転生とらぶる
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マブラヴ
1492話
ホワイトスターからマブラヴ世界にあるオーストラリアの基地に戻り、そこから影のゲートでカリンダ基地へと戻ってきた俺とスレイは、そのままアルゴス小隊が訓練をしている場所へと向かって歩いていた。
「……全く、アクセルも相変わらず好き者だな。まさか昨夜散々私達を抱いた後、風呂でエリナに手を出しているとは思わなかったぞ」
1時間……魔法球の中で2日程過ごしたスレイは、当然のように完全復活をしていた。
そんなスレイの、どこか呆れた言葉に小さく肩を竦めて返す。
まぁ、深い口付けをしてこのままなら……ってところで、いきなりレモン達が入って来たのだから、驚いて当然だろう。
まだエリナは大勢での行為の経験も殆どないし。
……で、その結果がビンタだった訳だ。
混沌精霊でなければ、恐らく今頃俺の顔には大きな紅葉があったと思う。
「そう言えば、ラピスの件は……ルリもそんなに怒ってなかったな」
「それは、あれだろう? 昨夜しっかりと話し合ったのではないか? あの2人の部屋は一緒だし」
「そういうものか」
俺の家は部屋が余っているので、部屋が足りなくてルリとラピスを一緒の部屋にしている訳じゃない。
単純に、ルリがラピスを構いたがっているのが大きい。
何だかんだと、やはりルリは自分が姉代わりになってラピスの世話をするのが楽しいのだろう。
ナデシコにいる時は、ルリが一番年下だったしな。
年上ぶりたいのだろう。
そんな風にスレイと話しつつ、アルゴス小隊の訓練が行われているだろう場所へと向かっていると……
「へぇ」
その途中で、面白いものを見つけて思わず口からそんな声が出る。
「どうした? ……ああ、なるほど」
俺の声を聞いたスレイが、視線を演習場の方へと向けると納得したように頷く。
その演習場では、ザクウォーリアがどこかの国の戦術機と模擬戦をやっているところだった。
戦術機に合わせ、命中しても被害を与えなくなるように、極限まで威力を落としたビームライフルのビームが戦術機へと命中する。
その戦術機は、撃破判定となったのだろう。大人しく演習場から離れていく。
「どこの国だ?」
「あれは……アフリカ、か?」
「アクセルも、よく見分けられるな」
「一応、アフリカとはそれなりに仲がいいしな」
中東やアフリカといった国は、シャドウミラーに助けられた事が多く、それだけこちらに対しても友好的だ。
そんな訳で、俺がカリンダ基地で行動するようになった時、当然アフリカからここに派遣されている部隊を率いている部隊長が挨拶に来ている。
元々アフリカの戦術機パイロットは、決して腕が立つ訳じゃない。
勿論一般的なパイロットに比べれば腕の立つ者もいるのだろうが、現在このカリンダ基地に集まってきているパイロットの中では、どうしても技量は低くなってしまう。
その証拠が、現在こうして俺とスレイの視線の先で行われている模擬戦だろう。
次々にMSのビームライフルやビームトマホークによって撃墜されては、戦術機が模擬戦の空域から離脱していく。
崔の小隊とも模擬戦があるって話だったし……ミネルバ隊、大人気だな。
「この場合、ザフトを……いや、ミネルバ隊が強いと言うべきか、それともアフリカの戦術機が弱いと言うべきか。どっちだと思う?」
「どうだろうな。俺としてはミネルバ隊は強いと言いたいところだけど」
ただし、あくまでもそれは模擬戦に限る、となるが。
ミネルバ隊はザフトの精鋭部隊だが、マブラヴ世界の住人に比べて実戦経験が圧倒的に不足している。
……一応火星でBETAとの戦いはやったけど、あの戦いは殆ど一方的なものだったしな。
純粋に実戦経験という意味では、どうしても不足してしまう。
それに比べると、この世界の軍人は実戦経験という意味では、非常に高い。
「ふむ。だがまぁ、ミネルバ隊もこうしてマブラヴ世界にやって来るようになれば、実戦経験もやがて積んでいけるのではないか?」
「だと、いいんだけどな」
アフリカの戦術機が全機撃墜判定され、MSは全機生存。
そんな結果を確認してから、俺とスレイは再びアルゴス小隊の下へと向かう。
……なんなら、影のゲートを使って直接向こうに出てもよかったのだが、スレイと一緒にこうしてデート気分で歩くというのも面白いよな。
「ミネルバ隊は、純粋な実力は高い。このまま続けばそのうちより技量が高まると思う」
スレイにそう告げ、基地の中を移動し……やがてアルゴス小隊の拠点となっている場所へとやって来る。
「お、アクセル代表! プレスティ大佐も! 丁度いい時間に来ましたね」
俺達を見つけたヴィンセントが、笑みを浮かべて近づいてきた。
昨日のパーティにも参加していたようだが、そのテンションは高いままだ。
何かいい事でもあったのか?
