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オズのビリーナ

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第二幕その五

「そうするわね」
「お願いします」
 こうしてです、オズマはすぐにトロットとキャプテン=ビルを呼びました。二人に事情をお話するとです。
 トロットは笑顔になってです、オズマに応えました。
「有り難う、冒険に行きたくて仕方なかったのよ」
「そうよね」
「そろそろね」 
 それでというのです。
「私とキャプテンで行こうと思っていたけれど」
「丁度いい機会だったのね」
「じゃあ行かせてもらうわね」
「わしもな」
 キャプテンも笑顔で応えます。
「そろそろと思っていたしな」
「それなら」
「行かせてもらおう」
「それじゃあね、五人をお願いね」
「わしでいいかな」 
 キャプテンはナターシャ達五人にお顔を向けて尋ねました。
「わしと一緒に冒険に行くか」
「はい、お願いします」
「トロットさん、キャプテンさんと一緒に冒険に行ったことは少なかったですし」
「是非一緒に行きましょう」
「楽しく行きましょうね」
「冒険に」
「そうしような、ではビリーナ」
 キャプテンはビリーナにも声をかけました。
「宜しくな」
「こちらこそね、では出発ね」
「私はすぐにウィンキーに向かうわ」
 オズマは皆に言いました。
「まずは木樵さんのお城に行くから」
「そう、実はね」
「僕達が迎えに来たんだ」
 ここでブリキの木樵とかかしも来ました。
「急なことだからね」
「飛行船で都まで来たんだ」
「もう竜巻が国中を吹き荒れていて」
「魔法じゃないとどうしようもない状況なんだ」
「それでなの」
 オズマは二人の言葉も受けつつ皆にお話します。
「今すぐに行くの」
「じゃあ留守は私に任せてね」
 ドロシーはそのオズマににこりと笑って言いました。
「ちゃんとやらせてもらうわ」
「それじゃあね」
「私はこの国の王女だから」
 オズの国で二番目に素晴らしい人なのです、オズマに次いで。
「だからね」
「オズマの留守もオズマの言葉通りにしてみせるわ」
「じゃあお願いね」
「うん、ドロシーなら出来るよ」
「僕達は確信しているよ」
 かかしと木樵はそのドロシーに笑顔で言いました。
「何しろこのオズの国でも屈指の人気者でね」
「誰からも愛されている娘だし」
「しかもオズの国きっての社交派でもある」
「問題はないよ」
「有り難う、ただお客様達に失礼や不愉快がない様に気をつけるから」
 油断も慢心もしないドロシーです、ですからこうしたことは最初から頭に入れているのです。この辺りの頭のよさも備えている娘なのです。
「そのこともね」
「ではベッツイやジュリアがいるから」
 オズマは二人の少女も紹介しました。
「その娘達の助けも借りてね」
「ええ、やっていくわ」
「そうしてね」
「ではね」 
 ドロシーは今度はオズマ達とナターシャ達両方に言いました。 
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