聖闘士星矢 黄金の若き戦士達
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。
ページ下へ移動
28部分:第二話 黄金集結その六
第二話 黄金集結その六
「決してな。あの者達を誘い出し。そして」
「そして」
「倒せ」
今度は一言であった。
「わかったな。では行くがいい」
「わかりました。それでは」
八人の中の一人がエリスのその言葉に応えた。
「では我等は今よりローマに向かい」
「そこに来た黄金聖闘士達を迎え撃ちましょう」
「頼むぞ。他の者は今はこの宮殿に待機しておけ」
「はっ」
「それでは」
他の者達はエリスのその言葉に応えて頭を垂れるのであった。
「全員が出るわけではあるまい」
「全員がですか」
「聖域にも何人かが残る筈だ」
エリスは鋭くそれを読んでいた。
「聖域にいる今の教皇はシオン」
「シオン」
「あの男ですか」
「先のハーデス様との戦いの生き残りの一人」
エリスはそのことをよく知っていた。決して侮っている声ではなかった。
「その程度は読んでおろう。だからだ」
「左様ですか。それでは」
「ここで一気に倒せ。できればな」
「できれば?」
「エリス様、それは」
八大公の方から意見が出た。
「我等が彼等を倒せないと」
「そう仰るのですか!?」
「いや、そうではない」
エリスはそれは否定する。
「しかし。実力はかなり近い」
「それは確かに」
「聖域から感じる小宇宙。これは」
「わかるな。とりわけ強大な小宇宙を二つ感じるな」
「おそらくこれはジェミニのサガと」
「サジタリアスのアイオロス」
二人の名があがった。しかし出て来たのは彼等だけではなかった。
「もう一人いる」
「確かに。これは処女宮から」
「そうだ。バルゴのシャカだな」
既に黄金聖闘士全員の名前はわかっている。その顔も。エリスは己の頭の中でそれを思い出し符合させたのだ。そしてそれに終わりはしなかった。
「私はあの四人を呼び出す」
「なっ!?」
今のエリスの言葉を聞いて八大公だけでなく他の狂闘士達も声をあげた。尋常ではないものを聞いた顔であった。顔もあげていた。
「あの方々をもですか」
「まさか。それは」
「いや、呼び出す」
エリスの言葉には迷いはなかった。
「必ずな。わかったな」
「何もそこまでは」
「我等だけで」
「御主等を信じていないのではない」
エリスはそれははっきりと述べた。
「だが。あの者達はだ」
「油断はできないと」
「八大公の相手は八人」
はっきりと述べた。
「その八人を完全に潰せ。よいな」
「はっ、それでは」
「我等の力をもってしてその八人を」
彼等は今ここでエリスに対して誓う。そのうえでアーレスの宮殿を出た。今八人の戦士が今出陣した。それはすぐにシオンにも察知されローマで最強の戦士が対峙するのだった。
第二話 完
2008・4・12
ページ上へ戻る