剣聖がダンジョンに挑むのは間違っているだろうか
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第6話
前書き
ヘスティア・ファミリアの眷属(+α)で苗字不明のキャラ何名かの名前を決定しました。
決定者は以下の方です。
ルルティエ=クジュウリ
アトゥイ=シャッホロ
キウル=エンナカムイ
ノスリ=イズルハ
オウギ=イズルハ
ヤクトワルト=レタルモシリ
シノノン=レタルモシリ
エミリア=メイザース
レム=ナツキ
ラム=ナツキ
フォウル=シルトヴェルト
アトラ=シルトヴェルト
殆どのキャラが出身国を苗字としています。(笑)あと、ネコネとムネチカだけ未確定。いい案があれば感想にでもお書き頂ければ幸いです。
【視点:アトゥイ】
1年振りに実家に帰省して約半日。まさか、半日で派閥の本拠地に帰って来ることになるなんて思ってもみんかったぇ。
これも全てとと様のせいやぇ。折角、お酒でも飲みながらマッタリしよう思ってたんに、ことある毎にウチに構おうとするから鬱陶しくなって家出せざるを得なくなったんよ。
しかも、帰って来た本拠地にはテレやんや新人のベルやんだけでなく、神様も居らん状態や。一応、帰って来る前に夕食は外で済ませて来たから飢えることは無いけど、本拠地で1人っきりっていうのは暇過ぎて死にそうやぇ。
これがルルやんやレムやんならお菓子を作ったりして暇を潰せるやろうし、キウルはんやムネチカはん、ネコやんなら読書で時間を潰すぇ。
テレやんとエミやんの場合は派閥で団長と副団長みたいな立場やから、派閥関係の仕事をしそうやぇ。ヤクやんは筋トレ?
フォウやんはアトやんのことを考えて時間潰しそうやし、アトやんは『鈴虫』と対話してそうやぇ。ラムやんとベルやんは………、よう分からんなぁ~。特にベルやんとは特に会話もしてないしなぁ~。
…………よし!ここはアトやんを見習ってウチも『捩花』と対話するぇ。この隠し部屋より更に下にある勉強部屋で具象化させた『捩花』と戦っててもええんやけど、勉強部屋を荒らしたらテレやんに怒られてまうからなぁ~。
ウチがそんなことを考えとると、玄関の方からドタドタと階段を下りて来る音が聞こえてきたぇ。誰か帰って来たんかなぁ?玄関の扉が開いて、現れたのは―――
「おかえり~、テレやん」
「……アトゥイ?何でここに?実家に帰った筈……」
「とと様が鬱陶しかったから帰って来たんぇ」
「鬱陶しいって、ソヤンケクルさんが可哀想になるのでその言い方は止めてあげて下さい」
「そうけ?それより何か急いでたみたいやけど、何かあったんぇ?」
「そうです!アトゥイ、ベル君を見ませんでしたか?」
「ベルやん?ウチが帰って来てからは会ってないよ。ベルやんがどないかしたん?」
ウチがそう聞くと、テレやんはこれまでにあったことを全て話してくれたぇ。
「つまり、ロキ・ファミリアがウチらに喧嘩を売って来たんやね。で、戦争遊戯するん?」
「何で嬉しそうに聞いて来るんですか?ロキ・ファミリアが慰謝料を支払えば戦争遊戯なんてしません―――って、あからさまに残念な顔をしないで下さい」
「何や、戦争遊戯せんのかぁ~。いっぺん【勇者】や【剣姫】と戦ってみたかったんやけどなぁ~」
「……あそこには血の気の多過ぎる駄狼がいるから、戦争遊戯をする機会がまたあると思います。その時までのお楽しみにして置いて下さい」
「仕方がないぇ。……で、豊穣の女主人を飛び出したベルやんは本拠地に戻って来てないって訳やね」
「アトゥイがベル君を見てないということはそうなります。ということは――――」
「十中八九、迷宮に行ってると思うぇ」
「やっぱり、そう思いますか?」
「ベルやんは男の子やから、悔しさを胸に少しでも強ぉなろうとして行動してると思うんよ」
ウチ、そういう男の子は嫌いやないし、格好ええと思うぇ。
「けど、豊穣の女主人から直接迷宮に向かったのなら、すぐにでも追いかけないと」
「何で――あ~、そういえばベルやんの装備は斬魄刀でも特殊武装でもなかったぇ」
「はい。ギルドの支給品ナイフです。しかも、軽鎧装すら身に付けていない私服姿で潜ってることになります」
「それは流石に心配やぇ。……よし!それやったらウチが迎えに行って来るぇ」
「えっ?アトゥイがですか?」
「そうやぇ。冒険者になって半月位の子やったら無理して潜っても6階層くらい。瞬歩使えば1時間も掛けずに見つけられるぇ」
「……そうですね。私とアトゥイの2人で探せば更に捜索時間を短縮―――」
「テレやんはお留守番やぇ~」
「………何でですか?」
「ベルやんが店を飛び出したんは、テレやんの前で馬鹿にされたことも原因やと思うんぇ。せやから、テレやんが迎えに行ったらベルやんは更に傷付くと思うんぇ」
