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聖闘士星矢 黄金の若き戦士達

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382部分:第五十二話 地獄の猟犬その五


第五十二話 地獄の猟犬その五

「私も共に闘わせてくれ。仲間としてな」
「貴方の言葉を拒む理由はない」
 カミュは彼に対して一歩退いた形になった。
「その申し出。受けさせてもらおう」
「有り難い。それではだ」
 サガであった。彼も今また。戦場に姿を現わしたのであった。
「やはり出て来たか、ジェミニのサガ」
「サジタリアスのアイオロスと並んで居間聖域にいる黄金聖闘士達の中で最強を謳われている男」
「貴様もまた」
「私が来ることは予期していたようだな」
 サガは彼等のその言葉を聞きながら静かに言葉を返した。
「既に。その通りだな」
「如何にも」
「前の戦いのことがある」
「だからだ」
 狂闘士達はそれぞれの口で彼の言葉に答えた。
「だが。それもまた好都合」
「貴様にも既に多くの同志達を倒されている」
「それならば。わかるな」
「では来るのだ」
 サガはその彼等に対してまた告げてみせたのだった。
「私に対してもな」
「望むところだ」
「それではアクエリアス共々この雪原を墓場とさせてやろう」
「覚悟はいいな」
 彼等はさらに前に出た。そのうえで睨み合う。レダは今の状況を見てそのうえで判断を下したのであった。
「よし、まずは五人だ」
「五人!?」
「五人といいますと」
「アクエリアスには五人だ」
 こう九人の狂闘士達に告げたのである。その右手を右に切るようにして横にやったうえで指示の言葉を出してだ。そのうえでの言葉であった。
「五人行け。そしてジェミニには四人だ」
「四人ですか」
「まずはそれだけで相手をしろ」
 こう彼等に命じるのだった。
「それでいいな」
「はっ、レダ様の御言葉ならば」
「そのように」
 彼等は逆らうことなくその指示を受けたのだった。そしてその指示のまま動きそれぞれカミュ、サガと対峙するのであった。戦場はこれで二つになった。
「私には五人か」
「不服だというのか?」
「我等五人では」
「いや」
 カミュはその言葉は否定してみせた。言葉だけで。
「このカミュ、相手がどれだけいようがそれについて不服を言うことはない」
「そうだったな」
「先程もそうだった」
 それはまさにその通りだった。カミュは己の言葉に対して嘘を言うことはなかった。そのことは紛れもなかった。彼が嘘をつくような男ではないということも。
「では我等五人がだ」
「貴様の首をあげる」
 その五人から禍々しい赤い小宇宙があがった。カミュの出す黄金聖闘士の黄金の小宇宙とは全く違う、まさに狂闘士の小宇宙であった。
「まずは貴様からだ」
「そしてそのうえで聖闘士全ての首をだ」
「ならばあげてみることだ」
 その禍々しい小宇宙を見てもカミュの態度は変わらない。
「今ここでな」
「相変わらずの自信か」
「その自信も切ってやる」
「この我等が」
 今まさにカミュと彼等の戦いもはじまろうとしていた。そしてもう一つの戦いもまた。サガも今雪原において四人の狂闘士達と対峙しているのであった。
 
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