転生とらぶる
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マブラヴ
1481話
武御雷と吹雪の模擬戦が起こってから数日……それなりに大きな出来事だった為か、ブリッジスは若干ではあるが篁に対する態度も柔らかくなってきているような気がする。
俺の方は特に何か動きを見せている訳ではなく、XFJ計画の進捗状況を見守っていた。
……ああ、何もしていないって訳じゃないな。
スレイの乗るシャドウを運んだりしてるし。
そう、シャドウはアルゴス小隊との模擬戦を何度か行っている。
勿論シャドウであって、ファブニールではない。
それでも、4機掛かりでスレイのシャドウに勝つ事は出来ていない。
いや、元々勝てるとは篁も思っていないだろう。
ただ、強力な相手と戦う事でより機体の性能を引き出す事を目的としてのものだ。
特にブリッジスが乗っている吹雪は、機体制御が少しずつではあるが日本の戦術機に向いているものになってきている。
そうして、模擬戦を重ねている訳だが……結局俺がやってるのは、機体の様子を見たりとか、ホワイトスターの方に戻って技術班の面子を連れてきたりとか、そんな具合だ。
……もしかして、俺がこのXFJ計画に採用されたのって、足にされるのが目的だったのか?
いや、荷物の運搬とかもあるから、そっちも目的なのか。
これは、微妙な感じが……
うん、この辺は考えないでおこう。
ともあれ、今日もアルゴス小隊はXFJ計画の為に色々と頑張っている。
そんな中で、俺の姿が訓練場にあるのではなく基地の中を歩いているのは、ちょっとアメリカ軍の軍人と話をしていたからだ。
アメリカの方でも、現在このプロミネンス計画には興味を持っているらしい。
で、何でもアメリカからも部隊を派遣する事になったとか。
まだそれ程数が多くないラプターを運用する部隊、アメリカ陸軍の中でもトップエリートが揃っている、インフィニティーズとかいう連中が。
実際、ラプターは武御雷やタイフーンには劣るが、決して性能が低い機体ではない。
純粋にこの世界の技術だけで作られた戦術機として考えれば最高性能を持っているだろう。
それだけに、今回のプロミネンス計画に参加させてシャドウミラーの技術を少しでも吸収したい……といったところか。
ともあれ、そんな具合にインフィニティーズが来るのでよろしく頼むという挨拶だった訳だ。
正直なところ、俺にそんな事を言われてもな……ってところなんだが。
そういうのは、出来ればエザリア辺りに言って欲しい。
別にこれは、外交関係の問題じゃないと言われればそうなるんだが。
ともあれ、そんなつまらない話を終えた俺は基地の中を歩いていたんだが……ふと、道の近くに転がっている物を見つける。
それは、どこかで見た事がある熊のヌイグルミ。
……ミーシャ?
そう、間違いなくその人形はイーニァが持っていたミーシャだった。
いや、俺に人形の細かな違いとかは分からないから、実際にはそれがミーシャじゃない可能性も十分にあるんだが。
けどこのカリンダ基地にいる軍人で、熊のヌイグルミを持っているような奴がどれくらいいる?
……まぁ、実は何気にヌイグルミを集めるのが趣味だという奴がいてもおかしくはないが。
少し前ならまだしも、今のマブラヴ世界はその程度の余裕はある。
だが……それでも俺が知ってる限り、ミーシャのような熊のヌイグルミを持っているのはイーニァくらいだ。
そしてイーニァがミーシャを大事にしているのは、以前一度会っただけでしっかりと理解している。
それこそ、道上に放り出して他の場所に行く……という事は、理解出来ない。
「何かあった?」
念動力を使ってミーシャを浮き上がらせ、手元へと持ってくる。
周囲の様子を確認し……
「いやぁ、止めて、止めてよう、クリスカ……」
「イーニァ、大丈夫。大丈夫だから。……貴様等、何故こんな真似をする! 私達は同じソ連の軍人だろう!」
「はっ、良く言うぜ。こんな平和な場所でチャラチャラしてる奴がよ!」
「全くだ、大体あたいらをソ連なんて国と一緒にして欲しくはないね」
聞こえてきたのは、明らかに言い争いの声。
そして片方の声には十分に聞き覚えが……うん、名前で呼んでいるし、間違いなくイーニァとクリスカの声だろう。
一瞬どうするかのか迷うが、すぐに声の聞こえてきた方へと向かって足を踏み出す。
正直、ソ連軍との関係を思えば、ここで関与せずに放っておいた方がいいのかもしれない。
だが、シャドウミラーが作ったこのカリンダ基地でこんな真似をされるのは面白くないし、何よりラピスを養子に迎えたこともあって、イーニァのような小さな子供が何らかの被害に遭っているのを見過ごす事は出来ない。
