夜間戦
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第四章
「戦闘機は相手にするな」
「それじゃあそっちは頼むな」
「そうしてくれ」
こう伝えた、そして。
マクドネルは自ら編隊を率いてだった、敵の編隊に向かった。敵機は爆撃機に向かう編隊と護衛戦闘機に向かう編隊があったが。
マクドネルは部下達にだ、夜の星の瞬きの下で言った。
「いいな」
「はい、俺達に来る敵はですね」
「別の空母の編隊が引き受けてくれる」
「だからですね」
「俺達は俺達の仕事をするんですね」
「味方を信じないとな」
それこそというのだ。
「戦争なんて出来ないだろ」
「はい、確かに」
「それは」
「だからだ、引き寄せてくる戦闘機は任せろ」
他の編隊にというのだ。
「俺達は俺達だ」
「自分達で、ですね」
「戦え、いいな」
「わかりました」
部下達は一斉にだ、マクドネルに応えた。そして。
マクドネルの編隊は爆撃機に向かう日本軍の夜間戦闘機達に向かった。敵の数は多いが彼等の上についてだった。
マクドネルは急降下攻撃を命じた、そうして急降下しつつ敵戦闘機隊に機銃掃射を命じた。F6Fの両翼から機銃が火を噴き。
日本軍の戦闘機達を攻撃する、だが。
敵もさるもので各機その攻撃を避けてマクドネル達に格闘戦を挑んできた。マクドネルはそれを見て右から来た敵機の攻撃を左に軽く旋回してかわして言った。
「敵は月光だ」
「はい、ですね」
「この形は」
双発の大型戦闘機だ、帝国海軍の夜間戦闘機だ。
「そうだ、だからな」
「それで、ですめ」
「相手は今は格闘戦を挑んでますが」
「すぐにですね」
「離れる」
そうしてくるというのだ。
「だからだ」
「はい、それならですね」
「ここはかわして」
「そしてですね」
「こっちが逆に格闘戦を挑みますか」
「月光は格闘能力は落ちる」
双発の大型故にだ、彼等のF6Fは単発のエンジンで格闘能力は月光よりも上だ。小型であることも幸いしている。
「それならな」
「はい、逆に格闘戦にもっていって」
「爆撃機に寄せない」
「そうしますか」
「この連中結構練度が高いな」
マクドネルは月光の編隊を見て彼等の練度も読んだ。
「撃墜出来たらいいがな」
「それが理想ですが」
「それが出来ないとですね」
「せめて」
「俺達の仕事は護衛だ」
それ故にというのだ。
「爆撃隊をやらせないことだ」
「だからですね」
「この連中を俺達が引き受けて近寄せない」
「それが仕事ですね」
「ああ、だからな」
それ故にというのだ。
「言ったな、死ぬなってな」
「はい、生きて帰れ」
「戦争をしていても」
「それでもですね」
「だからこいつ等に格闘戦を挑んで俺達に専念させろ」
つまり引き寄せろというのだ。
「爆撃隊に引き寄せるな」
「爆撃隊はそろそろ爆撃に入ります」
部下の一人が言った。
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