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聖闘士星矢 黄金の若き戦士達

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366部分:第五十話 雪原の中でその三


第五十話 雪原の中でその三

「全くな」
「全くですか」
「じゃあ本当に犬達はこのまま全部で」
「我々はアムンゼン探検隊とはまた違うのだ」
 彼はここで南極点に到達したその偉大な探検家の名前を出したのだった。南極点に向かう際に犬橇を使ったことで有名である。
「彼等とはな」
「やっぱり御存知ですか」
「あの探検隊のことを」
「そのことを言っているのだな」
 カミュは既に彼等が何を言いたいのか読んでいるのだった。
「その通りだな」
「はい、そうです」
「その通りです」
 すぐにこう答える彼等だった。やはりそれを考えていたのである。
「その様に数を減らさないのですね」
「そのままですか、やはり」
「そうだ。減らしはしない」
 また答えるカミュだった。
「このままで目的地まで行く」
「そして帰りもですね」
「犬達は一匹も減らさずに」
「行かれると」
 青銅の者達はそれぞれカミュに問うのだった。
「じゃあそれでですね」
「行きますか」
「それでいいのだな」 
 カミュは今の彼等の言葉を納得したものだと認識した。
「それで」
「はい、カミュ様がそう御考えなら」
「俺達に別に反論はありません」
「そういうことです」
 にこりと笑ってカミュに答える青銅の者達だった。
「それに俺達は探検隊じゃないですからね」
「聖闘士だからですね」
「それならですよ」
 こう口々に言うのであった。
「別に犬を減らしていくことはないですね」
「そういえば犬の分の食料も」
「十二分に持って来た」
 そちらも用意してきたカミュなのだった。
「既にな」
「じゃあ何の問題もありませんね」
「犬達にも」
「そういうことだ。犬達も私達もこのまま行く」
 カミュのこの考えはまさに不変であった。
「わかったな」
「ええ、聖闘士として」
「行きましょう」
 にこりと笑って述べる彼等であった。
「さて、先はまだありますけれど」
「この連中にはお世話になっていきますか」
「そうだな」
 にこりと笑って述べていく彼等であった。
「飯も食べ終わりましたしね」
「また行きますか」
「どうします?カミュ様」
「いや」
 しかしここでカミュは先に行こうとはしなかった。
「それは少し待ってくれ」
「待てっていいますと」
「何かあるんですか?」
「先程飽きてきたと言っていたな」
 その言葉をはっきりと覚えていたカミュなのだった。
「そうだったな。違うか」
「え、ええまあ」
「それはその通りですけれど」
 青銅の者達もそのことは認めて幾分申し訳なさそうに応える。
 
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