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聖闘士星矢 黄金の若き戦士達

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331部分:第四十五話 激突の果てにその三


第四十五話 激突の果てにその三

「それはある」
「そうか。あるのか」
「俺の切り札とも言うべき技」
 そしてこうまで言ってみせてきた。
「それがある」
「しかしそれは出さない」
 アルデバランはここでドーマの言葉をいささか先読みしてみせてきた。
「そういうことか」
「その通りだ。タウラスよ」
 あらためてアルデバランを見据えての言葉であった。
「ここではな」
「次に我々が闘う時にか」
「その時は必ずやって来る」
 確信している言葉であった。
「その時にあらためて見せよう」
「いいだろう」
 そして今の言葉も平然と正面から受けるアルデバランであった。
「それではその時に見せてもらおう」
「俺はその時に貴様を必ず倒す」
 ドーマはそのアルデバランを見据えて断言してみせた。
「必ずな」
「それはこちらも同じこと」
 アルデバランも返してみせてきた。
「モロクよ、貴様はこのアルデバランが倒す」
「貴様程の相手にはこれまで会ったことがない」 
 やはりドーマはアルデバランを高く評価していた。少なくとも戦士として敬意は持っている。それを出してみせてさえいる言葉であった。
「だからこそだ」
「それは俺も同じことだ」
 また言葉を返すアルデバランであった。
「では。その時にこそ」
「貴様を倒す」
 決着をつける、ではなかった。
「必ずな」
「ではまた会おう」
 アルデバランは断言したドーマに対してまた告げた。
「別の場所でな」
「それが聖域かそれとも」
「トラキアか」
 彼等のそれぞれの本拠地である。
「どちらかで会おう」
「その来たるべき時に」
 ここまで話を終えるとドーマは。轟音と共に慌しく姿を消そうとしていた。
「この勝負は引き分けだな」
「それしか判断しようがないだろう」
 この意見は二人共同じであった。
「我々はどちらも傷付けることができなかったのだからな」
「その通りだ。どちらもだ」
 そうなのであった。彼等は技を打ち消しあった。そしてお互いに対してダメージを与えることができなかった。まさに引き分けとしか言いようのない状況であった。
「そういうことだな。ではな」
「うむ」
 これでドーマは姿を消した。後には二人の激闘の後で完全に崩壊した空中庭園があるだけだった。その有様が戦いのことを物語っていた。
「終わったか」
「これでな」
 後ろにはアイオロスが来ていた。アルデバランは彼に少し顔を向けて述べた。
「ここでの戦いは終わった」
「そうか。ここではだな」
「戦いはまだ終わってはいない」
 アルデバランはドーマとの会話からこう言わざるを得なかった。
「まだ。これからと言ってもいいかも知れない」
「その通りだ」
 そしてアイオロスはアルデバランのその言葉に対して頷いてみせた。
「狂闘士達との戦いはまだまだこれからだ」
「まだまだか」
「その通りだ。既に四人の黄金聖闘士が出陣した」
 アルデバランも入れて、ということである。
「だがそれでも尚だ」
「まだトラキアにはエリスが控えている」
 今そのトラキアを取り仕切る復讐の女神のことだ。あの聖域に乗り込んできた赤い髪に青い肌の恐ろしい美しさを持つ女神である。
 
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