そんな思いで視線を向ける俺に、ヴィンセントは嬉しそうに口を開く。
「来た来た来た来た、来たんですよ!」
「……来た? 何がだ?」
「あれです、あれ! ほら!」
ヴィンセントが視線を向けた方を見ると、そこにあったのは1機の戦術機。
白をベース色にされているその戦術機は、直接見るのは初めてだった。
だが、初めてであってもどことなく俺の知っている不知火の面影がある。
それを考えれば……そして、このアルゴス小隊が行っているのがXFJ計画であると考えれば、目の前にある機体が何なのかというのは明らかだった。
「そうか、これが不知火弐型か。……随分と印象が違っているな」
「ええ。まぁ、色々と改造されてますからね」
しみじみと呟くヴィンセントを見れば、どれ程この機体に情熱を傾けてきたのかが理解出来る。……うん? そうだよな、ヴィンセントは整備員なんだし、不知火弐型の開発をしてたんだよな?
もしかして、ブリッジスが乗っている吹雪の整備だけに集中していたとかは……いや、ないか。
「ほう、なかなかの機体だ。ある種の雰囲気を持っている」
スレイも不知火弐型を見て、しみじみと呟く。
自分が手を掛けたのだろう機体を褒められたのが、余程嬉しかったのか、ヴィンセントは満面の笑みを浮かべてスレイの言葉に頷く。
「そうですよね、プレスティ大佐もそう思いますか。いやぁ、正直なところ俺もここまでの機体が出来上がるとは思ってませんでしたから」
「だが……ブリッジスの準備はどうなのだ? 幾ら吹雪を乗るようになり、篁と模擬戦を行い、武御雷の……日本製戦術機の動かし方を間近で見てきたとはいっても、まだそれ程経っていないだろう?」
幾らブリッジスが戦術機の操縦について才能があっても、日本製の戦術機を完全に乗りこなせている……という訳ではない。
勿論これはブリッジスの才能云々ということだけではなく、純粋に機体特性への慣れがある。
今まで使っていたのと、似て非なる物を自由に使えというのは、どうしたってすぐには出来ない。
まぁ、XFJ計画が始まった当初から日本製戦術機を使う練習をしていたのならまだしも、きちんと日本製戦術機に合った操縦をするようになったのはつい最近だしな。
どうしたって、習練時間が足りなくなるのは仕方がなかった。
「それで、ブリッジスはどこにいるんだ? こうして不知火弐型が来たのだから、その練習はしなくてもいいのか?」
「あー……それが、その……」
俺の疑問に、言葉を濁らせるヴィンセント。
……何かあったのか?
そんな風に思っていると、不意に声が聞こえてくる。
「ブリッジス少尉、危険だと言ってるだろう! その怪我で戦術機に……それも、不知火弐型に乗るのは危険だ!」
「大丈夫だ。俺はプロなんだから、この程度はどうという事はない。何、見た目がちょっと酷いかもしれないが、それだけだからな」
篁とブリッジスの2人が、そんな風に言い合いをしながらこっちに近づいてくる。
……そして、何故ヴィンセントが言葉を濁したのかを理解した。
何故なら、ブリッジスの顔には青痣が幾つもあり、同時に腫れている場所もある。
端的に言えば、明らかに殴られた跡と言ってもいい。
「何があったんだ? 見た感じ何か大きな問題があった訳ではなさそうだが」
俺が聞くよりも前に、スレイが尋ねる。
どうやらスレイの目から見てもブリッジスの様子は気になったらしい。
「あー、実はですね。プレスティ大佐はアメリカからインフィニティーズっていう部隊がこのプロミネンス計画に参加するという話を聞いていますか?」
「その話は聞いている。……待て。話の流れから言うと、ブリッジスの傷はそのインフィニティーズが?」
「ええ、まぁ。実はそのインフィニティーズに、俺とユウヤの昔の仲間が所属していまして」
「……昔の仲間と会ったら、殴り合いになるのか?」
信じられないと溜息を吐くスレイ。
お前もそういう意味だと昔の仲間であるアイビスを裏切ってDCについてたからな?
