STARDUST∮FLAMEHAZE
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第三部 ZODIAC CRUSADERS
CHAPTER#23
METEOR STORMⅡ ~Black Matrix~
【1】
彼方より、飛来せし流星群。
抽象的な表現ではなく 『流れ星そのもの』 が、
分厚い大気の摩擦熱で光を放ち封絶を突き破って降り注ぐ。
その光景は、戦場にいる全ての者に目撃され、
激戦の苛烈さがいま尚加速している事を認識にするに充分な能力だった。
(見事です、アイリスさん)
(フッ、人間の娘もやるものよ)
(アレが、神父から与えられたというスタンドか。
訓練不足かと想ったが、フフフ、なるほど)
対する者達の思惑が交差するなか、
「みんな、無事で帰れますように」
少年の無垢な願いが燃え盛る星屑に向けられた。
その遍く流星の爆心源、
『フラトンシンガポール・SPW』 フロア一階は
地獄と化していた。
次から次へと、間断なく無造作に襲来する隕石の嵐に、
天井が砕け、鉄骨が歪み、空間は焦熱で捻じ曲がる。
対峙する標的など無視するかのように、
その射程は屋外のプールやテニスコートにまで及んだ。
正に、天から舞い降りし災厄。
人の身で抗いようのない、無慈悲なる光の雨。
破壊の濁流、炎の海と化したフロアで、
その災厄を呼び起こした張本人だけが傷一つなく佇んでいる。
傍らで宙に浮く、そのスタンド能力を全開にして
射程圏内全域に流星をバラ撒くのが彼女の操る最大流法
『アース・ウインド・アンド・ファイアー』
しかもその全能力は、スタンド 『サバイバー』 により
加圧されている。
突入角度、6・5~±0・9度の間。
この数字は、カプセル型の宇宙船が宇宙から
地球の大気圏に戻ってくる時の斜径であり、
護らなければならない絶対の法則。
この角度以内で大気圏に突入したモノは、
地球の引力に弾き飛ばされるか、
空気の摩擦で跡形もなく燃え尽きる。
地球を人体の頭部に喩えるなら、
髪の毛一本ほどの狭き回廊、『神の門』
更に、地球の回転軌道上には無数の岩石や鉱物が漂流しており、
ソレが毎秒平均400の割合で地球に降り注いでいる。
にも関わらず地上が無事でいられるのは
この 『神の門』 が存在するからであり、
その法則を解析し解き明かしたのは人類の叡智。
だが。
『岩石自体が』 宇宙艇の 「突入角度」 を護り、
尚かつ充分な硬度と質量を持っていれば、
地球の公転軌道にも拠るだろうが、
『神の門』 で弾かれたり燃え尽きたりせず、
地上に到達し得るモノもあるだろう、カタチを残して。
その、隕石の 「突入角度」 を操作して
地上に落下させるのが遠隔操作型スタンド、
『プラネット・ウェイブス』 であり、
その能力を十全且つ精密に操れるのが
スタンド使い、アイリス・ウィンスレット。
スタンドの真髄は、その優劣は能力単体に依存するのではなく
この “操作練度” に最も重点が置かれる。
その意味に於いて、彼女が吉田 一美に匹敵するほどの
素質を持っていたというのは想像に難くない。
舞い踊る陽炎、噴き荒れる焼塵、
挑みかかった白銀の騎士と古の王女は、
断末を挙げるコトもなく灰燼に帰したのか?
