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ヨハンだがこんな状況を覆す

作者:刀の道
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電波少女ラクス


 デコイをアルテミスへ射出して、慣性航行で進行しているアークエンジェル。

 「ふー……」

既にアークエンジェルには、アルテミスが落ちた情報が伝わっている。
だがアークエンジェルはいまだ。補給もままならず、敵の目を掻い潜りながら進まねばならない。

 「アルテミスが落ちたってことは、敵さんはそっちに向かってくれたか」

 「しかし我々の艦がいない事には、既に気が付いているでしょう」

 「そうね、時間との勝負ってところかしら」

一応ヨハンの部下という形で母艦運営に関わっている、学生組には既に。
避難民へは過度な期待を持たせないため、月の基地につくまで安心させる発言はしない様伝えている。

 そんな学生組の中の一人。フレイ・アルスターだが…

 「ほらほら、遅いぞ。もっと素早く走れ走れ!」

背後からヨハンに、軍刀を振り回され死にもの狂いで走っていた。
眼から謎の怪光線を放ちながら、迫る超人から必死に逃げるフレイ。

 「ちょっとー!毎回思うけど、なんでその武器取り上げられないのよ!!」

 「日ごろの行いがいいからだ!」

誰も彼の軍刀を没収していいですか?と聞けないだけである。
フレイは基本的には、体力作りの日課の後。
マードック等に工具や、資材を教えてもらい。
他は食堂の戦士に料理を教わる。食堂ではもっぱら皿洗いだが。

 彼女も彼女で、一応新鮮な日々を楽しくは感じているようだし。
周りに置いて行かれまいと、日夜頑張っているのだ。
そしてヨハンの事で悟った事は、彼の前で不用意な発言はしない方が長生きできる。という一つの教訓だった。

 「って感じでね…。もう、サイ!聞いてる?」

 「ははは。フレイ、ヨハンさんは厳しいけど優しい人だよ」

 「そうそう、色々教えてくれるし」

 「でも宇宙服と命綱だけで、外の空間に出されて戻ってこいってのは怖かったな」

サイとトールは笑いながら、ヨハンについて語るが。
その後のカズイの言葉に目が遠くなる。
彼らは死の恐怖を体験するという名目で、外に放り出され。自分の力で生還しろと言われたのだった。
キラは少し抗議をした様だが、帰ってきた答えは

 「死の恐怖を知り、乗り越えなければ生き残れない。それが戦場だ」

と一喝されたと言う。キラも経験はあるようで苦笑いだったが。

そんな会話をしていると、管制室から連絡が来た。

 「これより、目の前のデブリベルトから物資を補給します」

 「よし。キラと俺はMSに乗って周囲を警戒しよう」

 「フラガ大尉以下、クルーは皆ワークローダーで収容を急ぐぞ」

 「「ハッ!!」」

休憩時間の合間に作られ、避難民とも一緒に作った折花を献花し、作業を開始する。
みな痛々しい光景に、胸を痛めながらも。生きるため作業を行い、祈りも同時に捧げた。


 「どうやら、つい最近に戦闘が起きていた様だな」

警戒に当たっている二人が目にしているのは、ボロボロの2隻の船。
それらを見ていた時。レーダーが敵影を感知する。
即座にデブリに隠れ、補足した位置を確かめる。
強行偵察型のジンがいたのだ。

そのジンも作業をしている。ワークローダーに気が付き、銃を構えようとしている。

 「運がなかったな」

それまでの一連の動作を見ていたヨハンは、敵がそこまで腕の良いパイロットではない事に気が付く。
ツインビームライフルを2発撃つだけで、ジンのど真ん中に命中させ。脅威を排除した。
一方キラも、何か発見したらしく。ポッドを抱えていた。