小さく溜息を吐き、ミーシャを空間倉庫に収納してから声の聞こえてきた方へと向かって走り出す。
ものの数秒と掛からず、言い争う声が聞こえている場所へと到着する。
そこで見たのは、何人かに抑え込まれて軍服をナイフで切り裂かれようとしているクリスカの姿と、後ろから羽交い締めにされているイーニァの姿だった。
少しだけ驚いたのは、イーニァとクリスカに絡んでいるのは男だけではなく女もいたという事だ。
それも、まだ10代半ば程度の年齢のようにすら見える。
それでも、そこで何が行われようとしているのかはすぐに理解出来た。
まさか、俺の……シャドウミラーの基地の中でこんな真似をするとはな。
「キーラ、そいつを使ったらしっかりと基地の、誰からも見える場所に放り出そうぜ! エリート様が素っ裸で、しかも犯されたままで放り出されるんだ。きっと皆喜んでくれるよ!」
「はははは、それはいいね。トーニャも面白い事を考えるな」
「やめて! クリスカを離してよ! 何でこんな真似をするの!?」
「うっせぇっ! エリート様には俺達の気持ちなんて絶対に分からねえんだよ!」
「おい、イリーナ。そいつも剥いちまえよ」
「おいおい、あんたこんな小さいのがいいのか? ちょっと引くぞ」
「うるせえな。小さいからって穴があれば一緒だろ」
「うわ、変態だ変態」
「ま、待て! イーニァには何もするな!」
「うっせえぞ! お前は人の心配より前に、自分の心配をしろよな!」
聞こえてくる叫び声と顔が殴られたのだろう音。
……溜息を吐き、どうしたものかと考える。
このまま見逃すという手はないが、そうではなくどうやって助けるかと。
まさか魔法をここで使う訳にもいかず……いや、使ってもいいのかもしれないが、それよりも手っ取り早いものがあった。
近くに落ちている石……それも指先程の小さな石を拾うと、クリスカの軍服を脱がそうとしていた男へと向かって投げる。
出来る限り力を抜き、殺さないように手加減をしながら。
正直なところ、このマブラヴ世界での俺達の影響力を考えれば、一人や二人……それもこんな真似をしている奴を殺したところでどうとでも出来る。
だが、ソ連に対して妙な借りを作るのも遠慮はしたい。
だからこそ、こうして手加減をして石を投擲した訳だ。
空気を斬り裂く音と共に真っ直ぐ飛んでいった石は、そのままクリスカを襲おうとしていた男の手へと当たる。
そして周囲に響いたのは骨が砕ける音。
……一応死なないように手加減はしたんだが、それでも手の甲の骨が砕けるのを止める事は出来なかったらしい。
ただまぁ、手首から先そのものが肉片と化すよりは、マシだろう。
「痛ぇっ! くそっ、誰だ!」
男が叫びながら骨が砕けた手を押さえながら叫ぶ。
同時に、自分達が攻撃をされたというのに気が付いたのだろう。周囲で囃し立てていた奴等も、それぞれ武器を手にして周囲を警戒する。
そんな中に、俺は進み出る。
そうすれば当然向こうも俺の存在に気が付き、こちらに意識が集中した。
「誰だ、てめえっ!」
男の一人が叫ぶが……どうやら俺の顔は知らないらしい。
一応このマブラヴ世界の中で俺の顔は結構知られてるんだけどな。
こうして見る限り、この場にいる全員が俺の事を知らないらしい。
「さて、誰だろうな。正義の味方……というんじゃないのは確かだが」
正義の味方という言葉に、ふと衛宮の姿を思い出す。
Fate世界で最終的にアーチャーとなった正義の味方……もしここに衛宮がいれば、どうしたんだろうな。
何となくそんな事を考えていると、こちらの態度が気にくわなかったのか、俺を囲んでいる一人が叫び声を上げる。
「ふざけるな! あたしらにこんな真似をして、ただで済むと思ってるんじゃないだろうね!」
女がナイフを手に叫ぶ。
その武器の取り回しは、それなりにさまになってはいるが……だからこそ、質が悪いのも事実だ。
「どうだろうな。寧ろこの場合、お前達が俺にそんな態度を取ってただで済むと思っているのか?」
「んだと、こらぁっ!」
別に挑発をするつもりはなかったのだが、その一言で頭に来た男の一人がナイフを手にして俺に襲い掛かってくる。
このマブラヴ世界では当然なのか、脅しの目的ではなく太股を刺しにきていた。
だが……マブラヴ世界の住人としてはある程度のレベルではあるかもしれないが、シャドウミラーとして見れば10点程度の動きでしかない。
俺の太股へと向かってナイフを振り下ろしたその動きを利用し、手首を捕まえてそのまま力を込める。