どうでもイイ。
最初から、解りきっていた結果。
『サバイバー』 の能力に加圧された状態で、
この 『流法』 を発動させれば誰であろうと滅びるしかない。
ソレでは面白くないので、少し遊んでやっただけだ。
わざと威力を抑え、相手の能力を見定め、
追い詰められた状況での 「駆け引き」 を楽しむ。
敬愛する “アノ人” の為、
自分はまだまだ 「成長」 しなければならない。
その為の、実戦という名の訓練、色々試してみて損はない。
降り注ぐ火球、空気の灼ける匂い。
レンズ越しに映る夥しい炎を見据えながら、
少女は思い出していた。
“アノ人”
『黒い天使』 と初めて逢った日のコトを。
――中東の最南部、周囲を山岳と渓流で囲まれた集落で少女は生まれた。
村は地図にも記載されない小さな場所、
風光は明媚だったがそれ以外特色のない、
農耕や酪農で細々と暮らしている人々の集まりだった。
村人の多くは、早々と結婚し子供を作り、
後は延々と家族を養う為に汗を流す日々。
少女も当然そうなると自覚し子羊の世話や織物の手伝いをしていたが、
誰に教わる事もなく文字を読んだり書いたり出来る聡明さに
着目した村長の薦めで、一人 「学校」 に行く事を許された。
周りの子供達と遊べなくなること、
通学にバスで三時間以上かかることに当初少女は不平を漏らしたが、
持ち前の聡明さと弛まぬ努力でめきめきと頭角を現し、
都市部にある有名進学校への推薦を受けるほどにまで学力は向上した。
知らせを受けた両親は子供の才能を喜びつつも、
愛娘を一人都会に行かせる事を不安がったが、
少女は大丈夫と意志のある瞳で決意を示した。
集落の子供は、街で生まれた子供と同じく当たり前のように
教育を受ける事は出来ない。
街生まれの子供が不平だらけで受けている授業を、
少女は具にノートに書き留め、
それを村の子供達に教えてやるのが何よりの楽しみだった。
他の生徒が落書きや悪戯で汚している真新しい教科書を、
村の子供達は宝物のようにみつめ、
少女の説明を御伽噺のように聞き入った。
その時の表情が、笑顔が、他の何よりも嬉しくて、
もっともっと色々な事を教えてあげたいと少女は純粋に願った。
この 『世界』 は、自分達が想っているよりもずっとずっと大きくて、
どこまでも果てしなく広がっていて、知らない事や凄い事がたくさんある。
都会の学校から戻ったら、今度は自分がこの村に学校を作ろう、
そして自分が覚えた事、学んだ事、全部みんなに教えてあげよう。
生活や仕事には役に立たないかもしれないけれど、でも、
知らない事を知る事が出来るのは、何より楽しい事だから。
出来ない事が出来るようになるというのは、何より嬉しい喜びだから。
少女の心には、清らかで爽やかな風が吹いていた。
ソレは、いつまでもいつまでも、谷間の集落に吹き続ける筈だった。
……
試験に合格し、真新しい制服姿でバスを降りた少女は、
一目散に集落への帰路を急いだ。
村からバス停まで徒歩で30分以上かかるが、
山歩きに慣れている少女の走りはその時間を半分に縮めた。
早くこの制服を、両親に見せたい。
立派な革で出来た鞄を、あの子達に触らせてあげたい。
何より、自分の合格を我が事のように喜んでくれるみんなの笑顔が見たい。
通常の帰路を行くのももどかしく、途中脇道に逸れ渓谷の上から
村全体に呼び掛けようとした時。
『……』
無垢な笑顔が凍り付いたまま、真新しい学生鞄が地面に落ちた。
猛然とした熱風が、二つに括った後ろ髪を揺らした。
紅蓮。
一面を取り巻く、赤、紅、朱、あか、アカ……!
絶対に絶対に在り得ない光景が、少女の眼下に拡がっていた。
自分が生まれ育った集落が、木造の家が、小さな牧場が、慣らされた耕地が、
ドス黒い煙を立ち上らせる炎に包まれていた。
一瞬。
本当に、一瞬。
今朝門をくぐったときは、何も変わらぬいつもの風景だったのに。
それなのに。
オトウサン、オカアサン、トナリノオバアチャン、ミンナ……
どこをどう歩いたのか、虚ろな瞳のまま少女は焼け落ちた門の前にいた。
視線の先に大勢群がるのは、重火器を肩に携えた軍服姿の人間達。
自分の姿を認めると、下卑た嘲笑を浮かべながら
ブーツの踵を鳴らして歩み寄ってきた。
キイタ、コトガアル。
周囲を囲む、暗い影、硝煙の匂い。
ヤマヒトツコエタバショデハ、
“フンソウ” ガアッテ、
「ニゲタモノ」 トソレヲ 「オウモノ」 ガイルト。
影の隙間から、見えた光景。
誰が誰とも、判別が付かなくなった肉の塊、飛散した四肢。
ソシテ 「ニゲタモノ」 ハ、
ドコカノシュウラクニミヲカクシ、
「オウモノ」 ハ、ソノシュウラクゴトヤキハラウ。
血に濡れた人形が、地面に転がっていた、何度も何度も、踏み潰された跡があった。
カクマッタモノモ “ドウザイ” ダッテ。
自分が、あの子にあげたモノ、気に入ってくれて、いつもいつも一緒だったのに。
ナニモシラナクテモオナジ
“てろりすと” ダッテ。
野卑な手に掴まれた制服が、右袖ごと胸まで引き裂かれた。
