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Three Roses

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第二十話 早世の家その五

「その為に我々はだ」
「はい、何かと」
「手を打っていきましょう」
「そしてマイラ様を女王に」
「マイラ様にお子を産んでもらいましょう」
「太子のお子を」
「そのお子をこの国の王に」
 マイラの次のというのだ。
「手を打っていきましょう」
「その為にもですね」
「今は賄賂を使いますか」
「ふんだんに」
「そうしていきますか」
「そうだ、金銭だけではない」
 賄賂に使うものはというのだ。
「他にも使おう」
「宝石や地位」
「財宝ですね」
「そして美女」
「あらゆるものを使いますね」
「マリー王女の側近達は仕方がない」
 彼等を味方につけることについてはだ、太子はこう言った。
「彼等には何もしないが」
「中間派ですね」
「彼等を取り込むのですね」
「我々の支持者にする」
「そうしていきますか」
「妃の支持者にすることだ」
 まさにというのだ。
「一時的でもいい、妃を支持してもらう」
「是非」
「そしてですね」
「マイラ様を女王に」
「この国の」
「そうしていこう、しかし思うことは」
 ここでまた言った太子だった。
「マリー王女の支持者は多い」
「そうですね、あの方の人気は高いです」
「貴族からも農民からも」
「手工業者、商人とです」
「軍人達からも」
「カリスマがある」
 マリー、彼女にはというのだ。
「妃にはあそこまでのカリスマはない」
「残念ですが」
「決して嫌われてはいませんが」
「どうしてもですね」
「あの方は表に出ることが極めて少ないです」
「その分人気がありません」
「暗いという印象があります」
 実際にマイラは陰気な部分の多い性格だ、生真面目過ぎるきらいもある。真面目さと陽気さをバランスよく備えているマリーとはそこで違う。
「どうしても」
「しかしマリー様は違います」
「あの方は人気が高いです」
「何もしないとマリー様が次の王です」
「そしてその次はです」
「北の王国から迎えた王子がですね」
「この国の次の王になりますね」
 このことも語られるのだった。
「北の王国の王であると共に」
「この国の基本的な考えはわかっている」
 太子は王家ではなく国全体の考えを読んで述べた。
「北の王国と島国、半島と共にだ」
「一つの国になることですね」
「最も国力の高いこの国が主導する形で」
「そう考えていますね」
「王家も諸侯も婚姻を重ねていてだ」
 それも代々だ。 
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