Blue Rose
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第二十九話 姉との再会その十四
「今お風呂出たのね」
「ええ、すっきりしたわ」
私服を着て脱衣場を出たところで会ってこう返した。
「完全にね」
「二日酔いだった?」
「結構ね」
「貴女は大体ワイン二本ね」
「三本になるとね」
「お酒残るのね」
「そうなるわね、むしろね」
優花は笑って自分から言った。
「女の子になって弱くなったかも」
「そうなの」
「ちょっとだけれどね」
「その辺りも変わったみたいね」
「体質のね」
「性別が変わって身体も色々変わったみたいね」
「そうしたところまでね」
優花も応える、そしてあらためて姉に言った。
「それでお風呂あるから」
「今から入っていいのね」
「汗かいてるし」
見れば顔から汗が滝の様に出ている、かなり速くしかも長く走っていたことがそのことから伺える。
「だからね」
「じゃあ借りるわね」
「ええ、そうしてね」
「走って結構ね」
「結構?」
「お酒抜けたけれど」
それでもと言う優子だった。
「ここでね」
「お風呂にも入って」
「身体奇麗にしてさらにね」
「お湯に入ってね」
「そこでもお酒抜いてね」
「今日はすっきりとなって」
「街に出ましょう」
こう妹に言った。
「これからね」
「それじゃあ姉さんがお風呂に入っている間に朝御飯作るから」
「有り難う」
「和食でいいかしら」
「あっ、いいわね」
和食と聞いてだ、優子は笑みになって返した。
「やっぱりお味噌汁ね」
「そう、簡単なのだけれどいいわよね」
「朝のお味噌汁は最高よ」
これが優子の返事だった。
「私も最近朝は和食にしてて」
「お味噌汁作ってるの」
「朝は忙しいから夜の残りものを飲んでるの」
「そうなの」
「だから夜も大抵ね」
「お味噌汁飲んでるのね」
「そうしてるの」
妹にこのことも話した、彼女の神戸での生活のことも。
「やっぱりお味噌汁はいいわね」
「あと卵焼き作って梅干と納豆も出すから」
「いいわね」
「これでいいわよね」
「だからいいって言ったのよ、じゃあお風呂入って来るわね」
ここまで話してだ、優子は妹に言った。
「今から」
「そうしてね、それでね」
「それで?」
「姉さんの下着の色は何なの?」
風呂場に向かう姉にだ、優子は問うた。
「今は」
「下着の色?それがどうかしたの?」
「洗濯の時に区別しないといけないから」
「そうね、そのことがあったわね」
「そう、色で区別出来るから」
どちらの下着が誰の下着であるか、というのだ。
「だから聞いたけれど、ちなみに私は白よ」
「ブラもショーツも?」
「今はね」
こう姉に話した」
「その色よ」
「私は青よ」
「ブラもショーツも」
「そう、コバルトブルーよ」
この色だというのだ。
「青でもね」
「そちらの青ね」
「白と全然違うからわかりやすいわね」
「ええ、わかったわ」
「じゃあ服は洗濯機に入れるから」
「お洗濯が終わったら行きましょう」
「街にね
二人で笑顔で話してだった、そうして。
優子は風呂に入り優花は朝食の用意に入った、姉妹は故郷から離れた長崎で久し振りの姉妹の団欒の時を楽しんでいた。
第二十九話 完
2016・7・14
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