同時に周囲から沸き起こる、人間とは想えない悍ましき笑い声。
これから何をされるか、理解は出来なかった。
ただ、落ちた制服の袖を、ぼやける瞳で見つめた。
お母さんに、見せたかったのに、あの子にも、着させてあげたかったのに。
暗闇から伸びる無数の手が、少女の心を引き千切っていった。
もう、何も感じなかった。
スベテが終わったと想った。
そのとき。
荒れた地面へ押し倒された少女に、死肉を貪る野獣のように群がっていた
男達が、動きを止めた。
突然暗い影が消え、眼を刺すような逆光が視界を充たす。
弛めたベルトを直しながら、指揮官らしき男が苛立たしげに何かを叫んでいた。
向けられた銃口、意味不明の恫喝、その先、に。
『――ッ!』
天使が、いた。
静謐な色彩を称える司祭平服と神聖な光を放つロザリオ、
縁の長い帽子で目元を隠した 『黒い天使』 が。
おそらくは止まれと言っていた兵士達の声を無視して、
その天使は仰向けに横たわる自分の傍で跪き、
纏っていた法衣をかける。
温かく、柔らかく、その振る舞いが紛う事ない慈愛に充ち充ちていた為、
止まっていた涙が一斉に溢れた。
その背後で、悪魔のような咆哮。
向けられていた自動小銃の筒口が一斉に火を噴いた。
着弾は疎か、掠っただけでも肉を骨ごと殺ぎ飛ばす残虐の嵐。
だがその数百発の弾丸は、天使のいる数メートル先の距離で音もなく停止し、
やがてバラバラと引力にひかれ落下した。
表情の伺えぬまま、悠然と立ち上がる黒い天使。
錯覚か斜陽の加減か、見上げるその姿に後光が差しているように見えた、
光の翼が拡がっているように視えた。
驚愕に畏怖に、後退る男達を天使は土塊のように見据え、
その禁断の果実を想わせる口唇から天啓の如き声で言い放った。
「貴様等に…… 『天国』 へ行く資格はない」
言葉の終わりと同時に、空間の歪むような音が少女に聞こえた、
確かに、聴こえた。
『幻 想 の 白 蛇……』
一言。
その、たったの一言。
ソレだけで、目の前の、否、集落全域に蔓延る
人の皮を被った悪魔達が一斉に叫び出した。
鼓膜を掻き毟るような、阿鼻叫喚の大連鎖。
脳裡に烙印の如く刻まれる、この世ならざる幻想。
しかし苦悶は、恐怖は、そして絶望は、
現実を遙かに超えた “地獄” となって魂を蝕み続ける。
一瞬の中に存在する永劫、
時間の概念を消失した死に至る幻想の中で、
あらゆる苦痛で溶けた精神と同様、
その者の 「存在」 も融け始めた。
旧約聖書に描かれた、頽廃の都への断罪、
その裁きを顕すかのように、
堕落した咎人の肉は大地に還る事も赦されず、
服と武器を残してこの地球上から完全に消滅した。
「貴様等の 「記憶」 は、 愚かにも 『アノ方』 に手をかけた鬼畜共にも劣らない。
“精神” を残すにも値しない……」
厳格で無情なる神の裁き、是非を問う事は赦されない、
しかしソレ故に、凜冽且つ荘厳に場を充たす雰囲気。
その威光を全身から発する天使に、少女は纏った法衣の前を合わせ
引き寄せられるように近づいた。
「君は 『引力』 を、信じるか?」
こちらに視線を向けず、残酷の大地を照らす美しい空へ問いかけるように、
天使は言った。
「人と人との間には、我々の想像を超えた力が働いていて、
それがスベテを形造っている。
この 『世界』 を、或いは 【宇宙】 すらも」
因果律? それとも運命論のような事?
どんな友愛も慰めも、今の少女には届かない、
しかし天使の発したその問いは、絶望の底にある彼女の心を動かした。
「人と人は、何故出逢うのか?
そして、何故関係のない者が 『奪われる』 のだろうか?
何が 『悪い』 のか? 誰の 『罪』 なのか?
主は、何も答えてはくださらない……」
死者への哀悼か冥福か、
天使は厳かに十字を切り惨劇の光景に深い祈りを捧げた。
「出来れば、こいつら全員、私が殺してやりたかった……!
隣のお婆ちゃん、もう一人じゃ満足に歩けなかったのに……ッ!
葡萄畑のお姉さん、この前赤ちゃんが産まれたばっかりだったのに……ッ!」
どれだけ惨たらしく殺しても、
永遠に苦痛が続く地獄に叩き落としても、
それでも尚足らないという憎しみに双眸を裂ける程に張り上げ、
罅の入ったレンズが紅涙で染まった。
「……すまない。私がもっと速く来ていれば。
私の持つこの 『能力』 でも、
失われた 「生命」 を元に戻す事だけは出来ないんだ。
本当に、一体何の為に在る能力なのか、
自分でも解らなくなる時がある」
轟々と燃え盛る猛火の中、渇いた風が少女と天使の傍を駆け抜けた。
「……でも、護ってくれた。
私の生命は、救ってくれた。
神様でも聖霊でもなく、
「人間」 のアナタが……」
見上げたその先に、宝珠のような黒い瞳があった。
こんなに綺麗な瞳を見たのは生まれて初めてだったけど、
その裡には自分と同じ深い 「悲しみ」 の色が滲んでいた。
「……さぁ、みんなを、神の御許に送ってあげよう。
私に任せてもらえるかい?
