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HUNTER×HUNTER 六つの食作法

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023話

シャネル一行は旅支度を済ませると早速スペルカードが入手出来ると言う魔法都市マサドラに向かう為に走っていた。マサドラに辿り着く為にはまず北へ80キロ、一山越えた先にある湖へ。そこから北西へと進んで行けばマサドラに着けるという情報を手に入れている。その通り一同は走り続けている。

「はぁ~やく山賊来ないかなぁ~♪」
「見てみたいよなぁやっぱゲームなんだから正に山賊!って感じか!?」
「二人とも物騒だぞ、危険なら回避する方が良いだろうに……」
「案外下っ端気質で太ってて、でがすって言葉の最後に付けてたりな」
「なんだそれ、何処のキャラだよ?」

軽口を叩きつつ走り続けていると既に日も傾いて夕暮れになって来ていた。森林地帯を進み続けるが全員に疲労の色など全く出て居ない、一応3人の師匠なので先頭を切って走りかなり飛ばしているがしっかりと付いてきていれている。ビスケも自分達の後ろ10メートルほどをぴったりと付いてきている。

「如何するあの子、この先山賊居るんでしょ?」
「俺が付いてくるなら好きにしなって言ったんだよ。それにあの子だってツェズゲラに認められてる念能力者だぞ?」
「そうだな、シングルの称号を持つマネーハンターツェズゲラ。彼に認められるだけの力を持っている、それは確実」
「そう言う事だぜゴン、下手に気にする必要はねえって」

ビスケを心配するゴンだがそれは間違っているという指摘を受けて納得する。彼女とて自分達と立場は同じなのだから。

「(其れに……なんか違和感を感じるんだよなぁ)ちょっと飛ばすか?」
「異議無し」
「修行も一緒にしなきゃね!」
「よし、ペース上げるぞ」

そのままペースアップして森林地帯を駆け上がって行くが途中で方々から視線を感じ緊急ストップする。既に太陽も落ち夜の帳がそこら一体を包んでいる、森林地帯と言う事もあって普通の夜中よりも暗く視界も悪い。その中で木々の背後に隠れつつ此方を注視する視線達、間違いない山賊達だ。

「戦闘準備って聞くのも野暮か、来るぞ」
「「何時でも!」」
「何処でも!」
「ロックン「「「「「助けてください!!お願いします!!!」」」」」ロ、………ハッ?」

飛び掛ってくる山賊達に掛け声を上げて戦いに入ろうと思った直後、山賊達は自分達を囲うように土下座を助けを請うように言葉を上げつつ酷く咳き込んでいる。山賊の想像外の行動に目を白黒させつつ互いに顔を合わせてしまった。

「んで付いて行った結果がこれか」
「んもぅ……キルアがゲーム語で要求聞けばアイテムとか情報とかくれるって言うから少し期待したのにこれだよ」
「俺のせいか!!」
「ゴン落ち着くんだ、幾らキルアの口ぶりに乗ったとしても現状は変わらない」
「おいクラピカまでもか!?俺が、俺が悪いのか!?」
「冗談だ」

山賊達の土下座に目を白黒させてしまったが事情を聞いてみるとどうやら島の風土病に掛かってしまい苦しんでいるとの事。ゲーム的に考えれば要求してくるアイテムなどを差し出せばアイテムや情報が得られると踏んだキルアは渡しても良いと判断した。ゴン達にしても困っている人を助けるのは吝かではないので要求を聞き薬の代金として7万ジェニーを提供した。

『いやぁ喜んでいただければ』
『あっ代わりに情報とかアイテムとか貰えない?』
『『『『『………ゴホゴホッ!!!!』』』』』

何を聞いて咳き込んで誤魔化すばかり、そして起こるのは服、食料の要求。幾らゲームの設定で苦しんでいると解っていても目の前でこうして苦しまれては断りづらくそのまま持っていたカードや服など全てを渡してしまった一同。今はシャネルがバックの中(空間倉庫)から出した予備の服をサイズ調節などして着ている。

「だけど森林地帯を抜けたぜ!」

森林地帯である山を越えるとそこに広がっているのは大小様々な大きさの岩山がある岩石地帯、情報では此処には大量のモンスターが住み着いており此処を突破してマサドラに行くのはゲームをプレイするにおいてかなりの鬼門になるとの事だがこれは自分達を鍛え上げるには丁度良い。

「行くぜ!」
「ああ待てよおい!ったく子供は元気だねぇ、追うぜクラピカ」
「ああ」

先に岩石地帯へと駆け込んで行く二人を追ってシャネルとクラピカも入って行く。そして降り立つと同時に岩山に隠れ潜んでいたモンスター達が一斉に姿を表した、筋骨隆々で十数メートルはあろうかという一つ目の大巨人だ。

「ぃぃいいい!!?」
「いきなり出たぁ?!」
「おいおいマジか山よりでけぇ!?」
「こ、これがモンスターか!?」
『ウオオオオオオオオオ!!!!!』

一つ目の巨人は持っている棍棒を振り回し叩き潰そうと迫りつつ攻撃を仕掛けてくる、それを避けると続けて振り回してくる、回避する際に身体が受ける風圧。直撃するとかなり危ないかもしれない。

