オズのビリーナ
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第一幕その三
「あら、早速」
「言ったすぐ傍からだね」
トトが応えました。
「来たね」
「本当にそうね」
言ったビリーナ自身も言います。
「私が言ったことだけれど」
「勘でね」
「その通りになったわね」
「ビリーナって勘がいいからね」
「ええ、けれど言ったすぐとなるとね」
「意外だった?」
「少しね」
実際にというのです。
「あらまあって感じよ」
「そうなんだね」
「けれどあの子達も来たからにはね」
「そうね、それならね」
ドロシーも微笑んで、です。ビリーナに応えます。
「一緒に遊べるわね」
「そうね、何なら冒険にも行く?」
ビリーナがドロシーに聞きました。
「そうする?」
「それもいいかしら」
ドロシーはビリーナのその提案に乗りました。
「ついこの前出たばかりだったけれど」
「ギリキンに行ったね」
「ええ、貴方と一緒にね」
トトを見て言います。
「そうしたわね」
「そうだね、それじゃあね」
「ええ、また冒険に出ることもね」
「考えるね」
「そうするわ」
こうお話をしながらです、ドロシー達は席を立って恵梨香達を迎えに行きました。そして五人の子供達をお茶の間に案内してです。
ジュリアにお茶とお菓子を出してもらってです、ドロシーはその二つも楽しみながら五人に尋ねたのでした。
「今回はどうして来たの?」
「はい、実は」
ナターシャが答えました。
「何か呼ばれた気がしまして」
「それでなの」
「それもビリーナに」
テーブルの上に登っているビリーナを見ながらの言葉です。
「そんな気がしまして」
「それでなんです」
「丁度下校しようとしていたんですが」
「皆でオズの国に来ました」
カルロスとジョージ、神宝もドロシーに答えます。
「これは何かあるって思いまして」
「渦のところに皆で行きまして」
「それでなんです」
「あら、それじゃああれね」
ビリーナは三人の男の子のお話を聞いて言いました。
「私が来るかもって言ったらなのね」
「オズの国で言ったのね」
ここで聞いたのは恵梨香でした。
「そう」
「そう、あんた達が来るかもってね」
「そう言ったのね」
「そうしたらすぐに来たのよ」
「多分それね」
ナターシャはビリーナのお話を聞いて静かに頷きました、お茶を飲みながら。皆が今飲んでいるお茶はレモンティーです。
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