転生とらぶる
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マブラヴ
1495話
ブルーフラッグの話は、俺の予想以上にトントン拍子に進んでいった。
やはりというかなんというか、優勝したチームが所属している国には賞品として資源を出す……というのが、大きかったのだろう。
どの小隊も本気になってブルーフラッグへの参加の準備をし始めている。
この時に無念がっていたのは、プロミネンス計画においてまだ開発途中の機体を有していた小隊か。
勿論戦えない程ではないにしろ、まだ開発中……もしくは改修中という事もあり、十分に自分達の実力を発揮出来ないチーム。
アルゴス小隊も、そう言う意味では万全ではない。
不知火弐型は、まだ初期バージョンとでも呼ぶべき状態にすぎない。
聞いた話では、このまま開発を進める事によりバージョンアップしていくらしい。
だが、その初期バージョンであっても、中々に愉快な仕様となっており、ブリッジスはこの機体を乗りこなすのにかなり手こずっている。
それでもある程度乗りこなす事が出来ているのは、やはり吹雪に乗って篁の武御雷と模擬戦を繰り広げていたからこそか。
そのおかげで、不知火弐型もアルゴス小隊の戦力として十分に計算出来る……どころか、主力的な扱いと言ってもいい。
元々ブリッジスには戦術機を操る才能があったというのは間違いないんだし、そのおかげでこうして不知火弐型を操る事が出来ているのだろう。
そんな俺の視線の先で、ブリッジスの乗っている不知火弐型がドゥール小隊の機体にペイント弾を当て、撃墜扱いとし……アルゴス小隊の勝利が確定したのだった。
「よし!」
横から聞こえた声に、視線を向ける。
そこでは予想外な事に篁が拳を握り締めて笑みを浮かべていた。
珍しいな、篁がこんなに喜びを露わにするなんて。
いや、不知火弐型がこうして実力を発揮しているんだから、嬉しくない訳がないのは理解出来る。
普段冷静な篁だけに、どうしてもその辺には違和感があった。
まぁ、それもこれもブリッジスとの仲が良好になった結果だろうが。
夕方の河原で殴り合う……って訳じゃないが、戦術機で模擬戦を繰り返す事により、ブリッジスと篁の仲は良好になっている。
それこそ、俺がこのカリンダ基地に来た当初にお互いを憎み合っているのではないかと思ってたのは何だったのかと思う程にだ。
いや、それどころか仲良くなっただけでは飽き足らず、寧ろその仲は更に進展しているようにすら見える。
そう、まるで一気に恋の炎が燃え上がったかの如く。
それでいながらお互いが奥手のせいか、その辺の進展はなく……あくまでも友人以上恋人未満といった関係だが。
いや、この場合は部下と上司以上恋人未満といった方が正確か?
ともあれ、そんな2人だけに、見ている方も苛々するらしい。
何とも甘酸っぱいやり取りに、VGが悶えているのを何度か見た。
逆に、タリサの方はブリッジスに興味があるのか、篁との関係で苛々しているのを見た事がある。
タリサは初期の頃からブリッジスを気に掛けていたというか、懐いていた? ので、それが気にくわないんだろう。
ただ、女の魅力という面ではタリサよりも篁の方が圧倒的に有利なのも間違いはない。
いや、もしブリッジスの性癖が、いわゆるロリだったら話は別だったかもしれないが。
……もしロリだったら、イーニァが色々と危なかったかもしれないな。
「あっ、いや、その、これは……ちょっと」
ようやく自分が大声で歓声を上げたのに気が付いたのだろう。篁が恥ずかしそうに手を振る。
だが、それを見ているこの場のメンバー……アルゴス小隊付きのオペレーターやイブラヒムといった面子は、そんな篁に対して生温かい笑みを浮かべるだけだ。
それでも、いわゆる嘲笑の笑みとかじゃないだけいいんだろうが。
「まぁ、無事に1勝を上げたんだし、喜んでもいいのではないか? 私もアクセルが活躍すれば喜ぶ……うーん、喜ぶ? いや、嬉しいのは事実なのだが」
俺の横で言葉を濁すスレイ。
「そこは素直に喜んでくれてもいいだろ、恋人的に」
少しだけ拗ねた気分で告げるが、そんな俺に向かってスレイはどこか呆れた視線を向けてくる。
「そうは言ってもな。1人で他の世界に赴いては何故か戦乱に巻き込まれ続けているアクセルだぞ? それも、純粋な戦闘技術という面ではシャドウミラーの中でも最強の力を持っている。そんなアクセルが多少活躍しても、ああ、そうなのか。で終わってしまうだろう」
そう言われれば、否定は出来ない。
特にここ暫くの間は、木連の無人兵器やBETAといった敵としか戦っておらず……いや、ナデシコ世界の賊軍と戦ったな。
それでも、どの戦闘も俺が活躍する云々よりも前に、お互いの戦力差が分かりきっている戦いだった。
そう考えれば、俺が活躍するというのはある意味当然なのか。
で、俺が活躍するのは当然なんだから、スレイがそんな俺の活躍を見てもいつもの事かと納得してしまう、と。
「……それ程なのですか? いえ、私もアクセル代表の戦闘が凄まじいというのはこの目で見て理解していますが」
イブラヒムの言葉に、少し疑問に思い……ふと、気が付く。
「イブラヒム、お前はもしかして中東での俺が戦った戦場にいたのか?」
「はい。正直なところ、アクセル代表やシャドウミラーの戦いは……いえ、蹂躙はと言うべきでしょうか。見ていて、心が引き込まれるようでした」
これは一応褒められてるんだよな?
