Three Roses
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第二十話 早世の家その二
「王はやはりだ」
「長寿してこそですね」
「そして男の方も育ってもらわないと」
「王家として続きませんね」
「どうしても」
「そうだ」
まさにとだ、太子はまた言った。
「我がロートリンゲン家が何故栄えているか」
「男子の方も夭折、早世が少なく」
「無事に育たれて」
「そして国の主、領主になられてきた」
「だからこそですね」
「そうだ、育ってこそだ」
無事にというのだ。
「人はな」
「ロートリンゲン家は代々多産ですし」
「無事に育たれる方も多い」
「しかも長寿です」
「だからいいのですね」
「そうだ、長生きしてこそだ」
まさにというのだ。
「人はな、しかしな」
「エヴァンズ家の男の方はそうではない」
「女性の方はともかく」
「そしてそれにより」
「現王もですね」
「崩御は近い、ではだ」
太子はそこから先のことも述べた。
「既に動いているが」
「これまで以上にですね」
「動きそのうえで」
「マイラ様をこの国の主とする」
「女王にしますか」
「そうする、そしてだ」
さらに言う太子だった。
「妃との間に子をもうけ」
「そのお子が、ですね」
「この国の王となる」
「そうなりますね」
「私は帝国の皇帝となる」
太子は自身のことにも言及した。
「そしてこの国は子が王となりだ」
「お子が皇帝となられれば」
「この国に他のロートリンゲン家の方に入って頂く」
「この国もロートリンゲン家のものとなり」
「そうなりますね」
「そうだ」
まさにと言うのだった。
「その為に動いているのだ、是非妃を女王にし」
「お子をもうけ」
「この国もロートリンゲン家のものにしますか」
「是非」
「その考えでこの国に来たしな、しかし思うことは」
ここでまた言う太子だった。
「マリー王女の人気は高いな」
「貴族からも民からも」
「この国のあらゆる者達からですね」
「高い支持を得ています」
「人気の高い方ですね」
「優れた側近達も多い」
太子はマリーのこのことも指摘した。
「ロドネイ公といいな」
「はい、他の方々も」
「あの方は人を見る目を持っておられます」
「よき方々を常に周りに置いています」
「何かと」
「そうだ、そしてだ」
しかもと言うのだった。
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