まぁ、それも全ては兄を助け出す為であり、その後は成り行きでイスルギ重工に雇われていたといった形だったんだが。
「残念ながら、そうなんですよね。昔の仲間であっても色々とあるんですよ。特に大きいのが、ユウヤと同じ日本人とのハーフでも、向こう……レオンの方は日本人の血を引いている事に誇りを持っているって事ですか」
「ああ、なるほど」
ヴィンセントの言葉に、思わず頷く。
確かにブリッジスと似ているようで絶対に合わなさそうな感じだな。
というか、それならブリッジスじゃなくて、そっちのレオンとかいう奴をXFJ計画のテストパイロットとして引き抜いた方が良かったんじゃないか?
そうすれば、最初から日本製戦術機に関しても上手い具合に乗っていた……と思うのは、俺の気のせいじゃないと思う。
ああ、でも何だかんだとそのレオンって奴がアメリカの精鋭なのは間違いない訳で。
だとすれば、やっぱり日本製戦術機の特性に四苦八苦していた可能性はあるのか。
「ま、そんな訳で、似たもの同士だからこそお互いに仲が悪いというか、喧嘩する程仲がいいというか……ともあれ、そんな感じです」
「で、ああなった訳だ」
不知火弐型に向かって歩き続けるブリッジス。
一応軍人だけあって、多少顔を殴られているくらいで足下はしっかりとしたものだ。
それでも、本当に大丈夫なのかどうかというのは、分からない。
いや、足取りを見る限りは大丈夫そうに見えるが、殴られた時のダメージってのは表に出ない事もあるし。
……さて、どうしたものか。
そんな風に迷っている俺の気配を感じたのか、ブリッジスを止めようとしていた篁が俺の存在に気が付く。
「アクセル代表、ブリッジス少尉を止めて下さい! この傷で戦術機に乗るなんて、無理です!」
「そうは言ってもな。本人は思いきりやる気みたいだが……ここで止めれば、モチベーション的に不味くないか?」
ブリッジスの場合は、その負けん気の強さが良い方向に向かう事が多い。
……今回は、それが思い切り悪い方に向かっているみたいだが。
「アクセル代表の言う通りだ。今の俺は、やる気に満ち溢れている。だから、止めないでくれ篁中尉」
ブリッジスの視線に押されたように、1歩、2歩と後退る篁。
何だかんだと、結局ブリッジスには弱いんだよな。
いや、以前はブリッジスを嫌っていたので譲歩するようなことはなかったが、今のブリッジスはそれなりに素直に篁に教えを請うている。
結果として、それがお互いの間にあった垣根を取り払っていると言ってもいい。
それ以外にも、当然篁がブリッジスの事情を知ったというのが大きいんだろうが。
ブリッジスの父親を篁が日本人として恥ずかしいと感じたのは大きい。
ブリッジスが日本人を恨む理由を知ってしまったからな。
「ですが、アクセル代表!」
「まぁ、落ち着け。本当に何かあったら、俺がどうにかしてやる」
「……どうにか、ですか?」
「ああ」
疑わしげな篁だったが、俺が空間倉庫から1本の薬が入った瓶を見せると、首を傾げる。
まぁ、これだけを見ても分からないよな。
「これはエリクシール。ネギま世界……魔法が存在する世界で作られた、魔法薬だ。簡単に言えば、死にかけている奴でもあっという間に元気にする効果がある」
『!?』
俺の説明に、スレイ以外の全員が驚愕を漏らす。
まぁ、このマブラヴ世界に魔法は存在していないんだし、魔法の薬と言われても困るよな。
「知っての通り、シャドウミラーは魔法の存在する世界とも友好的な関係にある。それは、魔法で作った保存食とかが売られているのも分かるだろ?」
ネギま世界の魔法先生や魔法生徒が魔法によって作った食料……干し肉を始めとした各種保存食の類は、マブラヴ世界では売れに売れている。
魔法というのもあるんだろうが、やっぱり合成食ではないというのが大きいのだろう。
「かなり高級な品だけど……本気で今やらないといけないんだろう? 勿論このエリクシールは定価で売ってやるから、安心してくれ」
そう告げられ……やがてブリッジスはその場から立ち去る。
言葉で言っても分からないのなら、こうして行動で教えてやればいいんだよな。
ちなみにこの日、崔の小隊はミネルバ隊にボロ負けしてしまい、崔は悔しさのあまり俺との約束云々ではなくなるのだが……それはまた、別の話。
後書き
アクセル・アルマー
LV:43
PP:555
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1415
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.10
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
鬼眼
気配遮断A+
撃墜数:1213
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