ただまぁ、何故イブラヒムが俺に好意的だったのかは疑問だったんだが……なるほど、中東での戦いに参加していたのか。
中東での戦いというのも、別に1回だった訳ではない。
他に何度もあったのを考えると、そのどれかなのだろう。
それがどの戦いだったのかは、俺も聞くつもりはない。
……正直なところ、BETAとの戦いは戦いというより、イブラヒムが言う通り蹂躙戦。いや、それ以上に作業のようなものだったのだから。
そもそも、BETAの対空戦闘は光線級、重光線級に偏っている。
だが、光線級や重光線級のレーザーは、シャドウミラーの機体が展開しているバリアを貫通出来ない。
バリアのないメギロート辺りなら撃破出来るんだろうが。
ああ、それと要塞級の尻尾の一撃が射程も長いし、一応対空兵器として使えるか?
敵の攻撃はメギロート以外は一切こっちに通じないのに、こっちは空中からビームを撃てば、突撃級ですら正面から貫き、一撃で仕留める事が出来るのだ。
それが、作業にならずにどうなのかと……そう言いたくなるのも当然だろう。
「ま、それはともかくとしてだ。他のめぼしい小隊はどうなっている?」
アルゴス小隊以外には、ソ連のイーダル小隊、台湾の暴風小隊、そして以前に圧倒的な強さを見せつけたインフィニティーズ。
今のところ、めぼしいのはその辺か。
「どの小隊も勝っていますね。特にインフィニティーズは、ガルーダ小隊を模擬戦開始後3分も経たないうちに全滅させました」
「3分か」
篁の言葉に、溜息を吐く。
アルゴス小隊も勝利したとはいえ、15分程度掛かっている。
相手が違うのだから何とも言えないが、それでも5分の1の時間な訳だ。
「どの小隊を相手にするのも厄介だな」
「はい」
「アルゴス小隊と最初に当たるのは?」
「暴風小隊ですね」
暴風小隊……崔の小隊か。
何故か妙に俺に好意的な崔だったが……いや、妙にって訳じゃないのか。
きちんと理由があっての言葉だったし。
それに、台湾の近くにあったハイヴは日本やシャドウミラーが次々に占拠していった。
「強いぞ」
「はい。ですが、私達も決して負けてはいません。このまま優勝を目指します」
「……そうか」
やる気に満ちている篁に、そう言葉を返す。
他の小隊との戦いがどんな風になるのか……少し楽しみではあるな。
「頑張ってくれ」
「はい」
篁に声を掛け、部屋から出る。
この後はアルゴス小隊で祝勝パーティがある筈だ。
それに参加してもよかったんだが、何となく参加する気にはならない。
「……ブルーフラッグか」
「羨ましいのか?」
俺と一緒に部屋を出て来たスレイが、少しからかうように呟く。
「そうだな……羨ましいかどうかと言えば、羨ましいと言いたいな」
だが、自分で言うのも何だが、俺の強さは他の人間を大きく上回る。
それこそ、俺と行動を共にするというのであれば、シャドウミラーの実働班と同じくらいの実力は必須となる筈だった。
それをこの世界の住人に求めるのは、無理があるだろう。
いや、勿論この世界の人間の中にも高い操縦技術を持っている者がいるのは知っている。
例えば、崇継や恭子。
この2人が武御雷を使えば、MSとも互角に渡り合えるだろう。
そう考えれば、決してこの世界の人間の操縦技術が低いという訳ではないのだが。
「ふふっ、ならどうだ? 私と一緒に参加してみるか?」
「それはそれで面白そうだけどな。さすがにそんなわけにはいかないだろ。ニーズヘッグとシャドウがブルーフラッグに参加すれば、それだけで優勝が決まってしまう」
「違うな、アクセル」
スレイが俺の言葉を、ニヤリとした笑みを浮かべて否定する。
「うん? 何がだ?」
「ニーズヘッグとシャドウではない。ニーズヘッグとファブニールだ」
「鬼かお前は」
思わず突っ込んだ俺は、悪くない。
当然だろう。ファブニールは、シャドウの外部武装追加パーツだ。
その威力は、ナデシコ世界の戦力ではあるが、単機で基地1つを陥落させるだけの……それも殆ど余裕な状態でどうにか出来るだけの実力を持っている。
エステバリスとかは殆どなく、戦艦や戦闘機が主戦力ではあったが、それでもマブラヴ世界の戦力と比べても遜色ないだろう。
それだけの戦闘力を有する上に、それを操るのはシャドウミラーの実働班の中でも腕利きのスレイだ。
何をやるまでもなく、こちらが圧倒するのが理解出来る。
それこそ、RPGのラスボス戦後に現れる隠しダンジョンの隠しボスといった感じで。
……うん?
