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詩集「棘」

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斬りつける現実は音もなく



疲れ果てて涙も出ない
移ろう日々はまるで奴隷のように
僕を鞭打ち歩かせる…

どうしてと問った言葉は切り捨てられ
有無を言わさず型へと嵌められ…
思い出だけが今のよすが
いずれ消え去るとしても…

斬りつける現実は音もなく
全ては運だと諦めさせる
努力は甲斐なく灰となり
人は骸となるだけで…


恋は自由…なんてあり得ず
一方通行の一人芝居
他人は横目で嘲笑う…

こんな世界ならぶち壊れてしまえ
命さえ値引かれるこの現…
いつか見た夢は枯れ果てて
深い闇へと誘われ…

斬りつける現実は音もなく君との距離をどこまでも隔て
淋しさだけが折り重なり
想い届かず頽れる…


斬りつける現実は音もなく
僕の魂を刻み続けて…
いずれは朽ちゆく今でさえ
感慨もなく刻みつけ…

斬りつける現実は音もなく
全ては運だと諦めさせる
努力は甲斐なく灰となり
僕は骸となり果てる…



 
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