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レインボークラウン

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第三百七十九話

            第三百七十九話  母の言葉
 華奈子と美奈子が牛乳を飲みつつ背の話をしているとだ、そこに二人の母やはり双子にそっくりの顔の彼女が来た。
 そして二人の話を聞いてだ、こう言ってきた。
「背の話をしてるのね」
「うん、牛乳を飲んでね」
 華奈子が母に答えた。
「もっと大きくなりたいけれど」
「スタイルもなのね」
「胸も大きくなって」 
 話すことは美奈子に対するのと同じだった。
「モデルさんみたいにって思ってるけれど」
「そうなのね」
「なれるかしら」
「私はあまり、だけれど」
 今度は美奈子が母に話した。
「それでも」
「そうね、ただ双子でしょ」
 母は二人の最大の特徴であるこのことを話した、このことも二人が話していたことだ。
「外見の違う双子はね、お母さんもね」
「聞いたことがないの」
「そうなの」
「大抵似てるわね」 
 こう言うのだった。
「顔も背丈もスタイルも」
「どっちもなの」
「似てるのね」
「似てない双子なんて」
 それこそというのだ。
「思い当たらないわね」
「それじゃああたし達って」
「このまま同じ外見なの?」
 華奈子と美奈子はお互いを見つつ母に尋ねた、髪型と服装以外は完全に鏡合わせの様である。仕草も同じだ。
「大きくなっても」
「お顔も背も」
「何もかもがなの」
「一緒じゃないかしら」
「そうかも、ただあんた達の顔はお母さん似でね」
 母は自分も含めた三人の顔立ちから話した、今度は。
「この顔お母さんの母方の顔でスタイルも代々同じだから」
「お母さんもお祖母ちゃんも胸大きいし」
「今もスタイルいいから」
 実は二人の祖母は還暦を超えているがかなり若く見える、そしてスタイルもいいのだ。このことは二人の目の前にいる母も同じだ。
「じゃああたし達も大きくなったら」
「お母さんやお祖母ちゃんみたいに」
「そうかも、ただね」
「ただ?」
「ただっていうと?」
 双子は母に問うた、同時に。
 二人の母の顔は少し真剣なものになっていた、そのうえで自分の娘達に話していき当の娘達も真剣に聞いた。


第三百七十九話   完


                     2016・9・22 
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