moon light fantasy
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フォラスの思惑
前書き
さてさてフォラス君を上手く書けてる自信はないですが……。
今回も短めです。
振りかぶった大斧が当たる……その瞬間。俺はとっさに叫んだ。
「「トランス!フォルツ・レープリカ!」」
眩しい光に包まれるフォルツ。次の瞬間、夢幻剣で大斧を受け止める。両者に強い衝撃が襲いかかる。
「……!」
「……く⁉︎」
フォルツはその衝撃を利用して後ろに飛ぶ。そしてあるのはもちろん壁。
「……?」
アマリが一瞬手を止める。そして次のフォルツの行動を察したのか。再び大斧を構え直す。
一方のフォルツは壁を使ってキックして……俗に言う壁キックでアマリに詰め寄る。
「くらえ……!」
「……!でぃーちゃん!」
そうして再び合わさる両者。2人の周りに衝撃波が舞う。
一方は大斧による……おそらくアマリの力による衝撃波。もう一方はトランスしたフォルツの衝撃波。
2人の力は拮抗していた。それは別の次元とも言えるレベルで。
「……。ここまでかな?」
そうランによる槍の攻撃をかわしたフォラスがそう呟いた。フォラスはそのままランと距離を取ると薙刀をバトンの様に回す。
そうしてふとして舞うのは花吹雪。花吹雪によってフォラスの姿が見えなくなる。
「逃がすかーーー!」
そう言ってランは槍を花吹雪に向かって突きつけるが見事にそのまま槍は空を切る。
そしてそのまま花吹雪はアマリとフォルツを飲み込む。
「アマリ。ここは一回引こうか?」
「え?まだこいつぶっ殺してないですよ?」
「うん。そうだね。だけど今回は殺しきれないからまた別の機会にしよう?今度はもっと楽しく殺す事が出来そうだからね。」
「むーーー……。フォラス君がそう言うなら……。」
そうして花吹雪はアマリの姿を覆い隠す。フォラスは夢幻剣をアマリのいたところに切りつけるがアマリの姿は消えていた。
「ははっ。『夢幻の剣』フォルツ・レープリカ。君は本当にやっかい者みたいだね。最初は君から殺していくね。」
「……。」
フォラスの声がそう響きわたり。花吹雪が忽然と消えたと思うとその場に残されたのはフォルツとランだけだった。
「旋律の奏者フォラス。それと惨殺天使のアマリだね。まったくめんどーな人に目を付けられたね。」
「ランなんなんだ?あいつらは?相当な手練れだったぞ。」
フォルツがそう問いかけるとランは先生口調で説明し始めた。
「あの2人はアリスも言ってたけど。裏の業界ではその名を知らぬ人がいない有名な暗殺者コンビです。ばり最強の暗殺者と言っても過言じゃないね。」
「……最強の暗殺者か。」
フォルツはそう呟くと夢幻剣をしまい街の方を見る。
「フォルツ!」
街の方から来たのはギルドの人々とアリスだった。どうやら援軍を連れてきたらしいが。
「……。あいつ分かってたな。」
「んー?うん。そうみたいだね。」
フォルツの呟きをきいてランはそう言って相槌を打つ。
フォラスは分かっていた。どのタイミングで援軍が来るかどうか。ただ……。
「ん?どうしたの?フォルツ。」
「……。いや。なんでもない。」
その援軍のタイミングが分かっていたフォラスが俺たちの力量を図り間違えるだろうか?本気で殺しにかかってきたのならあの時アリスを逃しはしなかっただろう。
これは……何かの布石……?
「と、考える頃だろうね?」
「フォラス君どうしたんですかー?いきなり。」
「いや?アマリ。今回の殺しはなかなか楽しそうだと思ったからね。」
「???」
「一撃……。
強敵を倒す時は一撃で敵の急所を付く必要がある。だから。
狙わせてもらうよ。フォルツ。君の急所を。」
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