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転生とらぶる

作者:青竹
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マブラヴ
  1503話

 各国の精鋭部隊が集められた、プロミネンス計画。
 そんな連中が集まって始まった、最後の模擬戦。
 ……その筈だったのだが、予想外な事に模擬戦開始の合図として放たれたニーズヘッグの腹部拡散ビーム砲と、ファブニールの拡散版グラビティブレスで撃墜判定を受けた機体が何機かあった。
 いや、それは正直どうよ……と思うのだが、考えてみれば一面に降ってきたビームと重力波砲だ。それを完全に回避出来るのは、それこそシャドウミラーの実働班くらいのものだろう。
 ブルーフラッグに参加しているパイロットは当然各国の精鋭ではあるが、それでも当然のように国によってはパイロットの操縦技術は大きく違う。
 例えばブルーフラッグで優勝したアルゴス小隊は当然のように全機が生き残っているし、インフィニティーズ、暴風小隊といった風に最後まで優勝争いに加わっていたチームは、こちらも全機生き残っている。
 ……ただし、最後の最後、アルゴス小隊の戦いで優勝を争っていたイーダル小隊は、当然のようにクリスカとイーニァが乗っている機体以外は全滅していたが。
 他にも多かれ少なかれ被害を受けている小隊はそれなりに多く、少しだけ俺に失望の念を抱かせる。
 この程度の攻撃、シャドウミラーの実働班だと皆が余裕の表情で回避するんだが。
 ……あ、ミネルバ隊も何気に全機がまだ生き残っているな。
 ただ、ザクウォーリアは右足に被弾判定を負っている。

「予想外に脆かったな」
『ああ。この程度の攻撃は、回避出来て当然だと、そう思っていたからな』

 スレイもまた、俺の言葉に同意するように頷く。
 そんな風に会話をしながらも、機体を地上へと降下させていき……そんな俺達に向かって、生き残っていた機体が次から次に攻撃を仕掛けてくる。
 突撃砲から放たれるペイント弾を、エナジーウィングやスラスターを使った細かな機動で回避していく。
 俺より大変なのはファブニールの方だろう。
 ……まぁ、機体の大きさで言えば全高30mのファブニールに対して、ニーズヘッグは全高15m。半分でしかない。
 しかもファブニールは横にも広く、標的という点ではニーズヘッグよりも数段上だ。
 いや、ニーズヘッグもバリオン創出ヘイロウを装備しているのだから、それなりに標的としては狙いやすかったりするんだが。
 ともあれ、今の時点ではファブニールの方が明確に狙いやすいのは事実であり、当然のようにそちらに攻撃が集中していた。
 勿論スレイもそんな攻撃を簡単に受ける筈はなく、テスラ・ドライブやエナジーウィング、スラスターといったものを使って攻撃を回避している。
 正直なところ、これが本当の戦闘であればファブニールは強力なバリアを展開しているので、攻撃をされても殆ど意味はない。
 だが……この模擬戦に限っては、バリアを装備していればそれを貫ける機体がいないし、そもそも模擬戦だけに弾頭がペイント弾だ。
 ああ、それとミネルバ隊は俺達のように最低限まで威力を落としたビームもあるか。
 ともあれ、そんなペイント弾や威力を落としたビームでシャドウミラーの機体のバリアをどうにか出来る筈もなく、バリアがありだとこっちの勝ちは目に見えている。
 だからこそ、バリアは抜きでこの模擬戦は行われており……ファブニールに限っては機体が準特機ということで、その巨体が大きく不利になっていた。

「ま、だからってスレイがそう簡単に撃破される筈もないけどな」

 地上の近くを飛びながら戦術機の攻撃を回避しつつ……身体の各所に装備されているビーム砲や重力波砲が一斉に放たれ……更には後ろ足に装備されているビーム砲も同時に放たれる。
 ファブニールを追っていた戦術機のうちの何機かは撃破判定を受け、他の何機かも小破、中破判定を受ける。
当然その間、俺も黙って見ていた訳ではない。
 殆どの戦術機が攻撃の当てやすいファブニールへと向かったが、当然全ての機体がファブニールに向かった訳ではないのだから。
 いや、寧ろアルゴス小隊、インフィニティーズ、イーダル小隊――クリスカ機のみだが――、暴風小隊の合計13機は全てが俺の方へと向かってきている。
 ……おい、何だってブルーフラッグ上位陣が纏まってこっちに攻め寄せてくるんだ?
 いやまぁ、普通に考えれば分からないでもないが。
 何だかんだと、ニーズヘッグはシャドウミラー最強だ。
 そうである以上、当然ながら生半可な相手では押さえる事が出来ない。
 である以上、ブルーフラッグ参加チームの中でも上位陣が俺に攻撃を行い、他の面子でファブニールを相手にする。……これは普通に考えれば、決して悪い選択肢ではない。
 ただ、それを俺が受け入れられるかと言われれば、首を傾げざるを得ないのだが。

