ドリトル先生の名監督
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第十幕その一
第十幕 試合を前にして
この時先生は学園の中の動物園をいつも一緒の動物の皆と一緒に歩いていました。そのうえでライオンや像、アシカといった生きもの達を観ています。
爬虫類や両生類、鳥類も観ています。その中で。
コアラを観てです、先生は皆に言いました。
「コアラはユーカリを食べるけれど」
「主食はそれでだよね」
「他のものは、でね」
「あとユーカリって毒素もあるんだよね」
「食べたら身体の中でその毒を何とかしないといけないんだね」
「そうだよ」
その通りとです、先生は皆に答えました。
「コアラはね」
「そう考えたらコアラさんも大変だね」
「ユーカリを食べることも」
「いつも呑気そうだけれど」
「実はなんだね」
「そうだよ、この動物園にはパンダもいるけれど」
先生はこの動物についてもお話しました。
「パンダも主食は笹だけれど」
「笹は何処でもあるじゃない」
「中国でもそうじゃない」
「パンダさんは中国にいるけれどね」
「中国っていったらパンダさんよ」
「そして笹もね」
「中国っていったらじゃ」
動物の皆はパンダと笹についてこう言います、ですが。
先生はその皆にです、その笹についてお話しました。
「それがね」
「それが?」
「それがっていうと?」
「笹にもお花が咲くことがあるね」
「あっ、そういえばね」
「時々咲く?」
「言われてみれば」
皆は先生に言われてこのことを思い出しました。
「日本じゃ笹多いから見ることが多いけれど」
「たまにそうした笹があるかな」
「じゃあ中国でもね」
「笹にお花が咲くのね」
「そう、そして笹はお花が咲くと枯れるんだ」
そうなってしまうというのです。
「だからね」
「ああ、枯れたら食べられないからね」
「パンダさん達も困るわね」
「食べるものがなくなるから」
「だからその時は中国でも凄く警戒されてるんだ」
パンダは中国の人達にとってまさに象徴と言っていい位に大切な生きものの一つだからです、それこそなのです。
「笹が枯れたらね」
「その時はなんだね」
「パンダさんを助ける為に色々とする」
「そうしてるのね」
「そうなんだ、食べるものはね」
本当にと言う先生でした。
「色々とあるんだ」
「人間以外でもだね」
「僕達もだね」
「本当にだね」
「何を食べるか」
「そのことも考えないといけないんだね」
「そう、だから今回はね」
お相撲のことにもお話を向けた先生でした。
「僕もアドバイスしたんだ」
「ささみやゆで卵の白身だけだと」
ダブダブはこうしたものも嫌いではないです、何しろ美味しく食べられるのなら何でもという食いしん坊さんですから。
「駄目なんだね」
「格闘家の食事っていうけれど」
ポリネシアも言います。
「力士さんの食事じゃないのね」
「力士さんは何でもバランスよく食べる」
ガブガブは主婦的です、今も。
「他の人達も同じだけれど特にそうなのね」
「それが力士さんの身体を作る」
チーチーは今は木の上で寝ているコアラを見つつ言います。
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