墓標を立てても、君が一人で守っていくのは大変だろうから」
静かに、少女は頷いた。
どれだけ時間をかけても、
一人一人家族と一緒に弔ってあげたかったけど、
でも、もう、誰が誰だか解らない……!
(ごめんね……みんな……)
誰にも、責める資格などあろう筈がない、
それでも少女は、犠牲になった全ての者に侘びた。
力の是非は関係ない、変えられない 『運命』 すら意味がない、
ただ、護りたかった、生きてて欲しかった。
『幻 想 の 蛇……』
先刻とは違う静謐な響きで、黒い天使はその御名を呟いた。
同時に村全体へ駆け巡る、不可視の能力。
赦されざる者への断罪ではなく、憐れぶべき者達への安らぎとして、
幻想はその亡骸を包み込む。
やがて、その肉は溶けるのではなく
天へと立ち昇る無数の光となって、
共に棚引き合いながら彼方へと消えていった。
全てがそうなるべき所に、いつか還る場所に。
「さよなら……みんな……」
“そこが” どんな場所か解らないけれど、
でももし 『天国』 というものが存在するのなら、
どうかいつまでも安らかに。
アタシは、大丈夫だから。
何も、心配しなくて、大丈夫だからね。
途切れる事なく流れる、紅い涙。
でも少女は、震える輪郭のまま空に向かって笑った。
悲しくても、苦しくても、それでも無理に眼と口唇を折り曲げた。
笑顔で、いなきゃ。元気で、いなきゃ。
これから、みんなの分まで――
“お姉ちゃん”
決して聞こえる事のない、もう二度と聞くことは出来ない声が脳裡に響いた。
続いて。
“頑張ってね、お姉ちゃん”
また別の子の声が、確かに聞こえた。
何かの、幻聴?
でもそれはすぐさま溢れかえるように、少女の心の中いっぱいに広がっていく。
「もらったお人形、ずっと大切にするからね」
「お姉ちゃんなら大丈夫!」
「明日から羊の世話……」
「みんなで買ったコレ、気に入ってくれるかな?」 「オレがやるっつってんだろ!!」
「おめでとう、お姉ちゃん」
「寂しいけど、がまんするぞ 」 「すぐ帰ってくるよね……」
「行っちゃやだよぉ~」
「また色々教えてね」 「泣かないのッ!」
「笑顔でさよなら、笑顔でさよなら、笑顔でさよなら」
「大好き、お姉ちゃん」 「いってらっしゃい、お姉ちゃん」
光の奔流のように、鮮やかに甦るたくさんの声。
決して悲しい別離ではなく、再会を約束しての温かな送別。
こんなに、こんなに、想われていたんだ。
自分が大切な以上に、もっと、もっと。
「……失われた生命は、どんな能力でも戻す事は出来ない。
しかし、君が望むなら、そう深く願うなら、
死んだ者達の “記憶だけは”
私の 『能力』 で甦らせる事が出来る」
たくさんの声に紛れて、天使の澄んだ声が聞こえた。
誰でも出来る中途半端な行為ではなく、
彼にしかできないやり方で
自分を絶望の淵から救い出そうとしてくれた。
「 『心の記憶』 は、この世でもっとも美しくそして尊い結晶だ……
どんな資産家も権力者も、力だけでは手に入れられない 『絆』……
喩え死が分かとうと、どれだけ残酷な 『運命』 が訪れようと、
ソレだけは誰も人から奪えない」
見上げた天使の掌中に、光が輝いていた。
悠久の刻を経たとしても、決して色褪せる事はないように。
「私も世界中を渡り歩いたが、
こんなに美しい 「記憶」 は滅多に視る事はない。
本当に、皆が君を大切に想い、君も皆を大切に想っていたのだね」
そう。
生活は、決して楽とは言えなかったけど、
でもみんながいたから楽しかった、
辛い事も辛くなかった。
誰かが困っていたら、助けてあげる。
たったそれだけで、毎日は温かかったから。
「……」
天使の翳した手から、光が自分に注がれた。
躰の裡を駆け巡って、全ての細胞に染み込んで、一つとなる。
これで、絶対に忘れない。
世界中の皆が忘れても、私だけは覚えてる。
みんなが此処にいた事、生きていた事、温かった事、全て。
「……約束、しよう。
もう二度と、君のような存在をこの世に生み出さないという事を。
悲しみや絶望に、人々が嘆く事なく 『幸福』 に生きられる世界を創る事を。
今はまだ無理だが、必ず “私達” がやり遂げてみせる。
全ての人間を、 『天国』 へと導いてみせる」
静謐だった天使の声が、
凍てつくほどに冷たく焼けつくほどに熱い響きを持った。
決して罪無き者の血は流さない、
しかしその 「目的」 を阻む者の血は、川の如く流す。
慈愛の中に、逸脱した狂気と執念を同時に内包していた。
しばしの静寂、斜陽が渓谷の影に消えていく帷の中、
彼は検問所に逗留している慰問使節団に少女の身柄を保護しようとしたが、
彼女は静かに首を振った。