「ま、挑んでくるのなら、当然迎え撃つけどな。まずは、これだ!」

 その言葉と共に、再びニーズヘッグの腹部から拡散ビーム砲が放たれる。
 だが、今回はこれだけではない。展開しているエナジーウィングから、刃状のエネルギーが一斉に放たれたのだ。
 ニーズヘッグは全高15m。それはつまり、大抵の戦術機よりも小さい。
 だが、今その小さい機体からは、周囲の目を眩ます程の広範囲攻撃が放たれていた。
 BETAとの戦いで、ニーズヘッグの能力はある程度この世界にも情報はある。
 それを見る限りだと、基本的にニーズヘッグの攻撃方法は遠距離での戦いが主なものになるという認識を持つのは当然だろう。
 事実、それは決して間違ってはいない。
 ニーズヘッグは幾つもの高い威力を持つ射撃武器が備わっており、ニーズヘッグ自身の機動力や運動性能といった形で、高速移動しながら射撃をするという……この世界のラプターと似たようなコンセプトの機体なのだから。
 いやまぁ、同じコンセプトであっても致命的なまでに性能差があったりするんだが。
 ともあれ、射撃が得意なニーズヘッグを相手に遠距離からの援護なんてしようものなら、的になって下さいと言ってるように思えるのだろう。
 俺を狙っている13機、全てが遠距離からの援護をする事なく真っ直ぐにニーズヘッグへと向かって突っ込んで来る。
 勿論向こうがこんな行為をするのは、他にも理由がある。
 周囲から無数に撃たれる突撃砲のペイント弾を回避しながら、考える。
 まず、シャドウミラー側から参戦しているのは、あくまでもニーズヘッグとファブニールが1機のみ。
 で、そのファブニールは現在他の戦術機との戦闘中であり、ニーズヘッグとの距離を詰めようとしても遠方から射撃による狙撃で撃破される心配がないというのが大きい。
 ……まぁ、スレイが本気になれば、戦術機から逃げ回りながらでもこちらに向かって狙撃するのは難しい話じゃないんだろうが。
 ともあれ、しっかりと作戦を練る時間があったのならともかく、殆ど即興で立てた作戦として考えれば、それなりに合格ラインに達していると言ってもいいだろう。

「まぁ、そう簡単にやられはしないけど、な!」

 T-LINKシステムを使ってヒュドラを動かし……向こうの攻撃を回避しながら、18門のビーム砲を放つ。
 ヒュドラから放つビーム砲というのは、ニーズヘッグの中でもかなり使用頻度が高い武装だ。
 当然ながら俺を狙っている連中もその事は理解していたのだろうが……生憎と、牽制の意味で放った最初の攻撃とは違い、今回の攻撃はきちんと狙いを付けての射撃だ。
 それも、こちらに向かってくる中でも動きの悪い機体……具体的には暴風小隊の崔以外の3機を狙っての射撃。
 勿論その3機も、有象無象に比べれば高い操縦技術を持っている。
 だが、それでも……アルゴス小隊、インフィニティーズ、クリスカ達に比べれば、どうしても1歩も2歩も劣ってしまう。
 それだけに、高い次元で動きを合わせる他の機体に比べると、どうしても動きの未熟さが見て取れた。
 結果として、それが3機の致命傷になったのだろう。ヒュドラから放たれたビームを回避出来ず、コックピット付近へと次々に着弾。撃墜判定を受ける事になる。
 そうして13機の中から3機が脱落し、残り10機。
 このまま向こうに追いつかれない速度で飛び回りながら攻撃をしてもいいのだが、それはそれで向こうにとっても面白くないだろう。
 折角の模擬戦なんだし、向こうにも多少の花を持たせる必要はあった。
 機体の速度を意図的に緩めると、それを察知したのだろう。俺を追っている機体の殆ども速度を緩める。
 ……まぁ、いきなりニーズヘッグの速度が落ちれば、怪しんで当然か。 
 だが、中にはそれを承知の上でこっちに攻め寄せてくる者もいる。
 向こう気の強さからか、タリサの機体は速度を緩めず……それどころか、更に速度を増しながら俺の方へと近づいてくる。
 その気の強さはタリサの美徳ではあるが……