瞬間、手首の骨が折れる音が周囲に響き渡り、その音を鳴らした本人の口からは痛みによる絶叫が吐き出された。
「がああああああああああああああああああああっ!」
「うるさいな、ちょっと寝てろ」
砕けた手首を掴んだまま男の身体を持ち上げ、地面へと叩きつける。
何だか肩の辺りから骨の折れる音がした気がするが、命を奪っていないし、その辺は許容範囲だろう。
「このクソ野郎が、何しやがる!」
女の1人が怒声を上げながら掛かってくる。
ただし、掛かってきたのはこの女1人ではない。
他にも2人、女とタイミングをずらすようにしながら俺の方へと向かって迫ってきている。
焦った状態であっても、仲間との連携は忘れていない。
恐らく長い間このメンバーでBETAと戦ってきたのだろう。
見た感じ、全員がまだ10代半ば程度の年齢だが……だからといって、このマブラヴ世界ではそれを許容出来るような余裕はなかったというところか。
それでこんな真似をしてもいいとは思わないが。
仲間を壊されて完璧に頭に血が上っているのか、俺に向かってくる女の目にあるのは完全なる殺意だ。
最初に俺に襲い掛かって来た男は、それでもまだ太股を狙っていた。
……いやまぁ、太股には太い血管があるし、そこを傷つけられれば普通に出血多量で死ぬんだが。
それでも太股を刺された程度では、死ぬまで時間が掛かる。
その間に手当てをすれば、死なないで済むのは間違いないだろう。
特にこのマブラヴ世界は長年BETAと戦ってきただけあって、医療技術という面で言えば異様な程に発達している。
もっとも、それはあくまでも怪我に対するものに対してであって、病気とかの方はそこまで進んでいないんだが。
まさに必要は発明の母って奴だな。
そんな状態ではあっても、今俺を狙っている女のように首をナイフで切るような真似をすれば、治療は難しい。
それだけの殺意と共に、俺へと襲い掛かって来た女に対して……俺がやったのは、ナイフの一撃を回避し、そのまま胴体へと蹴りを入れる。
本気の一撃をここで出せば、女を吹き飛ばすんじゃなくて、女の胴体を砕いてしまうので、当然ここでも大分力を抜いて、だ。
そうして吹き飛ばされた女は、そのまま背後へと飛んでいき……
「ぎゃっ!」
時間差を付けて俺に襲い掛かろうとしていた相手へとぶつかった瞬間、悲鳴を漏らす。
うん? 何だ?
残るもう一人が顔面目掛けて繰り出してきた拳を回避しながら、様子を見る。
すると、地面に倒れた女から血が流れているのが分かった。
そして女がぶつかった男の手には、刃が血に染まったナイフが……
それを見れば、何が起きたのかは十分に理解出来た。
つまり、吹き飛ばされた女とぶつかった時、男のナイフが女に突き刺さったのだろう。
戦術機のパイロットスーツを着ていれば、ナイフ程度で致命傷を負う事はなかったかもしれないが、今は普通の軍服だった。
勿論軍服の中には防刃、防弾の効果を持った奴もあるのだが、少なくてもこいつらの軍服にそんな効果はなかったらしい。
腰から血を流しているのを見ながら、懲りずに俺の顔へと向かって拳を振るってくる男の一撃を回避し、そのまま顎へと軽い一撃を放つ。
拳を通して顎が砕ける感触があり、そのまま男は地面へと崩れ落ちる。
今の感触からすると、相当長い間……下手をしたら一生固いものを食べる事は出来ないだろう。
ともあれ、これで俺に襲い掛かってきた奴の大半を無力化した。
クリスカやイーニァを押さえているのを合わせて、まだ5人残っているが……さて、どうしたものか。
向こうもこっちがただものではないと判断したのか、警戒の態度を解かない。
取りあえず俺が最初に……と思ったところで、不意にこっちに近づいてくる足音が聞こえてくる。
「おい、一体何をしている!」
そんな風に声を掛けてきたのは、今まで俺が相手をしていたのとそう代わらない10代半ばの女だった。そして……
「これは一体、何事だ?」
もう1人は20代後半から30代前半と思われる女だった。
後書き
アクセル・アルマー
LV:43
PP:555
格闘:305
射撃:325
技量:315
防御:315
回避:345
命中:365
SP:1415
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.10
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
鬼眼
気配遮断A+
撃墜数:1213
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