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Blue Rose

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第三十話 幸せの影その五

「そうしたのばかりで」
「優花らしいわね」
「私らしいっていうか」
「ティーバックとかは抵抗があるのね」
「色だと黒や紫、赤はね」
 そうした色の下着もというのだ。
「抵抗があるから」
「着けないのね」
「そうなの」
 実際にというのだ。
「私的には」
「やっぱりそうよね」
「わかる?姉さんも」
「優花の好みならね」
 その優花を見ての言葉だ。
「そうだと思うわ」
「今の私は」
「乙女みたいだから」
 くすりと笑ってだ、妹にこう言った。
「純情なね」
「だからなの」
「下着にしてもね」
「そういうのだって思うのね」
「派手な下着を着けるとは思えないわ」
 これが優子の見立てだった。
「貴女がね」
「そうよね」
「あと、実はね」
「実は?」
「お昼気が変わってトルコライス食べたくなったわ」
「ちゃんぽんじゃなくて」
「タコライスも考えてみたら本来は沖縄だし」
 だからだというのだ。
「トルコライスにしたいわ、あとチリンチリンライスね」
「それもなのね」
「食べたいわ、ただね」
「ただ?」
「卓状料理はね」
 これもまた長崎の料理だ、西欧の料理と中華料理を共に和食にアレンジして同時に卓の上に出す豪勢なものだ。
「これは今は、ね」
「高いから?」
「お金はあるけれど二人よりもね」
「龍馬もいないと」
「そう思うから」
 だからだというのだ。
「止めておくわ」
「そうするのね」
「トルコライス食べましょう」
「あれも美味しいのよね」
「有名なお店はもうチェックしてあるから」
 そのトルコライスのだ。
「食べに行きましょうね」
「ええ、じゃあね」
「じゃあ今日も観光楽しみましょう」
「姉さん今日も元気ね」 
 優花は溌剌とさえしている優子を横に見て微笑んだ。
「元気で何よりよ」
「そうでしょ、やっぱりね」
「健康第一ってことね」
「毎日運動して身体にいいものも食べてるから」
「神戸でもそうしてるのね」
「お野菜とお魚も沢山食べてるわ」
 そうしたものをというのだ。
「果物も食べてるし」
「健康に気をつかってるのね」
「貴女がいなくてもね」
「よかったわ、やっぱりね」
「健康第一でしょ」
「ええ、何といってもね」
「私もそのことはわかってるから」
 明るい笑顔でだ、優子は答えた。 
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