「時と場合による、な」

 ヒュドラに内蔵されている小型のテスラ・ドライブとエナジーウィングを使った強引な方向転換。
 それこそ、混沌精霊の俺だからこそ可能だが、ふつうの人間がやれば間違いなく一発で意識を失う……下手をすれば命すら失ってしまいかねない、そんな動き。
 そんな有り得ない動きで、一瞬こっちの動きを見失うタリサ。
 その一瞬があれば、ヒュドラの先端から展開されたビームサーベルが一閃して、撃墜判定を与えるには十分な時間だった。
 タリサ機と暴風小隊の3人が脱落し、これで残り9人。
 次の敵はと探せば、こちらと一旦距離を取った内の何人かがこっちに向かって突っ込んで来る。
 ブルーフラッグ上位陣だけあって、その動きは咄嗟にではあるがかなり合っていた。
 だが……だからといって、こっちの攻撃をどうにか出来る程に密度が濃い訳ではない。
 いや、それは別にこいつらが悪い訳ではなく、純粋に向こうの手数が足りないだけだ。
 9機程度の攻撃でニーズヘッグを……シャドウミラーの象徴たるニーズヘッグを落とせる筈がない。
 ペイント弾を回避しつつ、ヒュドラのT.T.キャノンを発射。
 一瞬向こうが警戒した様子を見せたが、そこから放たれたビームがあらぬ方へと向かったのを見て、安堵したのだろう。
 そうして安堵しながら、再び攻撃へと移ろうとした、その時……こちらに近づいてきていたラプターの1機が真横から飛んできたビームにより撃墜判定となる。
 何が起きたのかは、そんなに難しい話ではない。
 T.T.キャノンは、T-LINKシステムによりビームを好きなように曲げる事が出来る。
 それを使い、あらぬ方へと放たれたビームを俺を狙っていたラプターの横腹に突き立てた訳だ。

「さて、そろそろ本気を出していくぞ? 残り8機、どこまで俺に抗える? ……ファントム!」

 ニーズヘッグ最大の特徴でもある武器、ファントム。
 ヒュドラから放たれたファントムは、こちらに向かって突っ込んできていた敵へと向かってビームを発射する。
 いきなり放たれたファントムに対し、咄嗟に対応しようとした点は見事と言ってもいいだろう。
 だが、それでも……残念ながら四方八方から放たれる攻撃を全て回避出来る筈もなく、しかも敵は戦術機ということもあり、防御力が非常に弱い。
 次々に放たれるビームに、一気にこっちを追ってくる機体は4機にまで減った。
 現在残っているのは、ブリッジス、クリスカとイーニァ、崔……そして残るもう1機のラプターは、アルゴス小隊との戦いの時に見た機体の動きから、レオン。
 最終的にこの4機が俺の相手となる。
 その4機の中で真っ先にこっちに突っ込んできたのは、当然のように崔だった。
 まぁ、見るからに積極的な動きを見せていたのを考えれば、これは当然なのだろう。
 だが……こちらに向かって放たれた突撃砲は、ヒュドラに内蔵されているテスラ・ドライブを使う事により回避し、あらぬ方へと飛んでいく。
 タリサの時と同じく、俺だからこそ可能だった動き。
 そうして攻撃が回避された崔に、至近距離から頭部ビームバルカンと腹部拡散ビーム砲を発射する。
 すぐ近くで撃たれたその攻撃を回避出来る筈もなく、崔の機体は撃墜判定を受ける。

「ついでだ、これも食らえ!」

 後部のヒュドラに内蔵されているメガ・バスターキャノンを放つ。
 巨大なビームが、レオンとブリッジスの機体をのみこみ、ついでにクリスカの機体も……と思ったところで、クリスカの機体はメガ・バスターキャノンの命中範囲から離脱する。
 そうして最後に残ったのは、予想外であり、ある意味予想通りともいえるクリスカ。
 まぁ、実際1機でアルゴス小隊やインフィニティーズと互角に渡り合ったんだから、当然と言えば当然か。
 だが……そんなクリスカの機体であっても、俺と正面から向かい合ってしまえば勝てる筈もなく……ヒュドラから展開した18本のビームサーベルの乱舞にあえなく撃墜判定となる。 
 それから少しして……ファブニールを追っていた他の小隊も全滅し、こうして隠しボス戦は俺達の勝利で幕を閉じるのだった。 
 

 
後書き
アクセル・アルマー
LV:43
PP:555
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1415
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.10
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    鬼眼
    気配遮断A+

撃墜数:1213 
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