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『残骸』

作者:零那
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『朱き焔』



暗く重たい空が圧迫する。
信じないよ、君が居ない世界なんて。
早く帰って来て。
また此処で皆で語り明かそう。

君の強い瞳の奥に感じた狂気は正義の焔。
私は其れを止められずに...

君は私より先を見つめてた。
君は私より多く泣いてた。
君は私より先に逝った。

昨日の事のように、ほらまだ其処に居たよね?
いつも私をバカにするように笑ってたよね?
髪がくっしゃくしゃになるまで頭から手を離さないよね?

心から笑えるようになるのはいつだろう。
溺れかけてる日々から逃げられるのはいつだろう。

『生きるってのは誰かを憎むことじゃない』

君はそう言うけど、憎むことが生きるチカラになってた。
だから君にも出逢えたんだよ。

そう私が言うと君は泣いたんだ。
私は咄嗟に謝ったけど君は泣きながら謝り返してきた。
私は可笑しくて笑ったんだ。
そしたら君、今度はすごく怒ったよね。

そんななんでもないことが忘れられない日々になってるよ。

衝動的に逢いたくなる。
衝動的に逝きたくなる。

赤い傷痕は白くなり消えぬまま。


 
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