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Blue Rose

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第二十九話 姉との再会その二

「そこは気をつけてね」
「わかったわ、じゃあ」
「長崎で遊びましょう」
「今からね」
 二人で笑顔でだった、長崎の街に出た。まずは長崎名物の路面電車に乗った。電車はのどかに道を進んでいき。
 その中から長崎の街を見てだ、優子は言った。
「何度見ていいわね」
「長崎の街が」
「この独特の奇麗さがいいのよ」
「そうよね」
「長崎の街って複雑なのよね」
 その地形故にだ、坂道が多いので道も入り組んでしまうのだ。
「あちこちに道があって」
「曲がった道ばかりで」
「大きさも違っていてね」
「それでよね」
「ええ、建物もね」 
 道だけではなかった、路面電車から見える建物もだった。
「定まっていないわ」
「色々な建物がある街ね」
「出島があったから」
 長崎はここからもはじまる。
「そのせいで色々な国の建物があるわね」
「今の建物もあって」
「その色々なものが一緒にある奇麗さ」
「それがなのね」
「余計に奇麗なのよ」
 そうなっているというのだ。
「その長崎の街を見られてね」
「姉さんも嬉しいのね」
「ええ、ただ一人だとね」
 優子だけだとだ、今度は優花に顔を向けて言った。
「ここまでは思えなかったわ」
「私と一緒だから」
「貴女が長崎に行ってからずっと会いたかったわ」
「会えてそれで」
「一緒にこうして見られるからよ」
 長崎のこの街をというのだ。
「余計に嬉しいの」
「そうなの」
「元気でよかったわ」
 こうも言った優子だった、優花に。
「携帯でお話はしていたけれど実際に会えて確かめられたし」
「会わないと実感出来ないわね」
「そうでしょ、人は」
「それ姉さんも」
「そう、嬉しいわ」
 実際にというのだ。
「本当にね、元気でよかったわ」
「最近ずっと身体の調子がいいの」
「それは何よりね」
「ただ」
「ええ、女の子になったから」
「やっぱりね」
 このことは顔を赤らめさせて言った優花だった。
「言われて読んでいた通りね」
「それはどうしようもないの」
「身体のことだから」
「姉さんもだから」
 その性別故にというのだ、優子にしても。
「皆そうでしょ」
「それでね、いつも鞄の中に入れてもいるし」 
 そうもしているというのだ。
「用心してるわ」
「なった時は苦しいでしょ」
「血も一杯出るし」
「そうしたものなのよ」
「女の子なら誰でもなのね」
「そう、けれどね」
「誰でもなのね」
 そのことはとだ、優花は優子に話した。
「それは言われたし」
「そうでしょ、だからそういうものだってね」
「受け入れてよね」
「やっていってね」
「わかったわ、それでだけれど」
 その話からだ、優花は姉に問うた。日差しが眩しい長崎駅が徐々に遠のいていく中で。
「姉さん最初は何処に行きたいの?」
「そうね、大浦天主堂かしら」
「あそこなのね」
「そこからグラバー園に行って」
「次に中華街ね」
「そのコースで行きたいわ」
「わかったわ、じゃあ最初は大浦天主堂に行きましょう」
 優花は姉の言葉ににこりと笑って応えた。 
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