そして。
「アナタの持っている不思議な能力。
私にも、使えるようになりますか?」
涙と共に、破瓜期の清純も全て洗い流したかのような強い視線で
少女は訴えた。
「私も、 “連れて行って” ください」
夕闇の中でも翳らない、硬質で渇いた杏色の瞳。
もう、以前の自分には戻れない。
残酷なこの世の不条理が、少女の甘やかな部分を
跡形もなく削り取ってしまっていた。
ただ、たくさんの声が、胸の裡で何度も木霊していた。
何度も、何度も。
“お姉ちゃん”
共に行く事に、当初神父は難色を示したが
少女の決意が覆らぬ事を知ると、やがて何も言わなくなった。
両親から貰った名前は、焼けた集落に置いてきた。
一緒に眠る事は出来ないから、せめて名前だけでも……
否、アノ時、 「過去の自分」 はみんなと一緒に死んだのだ。
『アイリス・ウィンスレット』 という名前は、
能力と共にアノ人が授けてくれたモノ。
地図にない場所で生まれた少女は、
『世界』 の中心を統べる者のスタンド使いとして
生まれ変わった。
やがて来る 『約束の時』
その行く手を阻む者は、誰であろうと容赦はしない。
みんなの 『幸福』 を邪魔する者、奪い取ろうとする者は、
どいつもこいつも死ねばイイ。
“アイツ等みたいに” 骨も遺さず。
自分はこの為に生かされた。
アノ人の力となり 『天国への扉』 を開く事、
それこそが、ちっぽけな肉体など超越した
大いなる 『使命』 だと少女は理解した。
「……」
星屑の陽炎。
爆砕と高熱が歪んだ空間が、徐々に戻り始める。
至る所に類焼していた火が、何もしていないのに鎮まっていく。
スタンドの持つ不思議、能力の結果が出た後は、本当に潔いほど余韻が残らない。
「死体も、遺らなかったみたいだね」
ゲームの中で敵を殺したのと同じ、無味乾燥な言葉を少女は漏らした。
正直、過 剰 殺 戮だったかなと内省したが、
『サバイバー』 が発動している状態だと流法の制御が覚束無い。
もしかしたら、空条 承太郎や花京院 典明には
『プラネット・ウェイブス』 の能力がバレたかもしれないが、
まぁそれもイイだろう。
サバイバーの効果が持続する限り、自分の優位は揺るがない。
『近距離パワー型』 と “遠隔操作型” の能力を同時に持つ
『スタンド使い』 に、一体誰が勝てる?
二つのスタンドが相互を補う形で存在する為 「弱点」 はなく、
時間を置けば置くほど効果は増大していく。
いっそのこと、ティリエル他全員を撤退させ、
最大パワーで巨大な隕石を叩き落とし
なにもかもブッ壊してやろうかとまで少女の狂熱が高まった時。
ガランッ!
平らな金属が転がり、不安定に空回りしながら籠もる残響が耳に入った。
別段、気にするような事ではない、
降り注ぐ流星の嵐により配管の一部が落下したか、
ダクトの板金が外れたかそんな所だろう。
残痕だらけの周囲の空間、些事を気にしていたらキリがない。
だが。
「……なんか、変。
なんで “あそこの床だけ” 罅割れてないの?
イヤ、別にいいんだけど、
“丁度二人分” 無傷っていうのが、なんか気になる」
金属音は、そこからした、でも原因となるような残骸は転がってない。
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ……
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ……!!
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴッッ!!
おそらく、 『スタンド使い』 でなければ感じ得ない異和感が、
少女の胸中で渦巻いた。
無論、自分の勝利を疑ったわけではないが、
改めて考察するとキレイに決まり過ぎている。
無論対峙していた二人は降り注ぐ火球により灰燼と帰したのだろうが、
無抵抗でヤられる筈がないのでその 「証」 が残っていなければオカシイ。
もがれた腕の一本、脚の一本、転がっていない。
飛び散った血、焦げた臓腑の匂い “すらしない” というのはどういうコトだ?
「……」
確証を得るには少な過ぎる状況証拠、
しかし迂闊に近づくのはスタンドバトルで自殺行為
だという事を知悉している少女は、
ボロボロになったソファーの肘掛けを掴み
固定ボルトを砕きながら片手で軽々と持ち上げた。
レンズ越しの伏せた瞳で、何もないその空間にソファーを投擲しようとした瞬間、
「――ッ!」
突如、明澄な桜色の火の粉がソコから舞い散った。
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ!!
