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聖闘士星矢 黄金の若き戦士達

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24部分:第二話 黄金集結その二


第二話 黄金集結その二

「聖域を汚す者を許すわけにはいきません」
「よし。それならばだ」
 次に動いたのはカミュだった。
「一気に決める。苦しまないようにな」
「やるか」
「ならば我等も」
 狂闘士達も身構える。両者一触即発の状況になろうとしていた。
 サガもアイオロスも身構える。他の黄金聖闘士達も白銀や青銅の聖闘士達も。今まさに聖闘士と狂闘士の全面戦争がはじまろうとしていた。しかしその時だった。
「待て」
 エリスがここで己の下にいる狂闘士達を制止するのだった。
「エリス様!?」
「何故ここで」
「ここには八大公がおらぬ」
 彼女はこう言ってまだはやる彼等を再び制止した。
「宮殿に置いてきたのは失敗だったが。それならば仕方がない」
「では今は」
「そうだ。お互い名乗りは終わった」
 彼等だけではなく聖闘士達にも告げていた。静かに目を閉じたうえでの厳かな調子の言葉だった。
「ここは退く。よいな」
「はっ、それでは」
「その様に」
 彼等はここでエリスの言葉に従うのだった。平伏し頭を垂れていた。
「聖闘士達よ」
「何だ」
 サガがエリスの言葉に応える。
「また近いうちに会おう。今は退いてつかわす」
「聖域を汚してこのまま帰るつもりか」
「戯言を。ここはあくまで貴様等にとってだけの聖域」
 完全にアーレスの配下としての言葉だった。
「我等にとっては聖域でも何でもない」
「確かにその通りです」
 その言葉を認めたのはシャカだった。
「シャカ」
「しかし貴方達を放っておくこともできません」
 ミロの問いに答えるよりも前にエリスに再び言うシャカだった。
「この世に戦乱を巻き起こし災いを招く貴方達を」
「そうです。シャカの言う通りです」
 シャカの言葉と共に一歩前に出たのはムウだった。
「戦皇アーレスとその配下である狂闘士」
「かつてこの世を破滅寸前においやった魔神達」
 彼等を魔神と呼んだのはアルデバランだった。
「ここで倒しておかねば」
「死にたい者から出て来い」
 アイオリアは彼等に対してこう言い放つ。
「このアイオリア、容赦はしない」
「だから言っておるであろう」
 しかしエリスは彼等の言葉を受けはしなかった。
「ここで貴様等を相手にするつもりはないとな」
「では帰るのか」
「それも言った通り」
 今度はアイオロスに答えた。
「戦いは次からだ」
「馬鹿を言え!」
「そうだ!」
 エリスの今の言葉に白銀や青銅の聖闘士達が一斉に声をあげた。
「貴様等から出向いて来ているのではないか!」
「それでどうして下がってやるなどという態度を取るのだ!」
「黙るがよい」
「うっ・・・・・・!」
 今のエリスの威圧感に満ちた言葉と聖域すら覆いかねない凄まじい小宇宙を感じ彼等は黙った。黄金の聖闘士達も前に出ることを躊躇った。
「神の言葉に逆らうことは許さぬ、人間共よ」
「神だと」
 今のエリスの言葉に黄金の聖闘士達は誰もが顔を顰めさせた。不快なものを感じた顔そのものだった。
「ふん、言ってくれるな」
「全くだ」
 デスマスクの言葉にシュラが頷く。
「神様がそんなに偉いっていうのかよ」
「神とはその心で神となるもの」
 二人が言うとアフロディーテもそれに続く。
 
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