Ｂｌｕｅ　Ｒｏｓｅ

「そうなってもね」
「女の子として」
「生きてね」
「そうさせてもらいます」
「それと君はね」
　岡島は優花にさらに言った、今度言ったことは何かというと。
「性格は凄くいいから」
「そうですか」
「そう、そのことはとても大きいよ」
「性格がいいことは」
「そう、凄くいいよ」
「誰からも嫌われない、ですか」
「僕が思うに嫌われたことは少ないね」
　優花自身に尋ねた。
「そうだね」
「あまりそうしたことはないです」
「それは君自身にとってとてもいいことだよ」
「僕自身にとって」
「嫌われるとやっぱり何かと辛いんだ」
　自分自身にとってというのだ。
「いざって時に助けてもらえなかったり陥れようとしたりする人が出来るから」
「自分を追い詰めることになりますか」
「性格に問題があるとね」
　かえってというのだ。
「そうなるんだ」
「そうなんですね」
「だから君のその性格はね」
　まさにというのだ。
「君にとってとてもいい財産だよ」
「性格自体がですか」
「そう、財産になるよ」
「性格が悪いと自分が困る」
「周りと共にね」
「敵を作るからですか」
「そう、作らなくていい敵をね」
　それ故にというのだ。
「だから性格はいいに越したことはないよ」
「そうなんですね」
「君は真面目で優しくて素直で穏やかだから」
　これだけの美徳を備えているからだというのだ。
「嫌われることはないよ、それに」
「それに？」
「意地悪でもないし陰口とかも言わないね」
「はい、そうしたことも」
　優花にとってはだ。
「姉さんも違いますし」
「そう、君の姉さんもね」
「性格悪くないですね」
「男勝りなだけだよ」
　優子はというのだ。
「彼女も性格はいいよ」
「悪い人じゃないですね」
「お酒を飲み過ぎるだけでね」
　そこはよくないにしてもというのだ。
「性格はいいね、君の姉さんも」
「そうですよね」
「そこは姉さん似だね」
「私は」
「全然似ていないけれど」
　外見も一見した性格もというのだ、このことは優花がまだ男だった頃から多くの者にそれこそ生前の両親からも言われていたことだ。
「それでも実はね」
「私達は似てるんですね」
「性格の根はね」
　それがというのだ。
「そっくりだね」
「そうなんですね」
「裏表がないところもね」
　このこともというのだ。