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴッッ!!
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ!!!!
透明な空間から湧き出るように、隻眼、隻腕の淑女が片膝を付いた体勢で
長く伸びたリボンを手に姿を現す。
その華奢な躰には、大仰な白銀の甲冑が各部位に装着され
頭部もゆるゆるだが開いた目庇で覆われていた。
当然、(直撃ではないにしろ)火球の攻撃を喰らったため衝撃と高熱で
形は歪み、表面から水蒸気が立ち上っている。
しかしそこに至るまでの数秒間、
甲冑が “持つ” 迄の間に紡いだ何らかによって、
躰には傷一つ付いていなかった。
そして役目を終えたかのように、
淑女の躰を覆う甲冑が次々と脱鎧していく。
アイリスの流法を防ぎきった、死中の流式名が明らかになる。
「“桜 蓮 漆 拾 陸 式 麗 滅 焔 儀”
『四 精 霊 の 幻 想 曲・土 巫 女』 」
決意の光で充ちた赤 紫の瞳
(何故かアイリスには黄金がかって視えた)で、
淑女がそう宣告すると同時にバラリと不可思議な紋字が一斉に弾け、
“迷彩” されていたモノの本質が露わになる。
ソレは、幾重にも組み合わされたドーム型のリボン、
その表面はささくれた剣山状に屈曲しており、
一定の負荷で折れ易くなっているため
外部からの攻撃を機能的に受け流す構造と成っている。
更に操作と同時に編み込まれた変幻系自在法に拠り、
保護色の透明化機能も持ち合わせた完全防御型の焔儀。
血気盛んなシャナやマージョリーとは逆の、
多角的な戦局を見据えたヴィルヘルミナならではの自在法。
しかしその鉄壁の守備力故に編むのに時間が掛かり、
しかも今の片腕しか使えない彼女では流式が完成するまでに
討たれてしまうのだがソレを可能たらしめたのは……
「モガ……ッモガ……ッ! い、息が……」
彼女の背後で、ミイラのように全身ぐるぐる巻きにされた銀髪の騎士だった。
酸欠によるチアノーゼを起こしかけているのか、
妙にリボンが熱を持ってきたので仕方なしにパラリと顔面の拘束を解く。
「ぶ、ぶはぁッ! し、死ぬかと想った!」
滞った呼気を暴風のように吐き出し、
肺が枯渇した酸素を渇望した為
ぜえぜえと荒い息遣いを繰り返す。
「もう少し我慢してくれれば、奇襲が成功していたのであります」
「惰弱」
窒息させた鴨肉のような顔色になった青年を見据えながら、
淑女と王はシレッと告げた。
本体が生命の危機に陥った為スタンドの甲冑がズリ落ちてしまったのだが、
それを惜しいと想いつつも彼を労る敬虔さは二人にはない。
先刻、頭上から降り注ぐ隕石の嵐を、
既にして逃げ場はないと同時に判断した騎士と王女は、
天井の梁、玄武岩の柱が密集した遮蔽物の多い空間に移動し、
背中合わせの状態のままそれぞれの役割に従事した。
まずポルナレフがシルバー・チャリオッツの甲冑を脱鎧、
機動力と精密性を限界まで向上させ、
尚かつ外されたパーツはヴィルヘルミナに着鎧し彼女を守護、
そのまま降り注ぐ火球の嵐を可能な限りサーベルで弾き、
その間隙を縫って淑女は完全防御の焔儀を万全の形で発動させる。
その際さしもの騎士も全て弾き返すコトは敵わず肩を負傷したので、
過保護にぐるぐる巻きにしてドームの中へ引っ張り込んだのだ。
特筆すべきは、両者の剣と条 の技もさる事ながら、
窮地の状況で一切言葉を使わず(元よりそんな暇はないが)
視線の交差のみで策を為し得たコト。
性格も思考も何もかも対照的な二人であるのに、
その息の合った連 携は絶妙の域。
古の王女と現代の騎士。
歴史にifは禁句だが、
二人がもし同じ時代に存在していたとしたら、
一つの国の運命が変わっていた可能性は充分に在る。
否、一つの悲劇が未来への希望へと繋がるように、
この出逢いも、また……
「一つ、解ったコトがあるのであります。
空から降り注ぐ火球、隕石、でありますか?
ソレはどれだけ降り注ごうと
“貴女自身” には命中しないのであります。
先刻の狂乱の最中、貴女の躰に触れた隕石が
塵となって消えたのを確認したのであります」
「む、そうなのか? 弾くのに夢中で気づかなかった」
アナタが護ってくれたから気づけたコト、
でもまぁ、ソレは言わないでおく。
灼けて零れたサーベルの刀身、それが何故か彼の風貌と重なった。
「だったら、なんだって言うの?