「このおおお!!ってありゃうわぁ!?」

やられっぱなしでは嫌と言わんばかりに右腕の拳にオーラを集中させ、そのまま巨人の頭部を殴りつけた。クリーンヒットするが巨人は全く答えていないのかそのまま反撃に転じてくる。

「ダメージ無し、一撃で動きを封じるには何処を狙うべきかなキルアにクラピカ」
「「目!!」」
「正解っだ!!」

迫ってくる巨人の振り下ろされた攻撃を紙絵の要領で回避しつつ棍棒を駆け上っていく、そのまま瞳を殴り付ける。巨人は苦しみもがく声を上げつつ煙に包まれつつカードへと姿を変えた。

「ビンゴッ!ゴン、目だ、目を狙え!」
「解った!!うらああ!!!」

言葉を聞いたゴンは早速近くに居る巨人の頭部に飛び乗りそのまま肩へと降りて瞳を殴り付けた、シャネルと同様に苦しむとカードとなっていきそれをバインダーへとしまう。

「はあああっ!!ふっはぁっ!!」

クラピカ人差指の鎖を撓らせてターゲットにした巨人の周囲の岩山を粉砕する、それに一瞬動きが止まった巨人の隙を付いて土煙と砕けた岩に鎖を紛れ込ませつつ瞳へと鎖をぶつけカード化させる。次の獲物は一瞬で動きを先読みし真っ直ぐ鎖を瞳へと突き立てた。

「そぉおらっよっと!!!」

キルアもシャネル同様に身体を駆け上っていく、捕まえようと伸ばして来る腕に逆に飛び移り続けて相手を翻弄しつつ瞳に鋭い蹴りを加えてカード化させていく。次々と襲い掛かってくる巨人を返討ちにしつつカードへとして回収していく4人を高台で見下ろすビスケは感心するように見守っていた。ゴンとキルア自体は動きに無駄が多いが、シャネルとクラピカは全く違った。

「あの二人は動き自体に無駄が多いけど中々……だけどあっちの二人は別格だわね」

視線を移した先にあるのはシャネルとクラピカの師弟コンビ、相手の動きを最小限の動きで回避してそのまま相手の急所に攻撃を加えている技術。今まで実践形式の修行を行って実力を高め続けてきたとビスケは直感した。

「一体だけ残ってたけど、カードから戻っちゃったね」
「システム説明の時に1分過ぎたらカードから戻るって言ったもんな、その通りか」
「だがモンスターには弱点があると言うのは安心だな、冷静に慎重に対処すれば倒せる」
「だな。よぉし次行こうぜ!」
「おおっ~!!」

と子供二人が声を上げた次の瞬間、それは凍りついた。目の前に現れた巨大なトカゲに。大きさは日宇t目巨人の半分にも見たいがそれでも十二分にデカい。そして舌をチロチロ出しつつ此方へと迫ってきた。

「「うわああああああ!!!??」」
「お、おい逃げるのかよ!?」
「シャネル二人は私が!!」
「こっちは任せろ!!」

二人の元へと向かうクラピカとトカゲと真正面に向かいあう。トカゲはそのまま巨体を活かしてそのまま体当たりでもするかのように突撃してくるが、それに対して一旦後ろに下がりつつゴンと同じように拳にオーラを集中させる。

「鉄塊・砕硬!!!」

迫ってくるトカゲの顎へオーラで強化された拳、それをインパクトの瞬間に身体を硬質化させて威力を倍増化させる。その一撃は流石のトカゲの体力を一気に削り目を回して引っ繰り返らせた、トカゲは目を回してカード化した。

「よし……って、そんだけ倒せるのか……?」

トカゲの説明にホクロを押しただけで気絶すると言う文章を見つけて態々あんな技を使った事を後悔しつつバインダーに収める、これは敢えて弟子達には伏せて置く事にしよう。そしてクラピカが確保していてくれた二人の元へと向かう。

「確保完了。っつうかお前ら、俺一応師匠なんだから師匠置いて逃げんなよ……?」
「いやぁごめんごめん俺、ああいう感じの奴ちょっと苦手でさ。準備してないときつくて」
「俺は単純にびっくりして、ごめんねシャネル」
「んじゃ罰として、マサドラに付くまで俺の許可が出るまで自分達でモンスターを倒す事」

それなら大丈夫!と大見得をゴンと望む所とやる気を出すキルア。そんな二人を見つつクラピカはそっとシャネルに小声で聞く。

「いいのか?」
「ああ、モンスターを倒すには瞬時に判断する力と相手を観察して考察する力がいる」
「それを鍛えるということか」
「そう言う事、お前も頑張ってモンスター倒せよ?」
「ああ勿論だ」 
 

 
後書き
一つ目巨人 №572 G-333
:シソの木から北の岩石地帯に出現。巨人族の中で最も巨大な種族。集団で行動し、ナワバリに入りこんできた生物を襲う。攻撃パターンが少なく、弱点の目を攻撃するとすぐに倒れる。

メラニントカゲ №697 E-100
:シソの木から北の岩石地帯に出現。とてつもなく巨大なトカゲで、牛を丸飲みにする。大小さまざまな斑点の中に一つだけ弱点のホクロがあり、それをかばいながら動いている。ホクロを押せば気絶する。 
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