サトシ「25歳」〜理想と現実の先にあるもの〜
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ポンポン
サトシ:「、、いっ、、、おっ、、」
ヒカリ:「ちょっとっ、変な声出さないでよっ」
ポンポン(消毒の綿)
サトシ:「その消毒、結構効くなぁ、、」
ヒカリ:「傷が深いから仕方ないでしょ?
普通の消毒液よっ」
ポンポンっ
サトシ:「ふぅん、、、おっ、、、」
サトシの反応が気に触るヒカリだったが、
そのまま手当てを続けた。
ヒカリ:「それにしても
結構やられたわねっ、、、。まさか
ニューラと真っ向から勝負したの?」
ポンポン
サトシ:「俺はしてないよっ。俺は
カラカラを守るのに必死だったから」
ヒカリ:「そっかっ、、、。
だからカラカラもサトシを守ったのね!」
サトシ:「えっ?」
ヒカリ:「サトシの事助けたんでしょ?
カラカラっ」
ポンポンポン
サトシ:「あぁっ!
、、、確かにあいつは俺を守ってくれた!
逃げろって言ったのに、
あいつは逃げなかったんだぜ!?」
ヒカリ:「へぇ〜〜♪、、偉いわね!
包帯巻くわよっ」
グルグルグル(包帯)
サトシ:「バトルだって、あのニューラと
張り合えたんだ!、、あいつは絶対に
強くなる!」
ヒカリ:「へぇー(驚)四天王と
張り合ったなんて凄いわね!、、、」
サトシ:「気がついたら穴から
カラカラが出て来てさっ、
骨を指でこうっ、、グルグル〜って回して
れいとうビームを防いだんだ!」
ヒカリ:「えっ!、そんな事できたの?」
サトシ:「あれには驚いたっ。
あいつ、本当はバトルした事
あるんじゃないかって思ったなっ!」
ヒカリ:「ふぅん、、、最初見た時は
そんな風に見えなかったけど、
ポケモンも人も見かけによらないのねー、、、」
サトシ:「あぁ!ヒカリも全然
手当て出来るように見えなかったけどな!
それにもビックリだ!」
ヒカリ:「ちょっとそれどう言う事!?」
ギュウッ(綿押し付け)
サトシ:「ぎゃっ!、、、
でもまぁ、結局、決着がつかないまま
ここ(研究所)に戻ってきたけど、、、
次は絶対勝ってやる!」
ヒカリ:「、、、」
サトシ(あれ?、、、言っちゃマズかったかな)
ヒカリ:「、、、でも、、、」
サトシ:「、、、えっ?」
ヒカリ:「、、、でも、
、、、あまり無茶しないでね?」
ヒカリは急に声色が変わった。
サトシ:「、、無茶なんてしてないさ!!
それに、、、」
ヒカリ:「分かってる、、、分かってるわよ。
、、、そのくらいしないと、
何も進まないんだよね?それに、
カラカラやエレク達も、サトシが守らなかったら
捕まってたと思うし、、、それは分かってる」
サトシ:「、、ヒカリ、、、」
ヒカリ:「、、、ただ、、、サトシだけで
無茶するのはやめてね?あの時だって、
あたし達の身元を隠す為に1人で
立ち向かって行ったんでしょ?」
サトシ:「えっ?、、、」
ヒカリ:「助けに行けるのに
助けられない状況なんて、、、嫌なんだからっ」
ヒカリは手を止め、下を向いた。
サトシ:「、、、それは俺も同じだよ」
ヒカリ:「、、、えっ?」
サトシ:「カントー新時代計画を知って、
ヒカリが帰って来る前にヒロシ達から
聞いたよっ、、、。
体が凍結しそうになったんだって?」
ヒカリ:「あっ、、、でもあれは急に」
サトシ:「俺が孵化施設から
もっと早く切り上げていたら、ワタルさん達に
攻撃される前にヒカリ達を守れたっ」
ヒカリ:「でもっ、あの時は
サトシにだって作戦が、、」
サトシ:「”あと少しでも遅かったら”、、。
ヒカリが帰って来る前に、ずっとその言葉が
頭の中をよぎった、、、」
ヒカリ:「サトシ、、、」
サトシ:「さっきはヒカリに会わす顔がなくて
すぐ部屋に戻ったけど、、、俺はもう決めたっ」
ヒカリ:「、、、決めたって何を?」
サトシ:「俺はもっと強くなる!
強くなって、絶対に守ってみせる!
ヒカリの事も、みんなの事も!」
ヒカリ:「サトシ、、」
サトシ:「俺が強くなればカラカラ達も
バトルで傷つかないし、ヒカリだって
危険な目に合わせなくて済むだろ?
だから俺は強くなるんだ!」
ヒカリ:「、、、」
サトシ:「四天王にもシルフにも、
俺達は絶対に勝つ!、、、もうこれ以上、
大事なものを失わないようにな!」
ヒカリ:「サトシ、、、(笑顔)」
前向きなサトシの言葉が、ヒカリを
元気づけた。
サトシ:「あれ?、、”強くなる”って言ったの、
旅の時以来だなっ、、、。まさか自分で
またそのセリフを言うとは思わなかったぜ!」
ヒカリ:「、、、クスッ、、、そうね!
あたしも、もっと強くなるわ!!
強くなりましょ!みんなで一緒に!!」
サトシ:「あぁ!みんなで助け合って
いこうぜっ!!」
ヒカリ:「うんっ!!」
パーンッ(ハイタッチ)
また一つ、サトシとヒカリの絆は強くなった。
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