能力が露見て弱体化するスタンドは山ほどあるけど、
アタシのはそうじゃない。
同じ躱し方は二度通用しない。
はっきり言って」
レンズ越しの狂暴な視線と共に、少女が淑女を指差そうとした瞬間。
「ツンでいるのであります」
「投了」
そう言った淑女の口唇に刻まれる、不敵な笑み。
同時に伸びたリボンが七本、ズラリと立ち上がり
その先端には色とりどりの瓶が巻き付けてあった。
(ま、まさか――ッ!)
「 “すたんど” の法則とやらは知りませぬが、
口が、滑りましたな」
音速のスピードでその瓶を破壊しようとした少女より一刹那、
無造作に投擲された瓶が弧を描いて宙を舞い、
即座に白条にて断ち切られる。
実際は、少女が幾ら素早い動きで瓶を破壊しても無意味、
強烈なパワーで鉄は砕けても、舞い散る 「水」 は砕けない。
バシャアッ! 罅だらけの床に撒き散られた水で 「道」 が出来、
ソレは封絶の中で静止する 『サバイバー』 本体へと繋がっている。
「しまっ――!」
少女が床を蹴り砕いて道をなくそうとする前に、
電気信号のスタンドは文字通り神経の情報伝達に比類したスピードで
明滅を繰り返しながら一挙に淑女の裡へと流れ込んだ。
「くあぅ……ッ! う、ああぁ……!!」
バジン! と体内電流が外に弾け、
その中に巣くうスタンドの幻 像が
一瞬空間に大きく映し出された。
「ヴィルヘルミナ!」
駆け巡る熱い衝撃に蹌踉めいた躰を受け止めようと、
「触らないでッ!」
駆け寄った青年を淑女は左手で制した。
「熱、い……!
コレが、 『さばいばー』 とやらの、能力、でありますか?
確かに、渇きにも似た闘争心が……!
無尽、に、沸いてくるので、あります!
“誰でもイイ” 気分なので、あります! くっ、あぁッ!」
喘ぐように叫ぶと同時に、
提肘固定されていた三角巾が乱暴に引き裂かれ、
続いて骨まで削れていた筈の右腕を動かし
左眼を覆っていた包帯を毟り取る。
「お、おいッ!? 淑女ッ!?」
普段の彼女からは想像もつかない苛烈な振る舞いに、
脇のポルナレフは発せられる熱気とは反対の寒気を感じた。
やがて大腿と下腿に巻かれた包帯も交差して引き千切った淑女は、
桜色の火の粉が混じった吐息を漏らしながら告げた。
呪縛のスタンド、 『エボニー・デビル』 につけられた疵は、
跡形も無くなっていた。
「……咄嗟の想いつきで、ありますが、
イイ、方向に転んだようであります。
身体能力が強化されるなら、
細胞の 「自然治癒力」 も高まる筈なのであります……!」
「むう……!」
自分でも、想いつかない大胆なスタンドの利用法、
相手の能力を逆手に取り、しかもそれをダメージの回復に当てるとは。
しかし、正体のよく解らない敵スタンドを裡に向かい入れて大丈夫なのか?
「諄いようでありますが、触ってはいけないのであります」
肩に差し伸ばした手が、凛とした声に止められた。
「おそらく接触すれば、アナタにもこの能力が廻ってしまうのであります。
そしてソレは 「諸刃の剣」
“今の私” は、段々正気の境目が曖昧になってきているのであります。
理性がどんどん零れていってるのに止められない、止める気も起こらない。
おそらく、最後は敵と味方の区別も付かなくなるのであります」
「そのとおりッ!」
半ば自棄になったような声が、語尾を跳ねあげて告げられた。
「このスタンド、 『サバイバー』 は確かに戦いの才能を引き出すけど、
その代償として 「理性」 は失われる。
正確には “どうでもよくなる”
DIO様が使えないスタンドって言って 「封印」 してたのはコレが理由よ。
自分の強さに自信があるヤツは、心のどこかでソレを試したいと想っているもの。
相手が友人だろうが恋人だろうが関係なくね」
亀裂のだらけの柱にもたれ、豊かな胸元で両腕を組んだ少女が
冷たい流し目で睨め付けた。
「ラヴァーズのお姉さんは、ソレが本能的に解ってるみたい。
だからアンタに触るなって言ってる。
対峙するのが “二人だけ” ならイイけど、
『三人になったら』 無差別な殺し合いになるから」
言葉の終わりと同時に、アイリスの瞳が険悪に尖る、
瞬時に移動して伸びてきた手刀をヴィルヘルミナが掴む、
踏み切りと同時に蹴り出していた水流は、開いたリボンが余す事なく受け止めた。
「この人には、触れさせないのであります」
真正面からブツかる、熱に炙られた二対の双眸。
「ったく、もぉ~、ウザイなぁ~。
