はそれを許さない。
「…り…く…たく…」
沙奈は成されるがまま、体の力を抜き、全てを陸太に任せた。陸太は何度か沙奈にキスをした後、
「僕はここに居ますから、大丈夫です、一人じゃありませんから、怖がらないで、」
そう言い、沙奈の頭を撫でると、立ち上がった。沙奈の熱は一層、高くなった______。 
 

 
後書き
読んでくださり、ありがとうございました!
如何だったでしょうか?何故か熱を出してしまうという…案外病弱なんですねw
此れからも宜しくお願いします‼︎ 
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