今の自分の思考を考え、ふと思う。
なるほど。隠しボスか、と。
RPG系とかではよくある話だし、実際にそこに存在してもおかしい話ではない。
そうなると、意外にありかもしれないな。
「……そうだな。ブルーフラッグに参加している連中に、シャドウミラーの力を改めて思い知らせるという意味でなら、面白いかもしれないな」
「本気か? いや、唆した私がこう言うのもなんだが……本気か?」
2回尋ねたのは、俺が本当にスレイの提案に乗るとは思っていなかったからか。
けど実際、俺がこのプロミネンス計画に協力しても何かやるべき事がある訳じゃない。
正直なところ、何で俺達がこのカリンダ基地に送られてきたのかというのは、疑問しかない。
俺が技術班の人間であれば、各国の計画に技術的な助言をする事も難しくない。
また、スレイも一パイロットという立場から考えれば、操縦技術とかのコツについて説明するのも難しくはないだろう。
だが……俺の場合は他と隔絶した操縦技能というのもあるが、それ以前に混沌精霊としての能力を利用して機体を操縦する事も珍しくはない。
それこそ100Gの中でも平気で動けるのだから、普通なら絶対無理なような、身体に負担の掛かる操縦も鼻歌交じりに可能となっている。
現に、普通の人間がニーズヘッグに乗ろうものなら、どんなに耐G性能を上げたパイロットスーツを着ていても、耐えられないだろう。
いや、それでもシャドウミラーは高い重力制御技術と、マクロス世界から得たISC技術のおかげで他の世界よりも圧倒的に耐G能力に関しては有利になっている。
だが、そんなシャドウミラーの面子でもニーズヘッグに乗って最大出力で動かすような真似をすれば……ガンダムWでトールギスのテストパイロットをしていたような感じで死ぬだろう。
そんな機体を操っている俺が、操縦技術に関してアドバイス出来るかと言えば……ちょっと難しいだろう。
それこそ戦術機に初めて乗ったような相手であれば、まだアドバイス出来ない事もないんだろうが、このカリンダ基地に来ているパイロットは全員が相応の技術を持っている者達だ。
……まぁ、中にはブリッジスのように実戦経験がないような奴もいるんだろうが。
「よし、その線で行くか。まずはレモン達にニーズヘッグを預けて、模擬戦で使用出来るように武器の出力を下げて貰う必要があるな」
幸いと言うべきか、ニーズヘッグの武器はほぼ全てがビーム兵器だ。
実弾なのは、フレイヤとアダマンハルパーくらいか。
フレイヤはペイント弾使用にするとしても、アダマンハルパーはどうするか。
いっそアダマンハルパーは使わないで、ビームサーベル辺りにするのもありだな。
「最初に言った私が言うのも何だが、本気か?」
着々と構想を練る俺を見てスレイが三度呟くが、当然と頷く。
「……すまない、ステラ。少しやり過ぎてしまったらしい」
スレイのそう呟く声が聞こえてきたが、俺はスルーしてニーズヘッグ隠しボス計画を考えるのだった。
後書き
アクセル・アルマー
LV:43
PP:555
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1415
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.10
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
鬼眼
気配遮断A+
撃墜数:1213
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