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聖闘士星矢 黄金の若き戦士達

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313部分:第四十二話 空中庭園その五


第四十二話 空中庭園その五

「誰だ、ここにいる狂闘士達を率いているのは」
「モロクです」
 アルゲティはそのアルデバランの問いに対してすぐに答えた。
「あのモロクのドーマです」
「そうだ。あの男だ」
 ここでまた言うアルデバランであった。
「あの男は罠なぞ一切仕掛けはしない」
「断言しますね、また」
「敵だっていうのに」
 青銅の者達にはそれは疑問を抱くべきものにも思えるのだった。
「どうしてそこまで言えるんですか?」
「敵だったら何をしてくるかわかりませんよ」
「では聞こう」
 今度は青銅の者達に対して問うアルデバランであった。
「御前達は俺をどう思うか」
「俺っていいますと」
「アルデバラン様ですか」
「そうだ。この俺だ」
 他ならぬ彼自身のことであった。
「俺が罠を仕掛けるように思えるか」
「いえ、まあそれは」
「全然ですけれど」
 彼等は口々にこう述べたのだった。
「アルデバラン様が罠なんて」
「絶対にないですよ」
「それと同じだ」
 ここでまた言うアルデバランだった。
「俺は戦うにあたって決して罠は使わない」
「そうですね。それは」
「有り得ませんよ」
 彼等もそれはよくわかることであった。何故ならアルデバランのことをよく知っているからである。だからこそわかることなのである。
「それよりも正面から戦われますよね」
「それも堂々と」
「姑息な策なぞ何の役にも立ちはしない」
 これこそがアルデバランの考えであった。
「圧倒的な正面からの力の前にはな」
「だからですか」
「罠は用いられないと」
「姑息は力に敗れる」
 まさにアルデバランそのものの考えであった。
「何にもならないものだからな」
「ふむ。確かに」
「アルデバラン様ならば」
 策を弄しても何の意味もない、確かにそう思えるものがあった。
「その通りですね」
「それはわかります」
「それはあの男も同じだ」
 またこう言うアルデバランだった。
「それはな」
「!?というとあのモロクは」
「アルデバラン様と同じく」
「そういうことだ」
 アルデバランの言葉には何の疑念もなかった。ドーマという男を完全にわかっている、そのことまでもがはっきりとわかるものであった。
「だからこそだ。行くぞ」
「はい、それでは」
「戦いの場へ」
「うむ」
 彼等が足を踏み出す。すると。
「待つのだ、聖闘士達よ」
「理由は言わずともわかろう」
 狂闘士達、それもインプ達であった。今まさに空中庭園に入ろうという彼等の前に夥しい数の彼等が姿を現わしてきたのであった。
「ここで貴様等を食い止めてみせる」
「覚悟するのだな」
「生憎だが」
 その彼等に対してまず応えたのはモーゼスであった。
 
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