 「あのヨハンさん、これ…」

 「アークエンジェルで中身を確かめるしかないな」

 「わかりました」

 「一旦戻るぞキラ」


――――――――――――――――――

 「つくづく君は、落とし物に縁があるらしいな」

 「空けますぜ」

その声に、銃を構える兵士たち。
だが……。

 「恐らく銃は要らないな。この大きさだと人ひとり分しかない。
 要人には違いないが、戦闘の能力はないだろう」

 「それは何か確信は?」

 「兵士として優秀なら、最初から出撃している。そして破壊された船が2隻という所だ」

 「成程な。戦闘隊員をわざわざ余らせる事は、あちらさんもしないな」

その言葉に銃を持つ者は、銃口を下げ出方を見る事にする。
マードックも一応の結論が出たとして、ハッチを開ける。

 「ハロー、ハロー?ハローラクス!」


能力は低いが、間違いなく外見はハロだった。
しかもピンクである。

 (タチハロにピンク…無いな)

 「ありがとう。ご苦労様です」

中からは、ラクス・クラインが出てきた。
彼のエイプリル・フール・クライシスを決定した、シーゲル・クラインの娘だ。
凡そ10億程の人間を殺した父親を持つという気持ちは、ないのであろう。
まぁでなければ、戦争中に慰問等しないだろうな。

 「あら?あらら?」

体が流れていくラクスを掴んだキラ。
そのキラの制服を見て。

 「あら?これはザフトの艦ではありませんのね」

そんな言葉にラミアスとナタルは

 「ふぅ~…」

 「はい?」

と片方は頭を痛め、もう片方は唖然としているのだった。


 「ポッドを拾って頂いて、有難うございました」

アークエンジェルのある一室。
そこがラクス・クラインに仮で与えられた部屋であり。
ムウ、ラミアス、ナタル、俺がこの娘と話しをする場所となっている。

 「私はラクス・クラインです」

 「それは既に知っている」

 「あ、こちらはお友達のピンクちゃんです」

 「は~……」

 「やれやれ…」

あまりの天然具合に頭を痛める俺達。

 「クラインね~。かの、プラント現最高評議会議長もシーゲル・クラインと言ったが…」

 「あら、シーゲル・クラインは父ですわ。ご存知ですの?」

 「当たり前だ。君の父は何億人もの人間を殺す決定を下した人だからな」

そんな事等知らなかったのかわからないが。ラクスは驚いている様子だ。

 「はー。そんな方がどうしてここに?」

 「私ユニウスセブンの追悼慰霊のための、事前調査に来ておりましたの」

その後詳細が彼女から話される。
地球軍の船と出会った事。揉め事に発展し、争いが始まった事等をだ。

 「なんてことなの…」

 「だが君も迂闊だな。戦争中にも拘わらず呑気に慰霊等」

 「まぁ何故ですの?」

 「君が真に彼らの魂の安らぎを願うなら。戦争が終わり平和になる様努力せねば。
 戦争をやっているかぎり、安らげるはずもないのだからな」

まぁ墓の傍で何か月もドンパチやってる時点で、ただの建前なんだと感じるがな。

 「それは…そうですわね」

 「おいヨハン!」

ムウが少し言い過ぎだろうと言った具合に、詰め寄ってくるが。

 「彼女はプラントではアイドルらしいが。このまま籠の中の鳥のような状態では、利用されるだけだろう。
 大事なのは彼女が平和を願っているなら。どうしたいか、どうしたら良いかだ」

 「取りあえず貴方は、しばらく拘束されますが…」

 「仕方ありませんわ。お仕事ですもの」


ラクスについて決まった頃。彼女にフレイから食事が渡される。
フレイは当初難色を示していたそうだが、サイ達に
「ヨハンさんにバレたらヤバイよ」と言われ、彼女は自身の警報が鳴っている事に気が付き。
持って行った様だった。

 「フレイも、もう少し柔らかくなればな…」

 「そりゃ難しいよ。お父さんがガチガチらしいし」

 「俺らの両親とか大丈夫かな~…」

アークエンジェルが補給を済ませ、月を目指し始めた頃。
プラントの方でも、艦隊が彼らを追いかけ始めていた。  
 

 
後書き
ヨハンは新人を宇宙にバンジーさせる。
Fate/goを夏ぐらいから始めたのですが、☆5がナイチン女史、モーさん、ネロ・プライドですね。
嫁王は2枚引いて宝具がLv2になりました。
槍と馬が☆4がいなくて困り物ですね。

ちょっと更新ペースが落ちます。
書き溜めができればいいんですが、インスピが湧かないと書けないんですよね。 
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