「……けど、女のアトゥイが迎えに来ても傷付くんじゃないですか?」
「ウチの場合、一時帰省してたから迷宮で会っても偶然会っただけで、迎えに来たとは思わん筈やぇ。それに上層のモンスターでも斬れば実家でのストレスを解消できるし、ウチにとっては一石二鳥なんよ」
「ストレス解消って、ソヤンケクルさんの反応はそんなに鬱陶しかったんですか?」
「年頃の娘に抱き着いて来ようとするんやもん。鬱陶しくない訳が無いぇ」
「……そうですか。それにしても」
「どうしたん?」
「あなたのストレス解消の為に斬られる上層モンスターが可哀想でなりません」
「【剣聖】に千枚切りされるのも大して変わらんと思うぇ~」
ウチはケラケラ笑いながらテレやんにそう返すと、【捩花】を手に取って迷宮のある摩天楼へと向かったんぇ。
【視点:ベル】
……店を飛び出して迷宮に潜ってからどれだけの時間が経っただろう?遭遇するモンスターを斬り伏せながら歩を進め、6階層に辿り着いていた僕は正方形状のルームで起こった怪物の宴で30体以上のウォーシャドウとフロッグ・シューターに囲まれてしまった。
囲まれてから既に15体以上のモンスターを倒しているにも拘らず、未だ残っているモンスターの数は倒した数の倍以上はいる。恐らく倒す度に壁からモンスターが生まれ、補充されているんだろう。まるで僕をここから逃がさんとばかりに……。
唯一の装備品であったギルド支給のナイフは既に折れてしまい、モンスターを利用した戦い方を続けているものの、それも長続きしそうにない。
魔石を破壊していないモンスターの死体を肉壁や肉武器として利用し振り回しているけど、肉武器ではモンスターの数を大して減らせない。
モンスターのドロップアイテムで唯一未加工でも刃物として使えそうなウォーシャドウの指刃がナイフ代わりとして使えるけど、それでも上層モンスターのドロップアイテム。未加工の状態では武器として長持ちしない。
正に絶体絶命。そんな状態の僕に予想外の援軍が現れた。ウォーシャドウに背後から襲われそうになった所をオレンジ色の服を着た濃紺の髪の女性に助けられたんだ。
「モンスターがいっぱい居るから何かと思ったら、こんな所で何しとるん?ベルやん」
「ア、アトゥイさん!?」
僕を助けてくれた女性は同じ派閥の先輩冒険者であるアトゥイ=シャッホロさんだった。
「アトゥイさんこそ、こんな所で何やってるんですか!?」
「ん?ん~。実家で嫌なことあったから家出して、ストレス発散の為にモンハンしてるんぇ」
「も、モンハン?」
「モンスターハント―――モンスター狩りの略やぇ。ストレス堪った時は身体を動かすんが一番やから、ダンジョンの上層が丁度いい所なんよ」
「そ、そうなんですか」
「そうなんやぇ。ところでベルやんは軽鎧装も装備せんと何してるんぇ?」
「えっと……、アトゥイさんと同じくモンハンです」
「そうなんけ?」
「そうなんです」
「そうけ。なら丁度ええし、一緒にモンハンしよか」
「え?」
「ベルやん、服もボロボロで武器も壊したみたいやし、このまま放っといたりしたらウチが神様に怒られてまうから、一緒にモンスター狩りしよう」
アトゥイさんはそう言いながら背後から襲ってきたウォーシャドウを振り向くことなく、手に持っている刀で斬り裂いた。
「ウチの副武装で悪いけど、これを使うといいぇ」
そう言うや否や、アトゥイさんは左腰に装備していたナイフを抜き、僕に渡してきた。その刀身は空の様に青く、一般的な武装とは異なる特殊武装であることが素人目でも一目で分かった。
「それじゃあ、気が済むまでモンスター狩りをするぇ!」
「……はい!!」
僕はアトゥイさんに背中を任せ、そう返事すると特殊武装のナイフを構え、モンスターの群れへと突撃した。この後、僕とアトゥイさんは明け方までモンスター狩りを続け、本拠地に戻ると2人揃って神様とテレシアさんから説教をされることとなる。
後書き
本編でアトゥイがベルに渡した特殊武装は斬魄刀とは別にテレシアが作った不壊属性の魔剣です。
斬魄刀作成の過程で生まれた試作品と言った所でしょうか?イメージ的にはベルセルクに登場したイシドロのサラマンデルの短剣の水ver(ウンディーネの短剣と言える代物です)
あと、ヘスティア・ファミリアの眷属は全員が卍解を習得している設定です。
原作BLEACHで卍解名未確定の斬魄刀の名前(取り敢えず、『捩花』『弥勒丸』『風死』『双魚理』『五形頭』『瑠璃色孔雀』)を募集したいと思います。
我こそは真名呼和尚であるという方は是非とも感想に卍解名をお書き下さい。(笑)
(蛇尾丸や瑠璃色孔雀の様に真名と偽名の2種類の名前を考えて頂いても構いません(笑))
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