他人の 「能力」 使って調子に乗るんじゃないよ!」
「それは貴女も同じでありましょう?」
「うるさいッ!」
ノーモーションで放たれた膝蹴り、
しかし大理石を内部から陥没させる威力が
淑女の白い脚線で防がれる。
弾ける衝撃と熱気、だが二の撃を少女が放つ前に、
その躰は高速で背後に投擲された。
「――ッ!?」
フレイムヘイズ “万条の仕手” が神技、
戦技無双の叛撃。
予備動作は疎か、微かに加えられた力すら感じる事の出来ない完成度。
通常の反撃と違い、相手の攻撃に 「合わせる」 のではなく、
内部の篭った力に 「同調」 し 「解放」 する複雑高等技術。
「あぁ! もうッ!」
全身を縛る重力の魔、それを無理矢理振り解いた少女は苛立たしげに吐き捨て、
ダガガンッ! と壁や天井を足場にし無数の斜角軌道を描いて飛び乗った
クリスタルテーブルを爆砕した。
「なるべく、離れて。
絶対に私や相手、そして水には触れませぬよう。
そして、もし私が正気を逸脱したら……」
「思いっ切り抱き締めても、怒られねぇかな?」
「――バカッ!」
スタンド能力とは別に、頬が赤味を帯びた。
「何がなんでも、正気を失うわけにはいかなくなったのであります」
「それもいいさ、ロマンスはフェアにいかないとな」
「すぐに散り逝く、徒花だと想うのでありますが」
「こりゃ手厳しい」
「妥当」
本当に、不思議な男性。
心をより強固に凍らせるだけだった不毛の戦場で、
何故か今自分は、怒ったり戸惑ったりしている。
とうの昔に無くしてしまった筈の感情が、次々と芽生えてくる。
まるで、何も無くして等いなかったように。
「プラネット・ウェイブスッッ!!」
怒気を含んだ喊声と共に、彼方から4つの火球がこちらに迫っているのが
ガラス越しに見えた。
「 “TANDEM!!” 」
更に眼前、少女の操るスタンドの足下から
マグマのような色彩の光が円柱状に立ち昇り、
鋼鉄を弾く感覚を伴って機動プログラムが内部に撃ち込まれる。
遠隔操作だというのに近距離パワーの威圧感を持って迫ってきたスタンドへ
騎士が対応すると同時に、火球と技術を煙幕に同時追撃へかかった少女の腕を
淑女がリボンで捉える。
猛突の矛先が換わり、大きく弧を描いて振り廻される少女は途中で
巻かれたリボンを強引に引き千切り、天井を蹴り砕いて遠心力を相殺、
バルバルッ! と旋転を繰り返し鼎立の体勢で着地した。
既にリボンを揺らめかせて肉薄する淑女の脇で、
着弾した隕石が火柱を噴き上げる。
「邪魔よッッ!!」
「(邪魔) でありますッッ!!」
裡に宿るスタンドの影響か別の理由か、
肘を軋らせ膝を拉がせる乙女二人が三度双眸から火花を散らす。
「万障ッ!」
その影響はティアマトーにまで及んだのか実に珍しく彼女が叫んだ後、
件の如く少女の躰は地表から引っ剥がされるが反射的に腕を掴まれた為
ヴィルヘルミナも自身の技にフッ飛ばされる。
上下の区別がつかなくなった乱流の中で、
そんな事すらどうでもいい両者はスタンドのラッシュと見紛う
生身の打撃戦を展開した。
およそ女同士に似つかわしくない、裸拳と裸拳が鎬を削る戦闘光景。
互いにクリーンヒットはせず、ポルナレフとは大分離れた距離で二人は対峙する。
コレで戦況はより単純に、何れかを打倒した瞬間、勝負の趨勢は決する。
溢れる闘気に脳髄を炙られながら、曖昧になっていく正気と狂気、
ソレでも確かに残る存在を背に、スタンド使いとフレイムヘイズは
再び真正面から激突した。
白く細い拳に込められた想いが、衝撃と共に散華した。
←TOBE CONTINUED……
後書き
はいどうもこんにちは。
サブタイは好きなゲームのタイトルから拝借しました。
(1は名作2は●す!)
プッチ神父の存在と最終目的から「黒い定律」みたいな意味で解釈ください。
まぁ7部の大統領と同じで、ある人は「不幸」になりますが
ある人は「幸福」になるンでしょうなぁ~・・・・('A`)
だから一概に「悪」とは言い切れませんし好きな人も多いのだと想います。
(大統領の最後のセリフとか「だまし討ち」しようとしてるのに
やたらカッコイイ)
「名作」と呼ばれるモノの要素の一つとして、
『魅力的な敵キャラ』が描けるというのはこういうコトだと想います。
ソレでは、ノシ。
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